僕が警察官採用試験の合格者数を自慢しない理由

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。僕が警察官採用試験対策の講座を始めてからまもなく3年が経過します。

最近よく『桜井さんは講座から合格者を多く輩出しているのになぜ発表しないんですか?その方が受講生も集まりやすいですよ」とアドバイスをいただきます。そこで今回は改めて僕が合格者の数を発表することを止めた理由について説明します。

警察官採用試験の合格者数について

まず僕が講座を開いた3年前は元警察官で試験対策してYouTube配信する人がいなかったこと、そして僕の講座も開講したばかりで受講生も少なかったため合格者が出れば数字を全て公開していました。

この数字公表は最初とても好評で、「勇気づけられました!」と色々な方から励ましの言葉をもらえました。

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そしてこの合格者を公開する方法は1年もすれば止めなければ受験生を傷つけるだろうなと当時から予想しており、ある日を境に数を発表することを止めました。

その理由は2つあります。

①講座受講生が増えたため、合格者の数だけを報告していると不合格になった人が置き去りになった気持ちになり結果的にモチベーションが下がってしまう。

②元警察官が押し寄せて数字発表を集客(?)につなげる手口が横行すると予想された。

 

まず①については僕が公務員浪人当時も予備校で合格者の数字だけを見せられて悲しい気持ちになっていたこともあり、受講生が増えたら数字発表は控えるべきだなと思っていました。

実際に受講生を持てば分かるのですが、不合格者がいるのに合格者の数だけを発表して喜ぶような非情な真似はできないのです。

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そして②はこれから増えるのではないかと危惧しています。例えば『私の講座から警視庁に100人合格させました!超余裕ですww』みたいな配信者がいれば、それを見た警察官志望者は嘘の数字でも『そんなに簡単な試験に落ちたのは私がおかしいのかな?』と傷つく人もいるでしょう。

更にその集客方法が横行し始めれば予備校と同様に『うちは10名合格!』『じゃあうちは15名合格!!』というエビデンスのない数字合戦が繰り広げられるのは目に見えており、受験生の気持ちを理解しない配信者同士のアピール大会になることが非常に恐ろしかったのです。

数字の公表が受験生を勇気づけるのか、集客アピールだけになっているのか、この違いは大きいのですがYouTubeやブログを始めた当初はどうしても目立ちたいので他人に気遣いする余裕はほとんどないでしょう。

 

僕のYouTubeチャンネルも15,000人以上の方に登録していただき、ある程度は認知度も出てきたので逆に言えば『桜井の真似をして元警察官が添削しますと言えば簡単に人気になれるんじゃないか』と考えてYouTubeを始める若い元警察官の方も今後出てくるはずです。

そしていつかは僕の懸念しているように『〇〇県警に〇人合格させました!』という終わりのない数字合戦になるのだろうと予想しています。

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もし警察に興味がない人がそんな動画を見れば『やっぱり警察はこんな簡単な試験なのか』と警察に対する誤った評価を植え付けてしまうでしょうし、ひいてはそれが受験生を傷つける結果になってしまいます。

そうじゃないんです。

警察官採用試験って簡単で楽で誰でも受かるような試験じゃないんです。

自分の人生をかけて挑戦する価値がある試験だからこそ、僕は3年間も公務員浪人生活に耐えられたのです。

 

警察官になりたくて、それでもなかなか試験に合格できず悩んでいる方も多いでしょう。その方に伝えたいのは合格できない自分だけが落ちこぼれじゃないということです。

僕は3年も公務員浪人しましたが、転職するときにはアラフォーでもGAFAからオファーをもらえました。不器用でも正しい努力を続ければ世界的な企業からも認めてもらえるのです。

 

まだまだ警察官という職業に偏見は強いです。

だからこそ、僕は今後も動画やブログを通じて警察の魅力・やりがいなどを配信し続けていきます。

続けて【警察官に向いていないタイプ・警察官になれない人とは?】の記事へ

18 件のコメント

  • 警察官面接を受けるのですが、模擬面接って必要だと思いますか?
    といいますのも、自分で自分を理解しきっていないと中途半端になり、アドバイスも理解できずいいなりになりそうだからです。
    ぶっつけ本番も怖い気もしますが。。。

  • こんにちは。
    いつも拝見させて頂いております。
    私は今回、警察官採用試験を受験し一次試験を突破しました。2次試験を受験する前に、高校の成績を送付しなくてはいけないのですが、その成績は最終合格を決める際に作用されるものなのでしょうか。
    また、面接試験が合格への大きな鍵となる警察官採用試験において、たとえ面接試験の評価が良くても、高校の成績が良くなくては最終合格は厳しいでしょうか。(成績→並より下 遅刻欠席→多い)
    回答よろしくお願いします。

