警察官は本当に危険な仕事なのか?

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ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

世間では警察官の仕事は危険だと思われて敬遠されることもありますが、実際はそこまで危険な職業ではありません。

僕的には深夜のコンビニエンスストアでアルバイトする方が危険だと思います。

間合いを取っていれば不意打ちをもらうこともありませんし、常に緊張感を保てば刺されたり殴られることはほぼあり得ないのです。

それでも僕が警察官人生で一度だけ怪我をしたことがあるので今日はその話をしたいと思います。

 

警察人生で怪我をした思い出とは

これは僕がとある犯人を追いかけていた時のことです。

拳銃などの装備品も重いのでスタミナも限界に近づき、それでも逃がすわけにいかずフラフラでした。

そして先回りしようと目の前にある塀をよじ登りました。

塀から地面を見下ろすと、塀の高さは3メートルほどあります。

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アドレナリンが出ても高所恐怖症は治らない

 

これ飛び降りたらヤバイなあ。

 

明らかに飛び降りできる高さではないので少し躊躇(ちゅうちょ)しました。

ですがどうしても飛び降りなければいけない光景が目の前に飛び込んできます。

僕は勇気を振り絞り、塀から飛び降りました。

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時には自分が犠牲になる必要もある

両足から着地するとズバンとものすごい着地音が響きます。

 

その時です。

一瞬、景色がグワーンと揺れてめまいがしました。

右足から今まで感じたことのない痛みが走ります。

酷い痛みに襲われる

酷い虫歯の痛みがそのまま足に移動したように鋭くて気持ち悪い痛みでした。

僕は瞬間的に「あ、これイッた。」と思いました。

いまでもこの感覚と頭に浮かんだ「これイッた。」という冷静な心の声は忘れられません。

明らかに骨に異常がある痛みでした。

 

それでも何とか犯人は検挙できたのですが右足の痛みはどんどん増すばかりです。

本署に戻り恐る恐る靴下を脱ぐと右足は踵(かかと)部分から土踏まず部分まで青く腫れあがっていました。

これは確実にヒビは入ってるだろうけど、怪我をしたと上司に言えば心配されるだろうし保険の申請をするのも面倒なので僕は足をひきずったまま帰ることにしました。

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あの鈍い痛みは生まれて初めてでした

 

電車に乗り目をつむりますがジンジンする痛みは増すばかりで、しかも格闘したまま顔も洗わずに帰ってきたので顔は泥だらけです。

足を引きずりながら歩く泥だらけのサラリーマンは明らかに不審ですし、痛みにも耐えられなくなったので僕は妻に『ごめん、犯人を捕まえる時に怪我したから迎えに来てください』とメールしました。

いま考えるとこんなメール内容も警察官ならではと思います。

 

僕が駅に着くと妻は車で迎えに来てくれており、僕が助手席に乗ると妻は驚いた顔で

「どうしたの、その顔?」

と聞いてきます。

 

僕は妻だけには心配の声をかけてもらおうと今日の出来事を話すと妻は

「いやいや、そんなことよりもさ。あれ何だっけ?ゲリラっていうんだっけ?陸ちゃん顔がゲリラの人みたいになってるよ。」

とクスクス笑って全く心配してくれません。

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ゲリラだって仲間が心配してくれるのに…

僕は少しムキになって

「ゲリラとかどうでもいいから。それよりも足の骨に間違いなくヒビ入ってるんだから少しは心配してくれてもいいやんか!」

と言うと妻は負けじと

「ヒビが入っているのが何で分かるんよ!レントゲンでも撮ったの?」

と言い返してきます。

そこからは僕の骨にヒビが入っているかいないかで論争になり結局は病院にも行かず足を引きずったまま3週間ほど生活することになりました。

 

今でも当時の話をすると妻には

「いやいや、陸ちゃんは大袈裟だから。レントゲン撮らないと分からないもん。」

と言われて悔しい思いをするのでこの話はもうしないのですが、足があれほど赤黒く腫れあがりジンジンしたんですからただの打ち身というわけがないと今でも思っています。

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誰も知らない自分だけの勲章があっても良い

妻からは「塀を飛び降りるんじゃなくてぶら下がって降りたら良かったのに」と言われたので、僕は「警察官は自分を犠牲にしてでも行動しなきゃいけない時があるんだから!」と言い返しましたが一般的に正解なのは妻の意見でしょうね。

それでもね、詳しくは言えませんが塀の上から見たあの光景と、高所恐怖症の僕が塀から飛び降りなきゃいけないと思った決意は一生忘れません。

これは僕だけが知る名誉の負傷なのです。

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