警察官になるのに年齢が上だと不利になる?【現役警官が本音で回答】

先日、警察志望者の方から

匿名
『高年齢で警察官になると荊(イバラ)の道を歩くような思いをするのですか?組織からネガティブな目で見られるのですか?採用試験に何度も落ちることは不適格なのでしょうか?元警察官の人に言われて一瞬で夢を積まれた気持ちになり、悔しくて涙がでました』

とブログ記事に相談コメントを受けました。

そんなことは決してなく、実際に僕は警察官になるまで10回も試験に落ちたけれどしっかりと評価してもらい昇任試験にも合格できました。高年齢でも何度試験に落ちた人でも中途採用でも警察は頑張った人をしっかりと評価してくれるのです。

警察官になるのに年齢が上だと苦労するのか?

僕がユーチューブやブログで警察官採用試験対策を始めてから『元警察官』というジャンルが確立され早期退職した若い元警察官が次々に参入してからこのような相談が後を絶ちません。

(実際の相談はこちらの記事のコメント欄をご覧ください)

相談者

一喜一憂する自分が嫌いです。
先日、とある元警察官に質問したらショッキングな回答をされて悩んでいます。これは真実でしょうか?ドリームキラーなのか本当のことなのか教えてください。

僕はこの相談をいただき憤慨し、すぐに返信したのですが自分だけの経験談では弱いなと感じて現役警察官のYさん(警察官として10年間勤務)にも同様の質問をしたところ、心強い回答をいただいたのでご紹介します。まずは相談者さんと早期退職警察官のやりとりがこちらです。

相談者
高齢で警察官になると茨の道と言ってた元警察官(5年以下で辞めてる)のひとがいましたが、たとえやる気があっても初めからそういうネガティブな目で見られますか?
早期退職警察官

剣道三倍段という言葉があります。
これの本来の意味は、空手や柔道などの徒手のみで戦う武道家が剣道家と戦う場合、剣道家の段数の三倍の段位を持たなければ対等に戦うことが出来ない、という古来の教えです。

これを置き換えるのであれば、新卒はそれだけで点数や姿勢などでのみ他者と戦えるが、高齢の場合はそれ以上のものが必要とされる場合が多い、と言うことです。つまり新卒が剣道家、それ以外が徒手で戦う武道家です。

わかりやすく言えば、卒業する年に受かった一発組の新卒はそれだけでまずは評価対象です。
何故なら、これからの警察人生がMAX使える年齢、試験に合格する実力を持っている、真っ白なパレット、失敗しても社会人経験がなくお子ちゃま扱いである程度許容される、逆に学生を逸した動きをすれば評価が他者より上がりやすいなど。

対して、新卒でない方は合格した年から定年までの年数が新卒より少ない、何度も受けないと合格できなかった人、合格するまで何をやっていたのか?という足枷、ミスをしたときに社会人経験を試される、厳しい社会人経験をしてるなりの動きと積極性など能力を見られるので、超越で評価、出来て当たり前、出来なきゃ何を学んできた?と劣等評価されるなど。

そんなのは!なんてのはナンセンス。実際にそうでしょ?
初めから警察官になろうと思ってなかった、警察官になりたくてもなかなか試験をパスできなかった、などという事実はそこにあるのですから。

 

相談者
ごもっともだなと受け止めた反面、質問に答えてくれる警察官は皆辞めています。新卒で受かる人が一生続けると言ったらそうでもないと思います。
上記にある通り、途中から警察官を目指すこと、何度も落ちることは、不適格なのでしょうか?Yahoo知恵袋ではありませんが元警察官の方に言われるとほんとにそうなのかなと思えてきます。

一瞬で夢を積まれた気持ちになり、悔しくて涙がでました。けど、建前ぬきにして、中途でしかも一度だめなら諦めるが賢明でしょうか?自分は努力して改善して受けたいです。こんな言葉に一喜一憂する自分が嫌ですが、よろしくお願いします。建前ではなく、本音でよろしくお願いします。

桜井

そんなこと全くないですよ(笑)
穴だらけの屁理屈で、失礼ながら笑ってしまいました。
恐らくその発言をした人も社会経験が浅いのでしょう。頑張って考えて言葉を並べたんだろうなと感じて可愛らしく思えますが、当事者になると悩みますよね。
それでは本題に入りましょうか。

