大卒と高卒で警察官になるなら出世や年収で有利なのはどちらか?

高卒警察官、大卒警察官、有利、昇進

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

最近よくいただくご質問の中に「警察官になるなら高卒と大卒のどちらが有利ですか?」というものがあります。

僕は警察官になろうと決めたのが大学卒業後だったので全く意識することなく大卒区分を受験したのですが、現役の高校生や大学を中退された方なら気になるところですよね。(特に警視庁受験者は迷うかと思います。)

大卒警察官と高卒警察官の違い

まず結論から言うと大卒でも高卒でも出世スピードはほとんど変わりません。

嘘みたいな話ですが本当の話です。

なぜそう言い切れるのかというと、僕の周りにいたお偉いさんや将来の署長候補生(若くして警部補で出世コースが確約された人)で高卒区分の人がとても多かったからなのです。

お偉いさんの学歴まで聞ける関係作り

僕は図々しくも昇任させてもらい、運よく警察庁(いわゆるキャリアです)の方とも仕事をさせてもらえる立場になったので警察の内情をかなり深くまで知ることができました。

ネットでは配信することができない話や墓場まで持って行く話も多いです。

その中でお偉いさんと話して飲んで、少しくらい仕事をミスしても笑って許してもらえるほどの関係作りをすることができました。

若手にプライベートは漏らさない

そして仲良くなると家族の話や給料の話、学歴の話などプライベートな話もお互いに話すようになります。

高級幹部とこういった深い話ができるようになるのに10年以上はかかりました。

なぜならお互いに信頼関係を構築するにはそれなりの役職や実績が必要だからです。

(警察学校を出て5~6年の若手にプライベートなことを話してもお互いにメリットがありませんよね)

ネットの情報と現実は大きく異なる

上司の出身大学や学歴について聞くことがいかに簡単そうで難しいか、これは社会人なら分かると思います。

ネットを見ると「大卒の方が昇任は早い」と説明しているブログ(予備校でも同じようなことを話す講師はいるそうです)を見受けますが、それはあくまでも建前の話でリアルとネットの世界の違いがここなのです。

注釈:大卒はエリート扱いされて出世が早いというのは第二次世界大戦終戦近くの話が混在しているんじゃないかなと僕は推察しています。

高卒警察官でも出世は早い

そして僕は高級幹部と話している中で驚いたことは高卒警察官でも出世する人は若くして出世しているということでした。

中には有名大学を出ている人もいましたが、逆に国公立出身でも40代で巡査はいます。

それほど警察の昇任試験は難しいので高卒でも大卒でもペースはそれほど変わらないのです。

 

僕の身近に警察官の兄弟がいたのですが、弟は高校を出てすぐ警察官になり、兄は大学を卒業したあとに警察官に採用されました。

その弟がよく「結局警察官になったんだから大学の学費を考えると親孝行なのは僕なんです。」と笑い話にしていたのですが、確かにお金の面から考えるとそういう考え方も出来ますよね。

大学で学ぶことは多いので一概には言えませんが、お金の面だけを考えると高卒の方が有利かもしれません。

警察官の給料はどんなもの?

ちなみにこちらが警察官の初任給です。

(モデルベース=警視庁)

 

高卒警察官、大卒警察官、給与

こう見ると大卒の方が給与は最初は多いですが先ほどの兄弟の例を考えるとどうなのかなと思いませんか?

それに在職年数が長いと退職金や年金等も変わりますから、給与面だけでメリットやデメリットを考えることは間違っていることが分かります。

考えるべきはやはり大学で何を学んで何が警察に生かせるか、ここですよね。

 

警察の出世は昇任試験だけ?

警察官として出世することは階級を上げることを意味していますが、これは昇任試験をパスする必要があります。

この昇任試験がいかに難しいかは警察官になった人しか分かりません。

大卒だから簡単に警部になれたり高卒だから警部補になれないというわけではなく、学歴が一切関与しない平等な試験です。

高卒でも平等に昇任できる

だから高卒で警察官になると昇任できないんじゃないかと不安な人は安心してください。

高給幹部と話をしていたときに学歴の話題になり「主任は大卒か。偉いねえ。俺なんて片田舎の高卒者だから尊敬するよ」と言われて「この人はすごいなあ。」と感心したことを覚えています。

 

