警察官をクビになった話の裏側と警察学校の真実

警察官をクビになった話

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

最近、元警察官の方が書かれた漫画が反響を呼んでいるそうで僕も読んでみました。

「警察官をクビになった話」というテーマで、18歳で警察学校に入校したものの教官のパワハラや同期の酷いイジメに遭い、あえなく退職した話です。

警察官をクビになった話に共感できない理由

これはかなり壮絶で読み手の心をえぐる内容でした。

こんな酷い教官も警察も腐敗しているから日本の警察はダメなんだ。

警察学校のシステムを変えるべきではないか。

 

と、ほとんどの人は思ったでしょうが僕は全くそのように感じませんでした。

現職の警察官に見せても同じ回答をするはずです。

警察学校は普通の学校ではない

そもそも、警察学校ってどんなところかほとんどの人が誤解しているんですよね。

警察学校は警察官を養成するだけの学校ではありません。

厳しい言い方をすると警察官不適合者を選別するための場所でもあるのです。

「学校」と名前が付いているので小学校や中学校のように先生が手取り足取り教えてくれて、仲間と協力して卒業まで国が面倒見てくれる場所というのは間違いです。

警察官に不向きな人はどんどん脱落していく場所なのです。

警察学校、入校、訓練、教官

難しい採用試験を潜り抜けてせっかく警察官になったのになぜ選別するのかというと、卒業後は通報してきた市民と直接触れ合うからです。

そこでなにか不手際があると取り返しのつかないこともあります。

 

たまにテレビニュースで若い警察官がとんでもない不祥事を起こしたとき「警察学校で見抜けなかったのか?」と警察はよく批判されますが、この「警察官をクビになった話」の作者さんが通われた警察学校の教官は不祥事が起こる前に見抜いて退職を諭しただけの話なんですね。

教官、警察学校をクビになった話

警察に後出しジャンケンは許されない

警察が不手際を起こすと「もっと〇〇すべきだった」と世間から批判されますが、それは全て後出しジャンケンです。

そして不祥事を責められる警察に後出しジャンケンは許されないので何か問題が起こる前に対処することを求められるのです。

イジメやパワハラはあるのか?

警察学校は閉鎖空間ですからイジメのようなことは起こり得るでしょう。

特に作者の方は高校を出て警察学校に入校されており、周りもまだ社会を知らない10代の若者ばかりです。

 

その集団の中に輪を乱す存在がいて、いつも連帯責任を負わされているとすれば何となく想像がつきます。

(僕自身いじめは大嫌いなのですが人間が複数集まる場でいじめはほぼ必ず起こります。)

警察学校、クビ、教官

試用期間途中の解雇は難しい

ここでよく警察学校の教官は「警察官を辞めさせたいなら解雇すれば良いのに」と言われるのですが絶対クビにはできません。

試用期間といえどすでに契約を完了した警察官(被雇用者)であり、地方自治体(雇用主)が簡単に解雇できないほどの強い権利を持っているのです。

 

警察がブログ主さんを解雇しようとすれば不当解雇となり、100パーセント警察は負けます。

だから教官は辞めるように諭す必要があるのです。

警察官をクビになった話、教官

 

 

「警察官をクビになった話」を読んでいると教官が「俺を恨んでくれていいからな」と最後に話すシーンがあります。

あれは間違いなく教官の本音だと思います。

夢を持って入校してきた若者を実質上クビに追い込むって精神的にかなりキツイはずです。

警察学校の離職率について

少し話は変わりますが、とある県警では2013年の警察学校での離職率(退校率)が4人に1人とデータがでています。

これを見てとんでもなく厳しくて次々ふるい落とされるイメージを持った人も多いと思います。

詳細は以下の記事をご覧ください。

新人警察官が職務に必要な知識と技能を学ぶ「警察学校」で、ブラック企業顔負けの大量の退職者が出ていることが明らかになった。

大学卒業後に兵庫県警の採用試験に合格し、2013年4月に警察学校での生活をスタートさせたAさん(25)は、約4か月で職を失った。

入校直後から教官から辞めるよう圧力をかけられ、執拗な嫌がらせを受けたという。Aさんは昨年8月になって成績不良を理由に免職になった。

 

国民の安全を守るために危険と隣り合わせとなる警察官の職務を考えれば厳しい訓練は必要だが、Aさんのように警察学校を去って行く新人は他の職種に比べて異常なほど多い。

厳しい採用で選抜していることと併せて考えると、その評価か教育か、何がしかの問題があると考えざるを得ない。

 

