警察学校のいじめやパワハラについて

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

最終試験の発表もほぼ終わって最近は警察学校の入校待ちの方から

「学校は訓練厳しいですか?」

「教官のパワハラやイジメは本当にあるんですか?」

「警察学校の闇をぶっちゃけてください」

とメールをいただきます。

警察学校に入校前は不安

警察学校に入校前の不安になる気持ち、本当によく分かります。

僕も警察官採用試験に受かったあと、「〇月〇日に警察学校に集合してください」と書かれた採用通知をもらいましたが喜びのあとの不安の波はとてつもなく大きかったです。

 

夢を叶えたあとに訪れる現実は受け入れるのに時間がかかるんです。

あと1週間で警察官、そう思ったら喜びよりも不安と心配の方が大きく「できれば入校をあと少しだけ待って欲しい」という情けない気持ちになったのを覚えています。

人間関係や訓練が不安

家族も含めて周りは祝福ムードなんですが、こちらは厳しいと言われる警察学校に入校するんです。

浮かれるのは最初だけで警察学校の人間関係や訓練を想像すると不安だけしかありませんでした。

当時はインターネットもあまり発達しておらず、警察学校がどのようなところかほとんど知りませんでしたから。

 

今はネットで検索すると「警察学校はパワハラとモラハラが横行している」とか「警察学校の闇」とか、「警察官をクビになった話」というブログが話題になったこともあり、ネガティブなイメージが先行しているので僕が入校した当時よりも不安は大きいと思います。

 

なので今回は警察学校について少しぶっちゃけた話をします。

警察学校にいじめや教官のパワハラは本当にあるのか?

まず警察学校はいじめや教官のパワハラが横行して人権もないと書いている人は高校や大学を出て新卒としてすぐ警察官になった人がほとんどだと思います。

つまり社会経験がないので警察学校がなぜ厳しいのか本質が分からないのです。

 

学生時代は厳しいことを言われたことがない人がほとんどなので、社会人になり上司や先輩からキツイことを言われるとパワハラと感じることもあるでしょう。

厳しい理由と現実

警察学校はもちろん厳しいです。でもそれには深い理由があります。

警察官は仕事で出会う相手にキツイことを言われるのも日常茶飯事です。

 

警察官になるまで目を合わせず避けていた人種と対峙することになるのです。

腕に刺青の入ったヤクザに怒鳴られても立ち向かう、それが仕事になります。

それを思うとなぜ警察学校でわざと厳しくしているのか分かりますよね?

集団生活が苦手だと苦労する

あと手段生活が苦手でコミュニケーションをとるのが苦手な人も苦労します。

僕は3年も公務員浪人していきなり警察官になったので、最初は同期や教官と接するのに苦労しました。

 

自分の場合はすぐに打ち解けることができましたが、同期と溝が出来て浮いてしまい辞めてしまった人もいます。

 

イジメが横行しているわけではありませんが、警察学校は集団生活なのでこれまでの人間性が浮き彫りになるのです。

リーダーシップがないのに目立とうとしてリーダー面してみたり、優位性を保つために妙な自己主張して空回りする人は必ずいます。

そういう人は警察学校だけでなくどこに行っても良く思われないのは当然のことで集団の中でなぜか悪い意味で目立つ人は言動に注意する必要があります。

警察とブラック企業の違い

僕はブラック企業から転職して警察官になってますが、前職ではもっと露骨な社員研修を受けました。

社員研修って要は洗脳ですから、朝から晩まで会社の理論と戦略を叩き込むんです。

 

幹部社員が絶対的な存在で若手社員は言われるがままの奴隷のような関係性を作り上げるのが本当に上手く、特に世間を知らない若者だと陶酔してしまうんです。

【警察はいわゆるブラック企業なのか?】の記事はこちら

高卒でも大卒でも新卒は染まりやすい

そして僕もこのブラック企業で勤めるうちに段々と口調が変わり、大学時代の友人と久々に会ったときには「なんか話し方が変わったよな。前ってそんなにキツイ言い方だったかな?」と言われたこともあります。

 

学歴関係なく新卒は染まりやすいんです。

そして僕は警察学校に入校したときは既に前職で社会経験を積んだ後だったので仕組みも分かっていました。

なぜわざと厳しくしているのかを。

厳しい訓練中も冷静に見ることができた

なので僕は訓練中も「へぇー。警察はこういう感じで研修するのか」と違う視点で見ていました。

訓練・指導してくる教官や上級生からキツイことを言われても「厳しいこと言うけど怒る演技してるな」とすぐ見抜けました。

ブラック企業のキツさと警察のキツさって全然違うんです。

 

ブラック企業は使い捨ての駒を量産するだけですから愛情なんて微塵もありませんでした。

だから大量退職・大量採用します。

 