    • 判断するのは採用側なので、どのように判断するのかは採用者以外の誰にも分かりません。
      それでも見られるのは今の自分なので、だからこそ面接が最重要視されるわけです。
      過去を悔やむのではなく、採用側から是非採用したいと思われる人材としてアピールして下さい。

  • こんばんは早速質問なのですが、私は今まで成美堂出版から出している2014年度集中レッスン警察官3類B試験問題集をずっと使って勉強していましたが、一次試験に受からないことが続いてしまっています。ですので、新しい問題集に買い替えた方がいいのでしょうか?

    • 今の問題集が完璧に解けるようになって、それでも試験に受からないならばテキストを変えて苦手分野を確認するのは良いと思います。

  • いつもブログ拝見させてもらってます。
    今回、警視庁三類試験を受験したのですが、不合格でした。浪人していて、教養27、漢字8割、作文は1000字オーバー書きました。やっぱり適正が向いてなかったのでしょうか?
    半年間浪人してきてこの日のために毎日毎日勉強してきたのに半年間何をしてきたんだろうと情けなくなります、次回1月に向けてまたもう一度努力しますが、また落ちてしまいなかなか結果があらわれずしんどいときもあります、そんなときどのようにしてモチベーション保ってましたか?? 3年間浪人するのはほんとにすごいなと思います、桜井さんを見習って私も絶対夢を叶えたいなと思います。

    • モチベーションの高め方と維持の方法はブログやユーチューブでも詳しく語っているのでご覧下さい。
      試験に落ちると自分を責めたくなりますが、試験との相性や得手不得手もあるので、決して後ろ向きにならず克己心を養うための勉強だと思って前向きにチャレンジして下さい。
      応援しています。

      • お忙しい中、返信してくださりありがとうございます。
        浪人して合格した方のブログを読みました。
        私もまた一から頑張ろうと励みになり、次こそ一次で合格し面接まで進めるように努力します。

  • はじめまして、現在奈良県警を受験中の者です。
    私の地元は大阪なのですが、面接の際になぜ奈良なのか、と聞かれた時に「一番の目標は警察官になる事なので、大阪以外でもその気持ちは変わりません」と回答するのはまずいでしょうか?

    • 質問に対する回答になっていないので、なぜ奈良県警なのかという答えは用意しておいた方が良いと思います。

  • 入退室について質問です。
    基本的にお辞儀は、男性は手を体の側面、女性は前という形になると思います。
    しかし、警察官の方が設立された会社で面接練習をした際、手を側面にあててお辞儀をすると良いと教わりました。私は女性なのですが、、、警察面接はお辞儀の際女性も手は側面に添えるのでしょうか?

    • それは警察礼式なので、民間の方が受験する場合にそこまで気を遣う必要はないと思います。
      ただ警察官になればその礼法は必須です。

      • ありがとうございます。
        あえて警察礼式でやると減点になりますか?
        女性なので、手を前に添えたほうがいいか迷ってます。

        • その程度で減点にはなりませんよ。
          それよりも、恐らく貴方は自分に全く自信がなく、常に悩みを抱えては人に相談することを繰り返しているのだとお察しします。そういった部分を克服しなければ成長はありません。
          入室よりも入室したあとのことを考えて対策してみて下さい。自信のない人はすぐに分かるので相談ジプシーになることなく、自分の中で答えを見つける練習を始めて下さい。

  • 桜井様、初めまして。面接カードの健康状態の欄の内容についてお聞きしたいです。
    過去に大怪我をし、日常生活や業務に一切支障がありませが片足に後遺症等級がついています。通院も終了し、完治しているので良好と記入する予定ですが、念のために具体的な症状も記載した方が良いのでしょうか?

    また、桜井様が現職だった際に、受験前に後遺症があっても警察官に就職できた方はいらっしゃったのでしょうか?

    • 採用の可否については採用側が判断するのでここでは言及は控えます。
      私の周りにも爆弾を抱えながら勤務する人はいましたが、傍から見ていて訓練時などではとても苦労されていたので
      警察官として定年まで勤務可能なのかという別の視点で考えてみることをお勧めします。

  • 桜井様、お忙しい中お返事ありがとうございます。
    現実的な部分のお話が聞けて、大変参考になりました。
    面接には予定通り挑戦するつもりですが、今一度考え方の幅を広げてみようと思います。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。