本誌は情報公開請求で各警察本部の警察学校退職率の一覧を入手したが、Aさんが在籍していた2013年度、兵庫県の警察学校では入校者490人のうち123人がわずか半年あまりで退職している。退職率は25.1%で全国トップの数字だ。

2位以下は少し離れるが、それでも神奈川(19.2%)、鹿児島(19.1%)、石川(18.7%)、大阪(18.6%)と高い数字が続く。

出典:NEWS ポストセブン 「大量採用・大量退職の警察学校 典型的なブラック企業の特徴」

これを見たら恐ろしい学校に思いませんか?

次々に辞めさせられるブラック企業じゃないかと。

せっかく採用試験に受かっても数か月で無職になったらどうするんだと。

 

僕はこの記事を読んで正反対のイメージを受けました。

自分が警察学校に入った当初は就職氷河期で辞める人なんていなかったんです。

時代は変わったなと。

 

今は怒られることに慣れていない若者が増えたので、あえて厳しくしている訓練に耐えられない人も多いのかもしれません。

現場はもっと過酷ですからヤクザやチンピラに怒鳴られることも当然あります。

それでビビる警察官を見たらどう思いますか?

 

だからこそ警察学校で適正を見ているんです。

ブラック企業などと批判するなら街中に打たれ弱い警察官が溢れることを想像してみたらいいと思います。

たった6か月(高卒は10か月)の訓練に耐えられない警察官に市民の命を守る仕事が務まるとは思えません。

警察学校の教官もツラかった

そしてさきほどの教官が学生に退職を勧める話に戻ります。

自分(教官)がクビにした若者はその後どうなるのか。

もしかしたら路頭に迷うのかもしれない。

それでも市民のためには心を鬼にして決断しなければならない。

 

そしてそれが警察官の仕事なんですよね。

道案内や落とし物の受け渡し、迷子を保護するだけじゃなくて時には辛い仕事もあるんです。

警察学校、訓練、教官、クビ

僕はよく教官から「警察学校にいる間は警察馬鹿になれよ。ここを出たらこんなことできないんだからさ。」と笑って言われました。

確かにみんなで盾を持って掛け声を出して走ったり、胴着を絞れば汗がでるほど武道することは警察学校だけです。

良い大人が青春ドラマみたいにケンカしてぶつかり合って成長してみんな警察馬鹿でした。

辛い訓練やシゴキばかりではない

風呂で同期がシャンプーを洗い流しているときにこっそり髪にシャンプーをかけて永遠にすすぎ終わらないイタズラをしたこと、僕が化粧水を使っているとみんながハマって寮のみんなが美容マニアになったこと、恋愛話を明け方までしたこと、色んな楽しい思い出があります。

 

辛い事だけじゃないのが警察学校です。

むしろ楽しいことしか覚えていません。

被害者の立場になってみる

「警察官をクビになった話」が警察学校の全てだと勘違いすると余りの落差に驚く人も多いと思います。

それほどあの漫画はレアなケースですし、教官から辞めるように諭される人は「それだけの理由」があるのです。

自分が被害者になって通報したときを想像したら意味が分かりますよね?

警察学校、訓練、教官、厳しい、いじめ

警察学校の卒業式で同期と別れるとき、同期が僕に敬礼した凛々しい姿が今でも目に焼き付いています。

この記事を書きながらもし機会があるならもう一度入校してみたいなと思いました。

 

大人になって学校に入り、青春をやり直すってなかなかないので本当に楽しいんです。

警察官を目指している方も警察官採用試験に合格した方もネットの情報全てが真実ではないので心配しないでくださいね。

続けてこちらの記事へ→【警察学校のいじめやパワハラは〇〇でした】

44 件のコメント

  • 辞めるよう諭されるのは分かるけど言い方ってもんがあるでしょう、あんな言い方をする様な人間が警察やってる時点で腐敗してるでしょ

    • どんな言い方だったのか、どんな失敗をしたのかが分からないまま当事者の意見だけを信用して一方的な警察批判で終わってしまうのがネットの恐ろしさなのです。

  • 興味深く拝見いたしました。
    「警察官をクビになった話」を読んだ時、桜井さんのこちらのブログのような事情があり、
    あのようなイジメや追い込みがあったのだろうと、想像できました。
    気になったのは、あそこまで追い詰めないと追い出せないシステムの方でした。

    是非、内部にお詳しい桜井さんのような方のお考えが知りたいのですが、
    今回のような事はレアケースなので、現在のシステムが最善と思われますでしょうか?
    それとも、システムに改善の余地はありそうでしょうか?