研修を受けても「これはおかしいぞ」と悟る人はどんどん辞めていきます。

中途採用でブラック企業に入社したほとんどの人が1週間以内に辞めるのは研修システムの異常性と未来性のなさに気付くからです。

中途採用者が警察を辞めない理由

警察は逆です。

新卒は警察学校で辞めても中途採用の人はほとんど辞めません。

 

僕の周りでも新卒の同期は青い顔をしていましたが、某大型ドラッグストアから転職してきた同期は「いやー。ここは前職の店より数百倍マシだわ。客が永遠に並ぶあのレジ地獄を思い出すだけで鳥肌がでるよ」と話していました。

 

中途採用者はみんな分かっているんです。

厳しさの本質を。

入校のシゴキよりキツイ経験

ちなみに僕は警察学校に入る前、入校待ちの間に某大手企業でアルバイトしていました。

これは月に23万円以上稼げる肉体労働系の短期アルバイトなんですが、ここのアルバイトの方が浴びせられる罵声は酷かったです。

 

社員から常にメガホンで耳元で怒鳴られる環境なので、仕事が終わると耳の奥に怒鳴り声の幻聴が残っていました。

警察学校の訓練と単純比較すると、正直この短期バイトの方が肉体的にも精神的にもキツかったです。

 

感電して右腕から全身に強い電気が通り抜けたことが何回もありますし、足がガクガクになるので帰宅したらいつも足裏に湿布を貼っていました。

この短期バイトで僕は2ヵ月の間に総額50万円近くを稼げましたが、お金では得られない経験をできたことが財産でした。

教官は先生ではない

あと警察学校の教官はみんなもちろん警察官です。

最初、教官は学校の先生なのかと思っていましたが交番にいるお巡りさんと同じ、ごく普通の警察官でした。

(教官のことを先生と呼ぶ学生も必ずいます)

 

そして僕は警察学校を卒業して現場で働くうちに後輩や先輩、上司が異動して警察学校の教官になるのを見ます。

時には教官が現場で上司になることもあります。

それを見て「警察学校の教官って本当のお巡りさんだったのか」と実感したんです。

 

実際に僕の先輩が刑事課から警察学校の教官に異動が決まり、栄転祝いでお酒を飲んだ時に先輩から「どんなキャラで行けばいいんだろ?とりあえず無言を貫けば怖く見えるかな?」と相談されたときに自分が入校したときがフラッシュバックしました。

怖そうに見えた教官もこうやって悩んでたのかって。

ある程度の過酷さが必要な理由

逆に言うと僕も警察学校の教官になっていた可能性もあります。

じゃあもし僕が教官をしていたらどうなっていたか?

絶対に厳しくしていたと思います。

関連記事【警察学校の訓練は厳しい?教官は怖い?】

 

僕はいつも警察学校は楽しかったと言っていますが楽だったとは説明していません。

学生が卒業した時に警察学校が誇りになる環境作りは絶対に必要なんです。

高校や大学とは違う

世間ではFラン大学と揶揄して呼ばれる学校がありますが、それは誰でも入れて卒業も簡単、入学金と授業料さえ払えば大卒という身分が手に入るから非難されるわけです。

 

その逆に警察学校はFラン化してはいけないんです。

入学できて卒業できた喜びと誇りを感じられる場所であるべきなんです。

警察学校をクビになる?

そしてこれは前にも説明したのですが警察学校をクビになることはまずないです。

日本で公務員を解雇することはとてつもなく難しいのです。

ただ訓練についていけないからクビになることはありませんが、同期についていけないと足手まといに感じて苦しいのは間違いありません。

公務員だから採用試験を受験した人にはキツイ理由

警察学校は警察官になりたい人にとって本当に楽しい場所です。

逆に公務員だからという理由で警察官採用試験を受験した人にはかなりキツイと思います。

警察学校で一番キツイのは厳しい訓練に耐える必要性が分からず、とりあえず入校した人です。

 

警察学校は試用期間なので給料も安く(手取り15万円程度)でプライベートも制限されますから、警察に興味がない人には相当苦しい環境です。

実際に辞めていく人も見ました。

 

僕が入校して1週間もしたころ、同期が泣きながら「もう耐えられない」と訴えるのを必死になだめたことを今でも覚えています。

 

結局その同期は警察学校に入校して1カ月以内で退職してしまったのですが、僕は彼が「親が喜んでくれるから警察官になったけど精神的にもうヤバイ」とつぶやいたのが忘れられません。