中途採用と剣道をたとえる意味がよく理解できませんが、要するに茨の道にするのは自分次第というわけです。
はじめから警察官になろうと思わず警察官になった人も多いですし、何回も受験して合格した人も多いです。
逆に新卒で警察官になっても組織で浮いて辞める羽目になった人も多いです。
警察官になると、これまでの経歴よりも今を見られます。

新卒も中途採用も同じ土俵に立つからこそ公平に苦労するし公平に努力するのです。
もちろん評価も公平だからこそ新卒も歳を重ねた中途採用も苦労します。
私は警察で高く評価していただきましたが、警察ほど公平に人を評価してくれる組織は珍しいと思いますよ。
学歴や年齢に関わらず実力がある人や実績を上げた人がしっかりと評価されます。
大丈夫ですよ。気にせず夢を追いかけて下さい。

匿名

回答ありがとうございます。一喜一憂する自分も悪いですが、元警察官の方に言われるからこそ落ち込んでしまいました。
そんな回答をしてくれるTwitter上の元警察官さん達は皆さん早期退職されているんですけどね。
次回の動画に載せさせていただきます。
きっとTwitter上では質問箱という皆さんがみれる機能が全体発信されているので、私と同じように心をえぐられる思いをした人もいると思います。

このようなやりとりでした。これを読んで僕はやるせない気持ちになりました。自分が警察官志望者を励ます意味で立ち上げた『元警察官』というジャンルが次は警察官志望者を傷つけている結果になっているのです。

【関連記事】警察官を目指しているけれど自信がない方へ

高年齢中途採用に対する現役警察官の考え方

そこで現役警察官のYさんに相談したところ、このようなご回答をいただきました。

Yさん

その方にお伝えください。

私の同期は、私も含め高年齢中途採用でした。しかし、10年経った今も、誰もやめることなく、続けています。
同期とたまに会うと『この点がうちらが誇れる点だよね』と話題になります。

私が考える高年齢で警察官になるメリットは、

1 落ち着いてみられる
年季があるということ、社会人経験があるということ、苦労した経験があるということ。これはプラスです。

例えば、一般市民の方と接する際、新卒の方の中には、若さや警察社会しか知らない常識のなさなどから、失礼な口調を使われ、相手を憤慨させる場合があります。しかし高年齢中途採用者は相手の目線に立って会話ができる方が多く、一般市民の方からも一目置かれることが多いです。

2  給与面
社会人経験があると加算されます。これは大きいです。

3 希望の係に早く行きやすい
もちろん個々の努力による面もありますが、そういう傾向があるように感じます。こんなこというと新卒の方に怒られるかもしれませんが、高年齢中途採用組はそれなりに経験をつんでいる分、上司からも信頼される感があるように思えます(大人として扱われる)

もちろん、警察社会は先に入った人が上です。私も30歳手前で警察官になりましたが、実際19歳の先輩がいました。当然先輩として接しなければなりません。年下だからと偉そうな態度をとるなど、許されません。

でも、前向きに明るく頑張っていれば、年齢に関係なく評価されます。実際私の同期は、最短で昇任試験に合格したり、希望の係に行っている人が多いです。

気になさらず、警察社会に、いらしてください。

警察官なるのに年齢など関係ない

現役警察官の方にアドバイスいただき、僕まで安心しました。どこの自治体に行っても年齢や学歴関係なく努力した警察官は評価されているのです。実際に年齢制限ギリギリで合格して現場で活躍する同期も大勢見てきました。

最近は質問箱というものがあるのですね。簡単に疑問が解決しそうで便利ですがヤフー知恵袋のように簡単に夢を摘まれる恐れがあるので動揺しやすい方は注意が必要かもしれません。

この記事を書いたことで一部の若い元警察官からは批判されると思いますが、自分が立ち上げた『元警察官』というジャンルで結果的に警察官志望者を傷つける原因になったことに大きな責任を感じているからこそ、これからも本当の世界を伝えていこうと思います。

手柄を挙げて目立とうとする若手警察官に交番で何度も説教したことがあるのですが、この記事を書きながら当時を懐かしく思い出しました。

警察を辞めても人には思いやりのある気持ちで接したいですね。

続けて【警察官採用試験の年齢制限と対策方法を解説(一覧表あり)】の記事へ

この記事にはコメント欄を設置していないのでご質問や感想がございましたら→こちらの記事へコメント下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。