    オブラートに包むとぼやけそうですのでストレートに申しますと
    「もっとスマートに不適合者を退けられる仕組みにできないのか」という事ですね。
    あそこまでお互い消耗せずに・・・
    青臭い事を申しますと、多くの方の利益の為に、ごく一部の方が大きく傷ついている(辞めさせた方も含め)事が
    私的にはあの漫画のテーマなのかなと感じました。

    • 私も人を傷つけてまで辞めさせるシステムが最善とは思えません。
      ただ試用期間とはいえ労働者の権利が強いため、「辞めるつもりはない」と言われれば辞めさせることができないのが現状です。

      多くの方の利益を守るために少数を傷付けるという表現をされていますが正にその通りだと思います。
      公共の福祉という言葉があるように社会秩序を守るためにはある程度の強権性も不可欠かなと思います。

      社会を知らない高校生上がりの若者に「僕は辞めたくない」と頑なに言われた場合、いかに諭すのがベストなのかは私にも分かりかねます。
      ただ、あのブログのように『警察官不適格だったから退職勧告された人』が原因を曲解し恨みに感じてネット配信し、多くの賛同者が湧くというこの時代は雇用側にとって非常にやりにくいだろうなと思いました。

  • ふるいにかけて落とすのではなく、どうして育てようとしないのですか?不器用人には、務まらないってことですか?よろしくお願いします。

    • 義務教育の学校ではないからです。
      適正がない人を警察官にした場合、誰が被害を被るかを想像していただけると分かりやすいかと思います。

  • 中学三年生です。
    高卒で警察官を目指しています。
    例の漫画を読んで、不器用な私も同じことにならないか不安になっていました。
    でも、このブログを見て、安心したのと同時に、これから警察官にふさわしい人になれるように努力しようという気持ちが一層増しました。
    ありがとうございました。

    • あれは本当に稀なケースを大々的に表現しているため知らずに読んだ人は錯覚してしまいますが、あれほど酷い世界が日常的ならば私も卒業できていないかもしれません。
      あの漫画を読んでネットは便利ですが情報の取捨選択は必要だと心から思いました。
      素敵なお巡りさんになれるよう応援しています!

  • 最初一ヶ月は特別指導期間といって滅茶苦茶厳しくして不適格者は排除せよとの方針です。向いていない者規律訓練に付いてこれない者は教場全員でいじめて追い出すまたは教官か毎晩教官室に呼び出し退職勧告を実施する方針の様です。

    • 最初は確かに厳しかったですが、みんなでイジメることはなかったですよ。むしろ団結してお互いに励まし合っていました。
      それでも辞めていく人は警察に興味なく採用された人が多かったです。

  • 知り合いが警察学校を追い出されました(まだ退学にはなっていません)
    本人や家族に対して人格を否定するような言い方をされたそうですが、本人はやめたくないと言っています
    学校に戻る方法はあるのでしょうか?

    • 追い出される、というのはお互いの言い分も分かりませんし原因も不明なので言及するのは難しいです。
      退学というよりも公務員ですから厳密には依願退職になるでしょうが、まずはそうなった経緯を本人が正しく認識する必要があると思います。
      教官も無意味に厳しいことはしませんから、原因の確認と改善可能なのか考える必要があるでしょう。
      ただ身内でもない人物が話し合いに入ると余計にこじれますし良い方向には進みませんので、当事者へのアドバイス程度に抑えておく方が良いと思います。

        • いえ、詳しい内容は公開しない方が良いと思います。
          この件で私が間に入ると余計にこじれると思いますし、お互い第三者として立ち入らない方が良いでしょう。

      • 安易にコメントしてしまい失礼しました。
        原因についても知っているのですが、詳しい内容などはお問い合わせに送ればよろしいのでしょうか?