もしかして家庭の事情で進学できなかったのかもしれない。

それでも警察の世界に入って真面目にコツコツ仕事して、最終的にはここまで出世したのに偉そうにしない。

こういうところが求心力のある理由なのかなと思いました。

高卒と大卒のどちらが良いのか迷ったときは

ここまでご覧になっていただいた方は高卒と大卒のメリットは何なのか逆に分からなくなると思います。

そして僕の答えはデメリットを探すのではなく自分にとって後悔せず幸せになれる道をひたすら考えることに尽きるということです。

例えば一般的な私立大学(文系)に通うと4年間で約400万円ほどかかります。

その学費が高いか安いかを判断するのは自分自身です。

高卒警察官の給与、高卒警察官 階級

大学で学ぶことは勉強だけではない

僕は大学で多くのことを学び警察官になっても生かすことができました。

それは大学の授業で学んだ勉強だけはありません。

授業外で学んだことも大いに役立ちました。

 

大学生になると「無為の時間」を得ることができます。

無為を調べると「何もしないこと」と辞書には出てきますが、老子は無為について「なんら作為しないこと」と表現しています。

つまり作為せずあるがままの自分で4年間を過ごして自分の深淵を見つめる人生で唯一の貴重な時間なのです。

警察学校の教官に教わった高卒・大卒の違い

「大卒と高卒の給与がなぜ違うのか、分かるか?」

僕は警察学校にいたときに教官からこう質問されました。

なぜだろう?

大卒の方が知識があるからかな?

 

僕は首をひねりながらも「大卒の方が色々と勉強して学力が高いからですか?」と答えると教官は笑って

「お前はそんなに頭が良いのか。」

と答えました。

 

そして

「社会経験があるだろう?大学で色々と経験しただろう?社会人経験者なら苦労しただろう?その期間を給与に換算してるんだよ。」

と言われて深く納得しました。

大卒警察官だからこそ課題は多い

大卒として何が優れているのかではなく、大学の4年間で何を学んだのか。

これまでの期間を給与に換算するのに見合う経験はできたのか。

できたのならばそれをどう面接で表現するのか。

視点を変えてみると大卒と高卒の差は小さく、むしろ自分に何ができるかが大きな課題だということが分かりますよね。

2 件のコメント

  • 警察官になりたい高校3年生です。
    今日、学校で担任の先生と面談をしました。
    警察官になりたいということ、高卒でも十分なれること、倍率が下がっていることを伝えました。
    しかし、「最近はAIとか普及してきたし、警察にとってもそういったパソコンの知識とか持ってる人が求められるんじゃない?大学いったらどお?社会経験だって…」と、言われました。
    警察にとって、AIの普及とはどういったものなのでしょうか?
    インターネットでは「教師、警察官などはAIに代わることはない。」
    などと書いてありますが、
    AIなどの影響で警察官への就職が厳しくなることや警察官として勤務の内容が変わる
    なんてことは起きますかね?

    また、先生のいう社会経験とは何を指すのでしょうか。警察官にとって必要な「社会経験」とは?大学でしか得られないものなのですか?
    桜井さんが警察官時代、高卒警察官に対して、「社会経験がないぁ」や、「大卒でてないから…」と思ったことはありますか?
    桜井さんの得た大学での経験とはなんですか?(文字にすることは難しいとは存じますが、そこをなんとかお願いします)僕のイメージでは、酔っ払い者の扱いとかかなと、推測しますが、それはお酒を扱う飲食店でアルバイトすれば身につくのではないかとも思ってしまします。

    進路のことなので不安ばかりあります。しつこいくらいたくさん相談してしまってすみません。

    • ご質問にお答えしますね。
      社会経験とは問題に直面したときに自分なりの解釈で答えを導き出せるこれまでの積み重ねです。
      大学で得た経験や社会人で得た経験というのは人それぞれなので一概には言えません。
      稲垣さんと同じ高校に通う同級生全員が同じ能力ではない様にひとそれぞれ個人差があります。
      人生において「〇〇だから△△だ」という方程式のようなものはないので柔軟に考えてください。
      柔軟性こそが警察官に求められるものです。
      学校の先生がこの世の全てを知っているのか、インターネットの情報は全て正しいのかというとそれは間違いです。
      人から見聞きしたことを吟味して、自分で答えを探して正解を見つける作業こそが人生勉強であり社会勉強となります。
      不安なことは多いでしょうがまずは自分が今すべきことはなにかをよく考えて行動してください。
      応援しています。

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    ・3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に採用、代表的な出世コースに乗る。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民の相談者が絶え間なく幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 30代、既婚、大阪市居住。