  • 不適合者を落とすためなら、集団リンチや人権侵害もやむなしという事でしょうか。普通の企業が同じ事をやれば訴訟ものだと思うのですが…

    • 集団リンチ等は見たことありませんが、人権という話になると難しいと思います。
      警察官にも人権はありますから適性がなくても就労意欲さえあれば良いのかというとそれもまた違っていて、警察官が守るべきものは市民の人権だと思うのです。
      警察官自身の権利を守るために市民の権利を侵害するのは本末転倒に感じます。
      警察と普通の企業が違うところは少しのミスが人の命を奪うことに直結する点で、被害者目線で考えるとまた違った考え方が出来ると思います。

  • あのマンガのイジメやシゴキは酷いと思ったけど、この記事の言うことも事実だと思う
    マンガの中で作者は「刑事ドラマに憧れて」と書いてたけど、警察官はヒーローごっこの遊びじゃない
    防刃ベストを着て拳銃を持ち、何かあれば自分の身で市民を守り、場合によっては犯罪者と命のやり取りもしなくちゃいけない

    自分や家族が通り魔や暴走族に襲われて110番したときに、あのマンガの作者みたいなトロくさい警官には来てほしくない

    障害があって頻繁にミスを犯して教官から「キミは適性がない」と言われても「カッコイイ警察官になって刑事ドラマみたいに活躍したいんです!」で土下座でゴリ押し=「市民を守れる能力があるか無いかより、自分のナルシズムが大事!」という幼稚で身勝手な奴に、警察官には絶対になってほしくない

    あのマンガで問題にすべきことは「試験をすり抜けた適性のない者を警察学校で解雇できない」という制度の不備であって、警察学校の厳しさが「訓練」として必要なことに変わりはない

    • 仰るとおりあの話を読むと警察官を辞めさせられた主人公が被害者のように感じますが、本当の被害者は犯罪被害に遭った市民なんですよね。そして被害者を警察の不手際で二次被害に遭わせることなどあってはならないのです。
      みんなで手をつないで仲良くゴールするのは小学生までで、社会に出るとある程度の責任を求められます。
      日本人は欧米のように権利意識が高くなったので、警察学校も対応には色々と苦労しているようです。

  • 初めまして
    件の漫画と、読んだ方の「パワハラだ」「警察最低」といった感想の数々に違和感を覚え、他の方の感想を探しているうちにこちらにたどり着きました。
    桜井さんのように、内部にいた立場の方から「こういう事情があるんだよ」とお話を伺えてよかったです。

    私は、正直件の漫画の作者さんが退官してくれてほっとしました。
    学校の段階で同期と上手く連携が取れない方が現場に出れば、下手すると仲間の命を危険に晒す立場になりかねないからです。
    他のコメントに「育てればいい」とありましたが、養成機関が決まっている後で命懸けで仕事をしなければならない事が決まっているのに、一つ一つゼロから教えなければいけないような人間を警察官として送り出すのは死地に追い込むことと同様です。それこそ一番無責任です。
    こちらのブログでも書かれているよう、人によって適正が大きく別れる職業の一つだと、もっと認知されるといいなと思います。

    • 私も同感です。
      もし自分が大きな事件の被害者となった場合を想定すると、『育てればよい』という言葉は決して出ないはずなのです。
      警察は後出しジャンケンで批判される組織だからこそ、常に先手を打たなければならないのは現場で実感しました。
      件の作者さんが現場で人間関係や仕事についていけず、悩んで最悪の結果を迎える可能性も高かったのでこれで良かったと思います。

  • つい最近、この漫画を読んで違和感を覚え、いろんな感想を探していたところ、まさに同じようなことを思っている人がいてホッとした。

    漫画の彼が、自分の町の交番に配属されていたら、いざという時に全く安心できない。もちろん彼がどんな人物なのか一般人は知る由もないが、知ってからでは遅い。極論、事件があった際、彼がワタワタと準備をしている時間で被害が大きくなることは想像に難しくない。

    警察官になりたい理由も、否定はしないが賛同はできない。

    被害者の一方通行な感情をぶちまけた漫画を鵜呑みにする人が多くて恐ろしい。

    いじめは絶対にあってはならないが、この漫画のケースでは回避できたいじめにも思える。

    • 警察官という仕事は慈善事業ではなく、ボランティアでもないので『落ちこぼれてもみんなが見守って一緒にゴールする』という考え方では市民は決して守れません。
      あの漫画を見て俯瞰的に物事を見る力は必要だなと改めて感じました。

  • 警察官採用試験に合格をし警察学校へ入校待ちの期間不安になり閲覧しました。
    全文読んで私にできることは警察学校を恐れるのではなく全力で訓練や勉学に取り組み警察官を目指すという事だと思います。
    要するに警察学校が恐いと思う時間が勿体なく、それより今からできること(ランニングを初めとする体力作りなど)を全力で行うということそれで不適正ならそれまでだということです。

    • 合格おめでとうございます!
      警察学校はそこまで恐ろしいところではなく、慣れるととても楽しい場所でした。もし出来るならば私も再入校したいほどです。
      第二の青春を楽しんできてください。

  • 近所に警察学校がありまして、グラウンドでランニング中の警察学校の生徒さんたちを見かけた事ありましたが、掛け声が非常に力強く逞しかったのが印象的でした。更に訓練に励んでいる姿も、一目見ただけでも真剣そのものである事が見て取れました。恐らく誰一人としてダラダラ走ったり、手を抜いている方はいないんだなと思っています。

    そこから離れた場所にいても、掛け声がしっかりと聞こえるほどでした。それを聞いていて「うるさい」という印象よりも、こんなに力強い掛け声が出せるのかと感心しました。

    警察官になるという事は他人を守れるぐらいの、身体的にも精神的にも強くならないといけないという事が大事なんでしょう。市民を守る立場の警察官が弱かったら、世間から不安に思われて信頼が築けませんし、適性の無い者を振るい落とすというのも一見残酷なように思えますが、結果的にはそれが市民や警察学校の生徒にとっても、お互いの為でもあると思います。刑事ドラマなんかは言い方悪いですけど、単なる娯楽であって、ヒーローごっこの一種でしかないんでしょう。現職の刑事の方も刑事ドラマみたいな事は、絶対にやっていないと断言していますし。

  • はじめまして。
    あの漫画を読んでとても驚いて怖く感じました。
    最近警察を舞台にしたドラマや漫画を好きになったので「あのキャラクターもあんな過酷な世界を生き延びて事件に立ち向かってるのか」と感慨深くなりました。
    警察官は、一般人が避けたくなるような怖い人や怖い事件に立ち向かい解決するお仕事だと思っているので、心身共にタフな方々でないと続ける事が難しいと思います。
    なので警察学校の厳しさや、漫画での先生たちの言い分は理解できます。ただ一方で不適合者に対してもう少し別のやり方があれば良いのに…と思いました。
    警察学校入る前の段階で発達障害の有無とかを診断して、明らかにこの子は向いてないな(あの漫画の主人公みたいな人)という子は落としたりする事が警察にとっても本人にとっても良さそうだと感じました。
    甘っちょろい意見すみません。

    • 難しい問題ですよね。
      警察官とは事件を解決するだけが任務ではなく、色々な人から相談を聞いて解決したり、仲間と協力して24時間以上働くことが主な仕事内容です。
      採用試験の前にその仕事内容を調べることも受験者は大切ですし、その仕事に対して自分自身に適性があるのか自己分析することも大切なことです。

      そして面接で全てを見抜くのは不可能ですし、採用されたあと適性の無い警察官が現場に出れば被害者が二次被害に遭う危険性も高まります。
      では適性の無い採用者を警察学校でクビに出来るのかといえばそれは法律上、ほぼ不可能です。

      警察官といえども一度雇用されれば労働者として強い権利を持つだけに、採用側は色々な面で苦労しています。
      発達障害が目に見えるものなら判断しやすいのですが受験者は隠して受験しますし、人を採用するというのは本当に難しいことだと痛感します。

  • このブログを読む前、「警察学校=軍隊」のイメージがあってパワハラやいじめが横行していると思っていました。特に連帯責任と聞いて不安を覚えましたが、一人の警察官が不祥事を起こすと警察全体のイメージが悪くなります。これは民間企業でも言えることですね。だから厳しさは必要なんだと納得しました。
    プライベートも含めて市民の模範とならないといけない職業でもあるので、偏った思考で教官からパワハラを受けたとか言わないでほしいと思います。また、学校は本当に警察に適正であるのかを見極める場所であり、採用試験を受ける時はただ公務員になりたいのではなく、どんな時も市民を守っていく覚悟が必要だと改めて納得しました。警察のおかげで今安心して生活ができていると実感しています。

    • ありがとうございます。
      警察学校の厳しさとは市民を守るためには必要悪であり、教官の厳しさをパワハラと呼ぶのは私も間違いだと思います。

  • 警察官に向いていない人とは具体的にどのような人なのでしょうか。
    わたしは今高校生で、女子校に通っています。男子ともあまり関わりはありません。走るのが得意で体力は自信ある方で、体力検定は小学校からずっとAでした。ずっと吹奏楽をしていて、高校も勉強ばかりだったのでついていけるか心配です。
    また、性格も周りに流されやすいタイプです。
    でも小さい頃からずっと警察に憧れているので警察官になりたいです。
    親にも向いていないんじゃないかと言われます。
    辞めていく人の特徴など具体的に教えてください。

  • 大卒と高卒でどこまで給料や昇任があるか教えてほしいです。
    また刑事や警視庁の偉い人になる方は大卒とか決まっていますか?
    現在理系の高校3年なのですが国公立大学に進むか夢の警察官になるために警察学校に行くか迷っています。

    • 警察官に学歴は関係あるのか?
      その答えをこちらの記事に詳しく書いているので、ぜひご覧ください。
      https://riku-navi.com/police-academic-background/

      ちなみに、警察学校は警察官採用試験に合格してからいく所です。警察官になるための学校ではないので、その点も含めて進路を検討してみてください。

  • これも数ある警察暴露本の一冊なんで、瞬間的に話題になってすぐ立ち消えるかと思いますが、、、
    某Kなんとかさんが書いた警察暴露本なんて勤務下番後にホストに喧嘩売りに言ってたとか、大問題起こした冤罪騒動(再燃すると困るので詳細は書かないです)とか書いてありましたし。

  • たまたま見つけて読ませていただきました。文章がわかりやすいため他のものも読ませていただきました。

    今回はこの内容について感想を残します。

    ・何をしでかすかわからん被疑者に立ち向かうためには集団行動がスムーズにできることが大事であり、それができない者は「排除」すべき、というのがスタンスなのはわかりました。それはその方向で正しい考え方だと思いますし、理解できます。間違っているとは思いません。

    ・一方、「排除」された側はやめれば警察官の皆様が守るべき一般市民です。その(元警察官である)一般市民に警察時代の受けた出来事でその後の人生にトラウマを残し、その家族に苦労させるほどの仕打ちはあってはならないな、という風に感じました。それで被害者加害者の関係ができたり、裁判沙汰になるのは信頼を落としますし、警察組織への恨みは長い目でみてよろしくないものだと考えます。排除したらはい、おしまい、みたいな感覚があるてしたらそれには違和感があります。

    ・厳しさとハラスメント防止といういわば矛盾を同時にクリアしなければならないというのは警察学校の上から下まで皆苦痛なことだと思います。それなら採用前に厳選してコイツらはクビにしないにすればいいのに、と思いましたが、そんなこと難しいでしょう。せめて受験生の段階でいろんな検査をして障害がある、その傾向がある人は募集から排除するとかして少しでも揉める要素を少なくすべきではないでしょうか。集団性が求められる職場なんだからそれに適さないのを除外するのは差別ではなく区別だと思います。

    と思いました。

    • ありがとうございます。
      何度も読み返させて頂きました。
      採用は難しい問題ですよね。
      受験者、つまり求職者は何が厄介かというと『嘘をつく』のです。
      それは生活がかかっているから、あとは単純に合格するためなど人それぞれです。

      中には警察の仕事に全く興味がない者や反社関係者もいます。それらを面接で全て見抜くのはとても難しいので、隠したまま採用された人物を見抜くにはどうしても警察学校は異質な人物を除外する必要があります。

      警察学校で辞めさせられた人物は確かに恨みをもつかもしれませんが、その問題のある人物が警察官になり一般市民に何らかの危害を及ぼすことを考えたら、どちらが良いでしょうか?
      私ならばたとえ恨まれても異質な人物を現場に出すことなく、警察学校でふるい落とすことを選択します。

      せっかく採用されたのに辞めさせられるのは確かに不憫ではありますが、警察が守るべきはあくまでも市民です。
      その点をご理解頂けると幸いです。

      • 繰り返しになりますが、異質であれ不適格であれ、やめれば警察官が守るべき一般市民です。その元警察官の一般市民が後々まで後遺症として残るようなやり方があるとしたらやめていただきたいです。そうなれば元警察官のバックグラウンドは何であれ一般市民なのですから、一般市民を傷つけたとして、警察は加害者です。そうした姿は見たくないものです。

        あと、お立場がお立場だから警察が正義を掲げるのは本来の理想ではありますが、法治国家である以上正義のあり方を決めるのは司法である裁判所や法律であって警察ではありません。警視庁の公安関係をはじめ、冤罪事件が目立ちますが、法律に対しては謙虚てあってほしいものです。

        警察の掲げる正義はもっと法律的な観点で俯瞰的であってほしいものです。

        • 仰るとおり、後々まで心に傷が残るようなことは警察もしたくないと思います。
          ただ就職してどこかの組織に属すると生活がかかっているので、向いていないと言われて『あ、そうですか。じゃあ辞めます』とアッサリと退職する人は少ないです。
          日本は法律上クビにする事ができないので、そのジレンマは警察に限らず多くの企業が持っています。
          その点、アメリカの警察学校は次々とクビにするトライアウト形式なのですが、どちらが良いのか個人的には分からないです。

          あと、警察は正義を掲げてはいません。
          あくまでも法の執行者として職務を遂行するだけです。
          法律が正義なのではなく法治国家として、違法行為を見つけたら刑事訴訟法に則り法的な措置をする機関です。
          つまりは法律に対して謙虚でも横柄でもあっては駄目で、常に中庸であることが求められます。
          だからこそ『正義』という人によって基準が異なる価値観ではなく、『法律』や『条例』という絶対的な条文が警察官の判断基準なのです。

          警察官として現場に出せば危険な人物。
          警察学校にいる内に辞めさせなければ市民が犠牲になる。
          そのとき、警察は解雇したくても解雇できないのは労働者が法律で守られているからです。
          もし警察が解雇すると『不当解雇』として訴えられるでしょう。
          更に警察学校で何か厳しいことを言うと最近はすぐに親が出てきて大問題になるそうです。
          私のいた警察学校でも、大切な訓練がモンスターペアレントのせいで無くなってしまいました。
          警察は法律を守らければならないという『正義』に板挟みにされるため、ある意味では非常に弱い立場です。

          • 私のいた警察学校でも、大切な訓練がモンスターペアレントのせいで無くなってしまいました。
            警察は法律を守らければならないという『正義』に板挟みにされるため、ある意味では非常に弱い立場です

            →視点を変えて親からしたら自分は一般市民であり、大事に育てた子供が、って発想であれば、ペアレントの考え方自体は間違ってはいないのです。しかし、ペアレントは警察とは何のための組織であるか、という観点が一切存在すらしていないのは問題だと思います。親子面接なんか入れてもいい気はしますけどね。親がわかれば子のバックグラウンドがわかりやすいです。社会人にもなってという意見はあるでしょうが、組織への理解と選別のためならやむを得ないと思います。

            警察外だけではなく、内部においても法は適応されますからね。難しいです。長々と申し訳ありません

          • >>桜井様のような方が浸透していれば、こういったことがなかったのではないか、と考えると残念な限りです。私は桜井様が外で志望者全員を足切りチェックすれば、警察組織としても楽になるのではないかと考えます。

            →ありがとうございます。その方式を採りいれると、もしかしたら逆にコネなどが疑われる可能性がありますし難しいところですね。

            親子面接はとても素晴らしいアイデアだと思います。
            叶うならば警察もぜひそのようにしたいはずです。
            ただ、今の日本は就職試験で受験者の出自や思想信条、親を含む身内のことは一切聞いてはいけないことになっています。
            個人的には日本が日本の首を締めているような気がしてなりません。

          • だからこそ『正義』という人によって基準が異なる価値観ではなく、『法律』や『条例』という絶対的な条文が警察官の判断基準なのです。

            素晴らしい回答ありがとうございます。なお安心しました。明確な根拠に基づいて動く姿勢は大事なことです。法律は日本国内にいればいかなる組織場所にいても適応されるものであり、治外法権となる組織場所は存在しませんからね。

            そのような姿であるべきはずなのに、奈良県警の銃弾冤罪、警視庁の公安関係の冤罪事件は法律や憲法にある人権を軽視したあってはならないものです。警察内部でも実は無法地帯が存在していると考えると恐ろしいです。

            桜井様のような方が浸透していれば、こういったことがなかったのではないか、と考えると残念な限りです。私は桜井様が外で志望者全員を足切りチェックすれば、警察組織としても楽になるのではないかと考えます。

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    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。