警察に興味なくても親が喜ぶから警察官になる人もいるのかと少し衝撃でした。

離職率と退職理由を検討すると

警察学校の離職率や退職理由を検索するとネットでは衝撃的な記事が多いです。

その内容だけを見ると「こんな過酷な環境で耐えられるかな?」と不安になる人も多いでしょう。

だから僕が入校する頃にインターネットが普及していなくて良かったと思います。

パワハラを検証する

ここで警察学校のパワハラについて言及した有名な記事を検証したいと思います。

まずはこの記事をご覧ください。

筆者は昨年秋、この警察学校でパワハラに遭ったと訴える人物を取材した。

被害を訴えるのは、兵庫県在住のA氏(男性、20代半ば)。中学生の頃から警察官になるのが夢だったA氏は大学卒業後、兵庫県警の採用試験に合格。2013年4月から警察学校での生活をスタートさせた。

生徒は約400人。10クラスに分かれ、A氏はB教官(男性、推定40代)が担当するC学級に配属された。だが、入校2日目、異変が起きた。

 

この日、C学級の生徒は学校の正面通りに整列させられ、B教官は点呼を取った。この時、B教官はA氏に対して突如「お前は24歳なんやから、まだ若い。わかっているな」と、退職を促してきたのだ。A氏以外にも4人ほど同様に退職を促された生徒がいたという。

当時、A氏は毎日、「日誌」をつけていた。これは警察学校の課題の一つで、教官がそれに対して赤ペンでコメントを書き込むことになっている。入校2日目の4月2日の日誌にA氏は、「気合を入れていきたい。必ず卒業します」と書いたところ、B教官は「そのわりには、まったく危機感がない」と記載し、それ以降、執拗な退職強要が続いた。

 

A氏は体調を崩し、4月5日の日誌には、「今日は健康状態が悪く、体がすごくしんどかった」、6日には「最近、ほとんど睡眠が取れていなかったので、頭がボーッとしてしまったり、集中力が切れそうになってしまったりしました(略)私にはチャンスは残されてない」、7日には「これまで睡眠時間がほとんど取れず疲れがたまっている」と正直に吐露している。B教官は「泣き言が多い。これが人に見せる文か?」と切り捨てる返事を書いた。

(中略)

暴力も振るわれた。

E指導員という、A氏より年下の半年早く警察学校に入っている高卒の人物がいる。

各クラスに、約半年早く入校した高卒の生徒が「指導員」と称して配置され、大卒の半年後輩をしごくシステムになっていた。

 

そのE指導員は、朝食時にいきなりA氏の喉元をつかんで壁に押しつけたり、泥酔して部屋に入ってきて、いきなり平手打ちをしたりしたという。

こうして8月に入る頃には、C学級では5人が辞め、他のクラスもそれぞれ5~10人くらい辞めていったが、A氏は辞めずに残った。

すると、8月6日、A氏は免職を言い渡された。

 

その後、A氏は免職取り消しと700万円の損害賠償を求め、兵庫県を相手取って提訴し、現在、係争中である。警察側は、A氏の言い分を否定しているが、日誌という動かぬ証拠が実情を物語っている。なお、A氏は身長180cm近くあり、空手経験者でもある。

そこでA氏への取材後、筆者はA氏が入校した13年度の、全国の警察学校の状況を調べた。すると、兵庫県警では入学者490人のうち、123人も辞めていた。退職率は実に25.1%で全国ワースト1位だった。

 

兵庫県警の退職者の内訳を見ると、自己都合退職が122人で1人が免職。同年、全国の入校者は総勢1万1079人で、このうち1271人が退職。退職理由は自己都合退職が1267人、2人死亡、懲戒免職1人、免職は1人だけだった。

要するに、A氏は唯一、退職強要の嵐の中で最後まで自分から辞めなかったのである。A氏は、「今でも警察学校で受けた仕打ちの夢を見る」と語っていたが、並大抵の人なら、何年も再起不能になっていたであろう。それほどA氏は強い精神力を持っている。そういう人間を辞めさせる警察学校の罪は重い。

 

なお、全国の各警察学校の退職率を比較した結果、最も低かったのは、大分で1.1%。次いで宮崎2.2%、富山2.4%、皇宮2.6%、山梨2.9%、新潟3.1%、沖縄3.2%、山口3.4%、愛媛3.9%、島根4.4%、群馬5.0%、山形5.0%。

退職率の低い上記12校のうち、過去5年間にわたって5%以下を堅持しているのは、山形(09年以降、順に0.0、4.3、4.1、1.0、5.0)のみだった。山形の警察学校は、「ホワイト警察学校」と認定してもよさそうである。

 

5%を超えているのは、岩手5.8、岐阜6.1、北海道6.2、京都6.9、青森7.2、和歌山7.2、佐賀7.3、長崎7.7、徳島7.7、警視庁8.1、宮城8.1、奈良8.8、愛知8.9、香川9.0、静岡9.0、福島9.5、茨城9.8、秋田9.9、岡山10.3、長野10.4、高知10.6、熊本10.8、福岡10.9、広島12.0、滋賀12.5、三重12.7、栃木12.8、福井12.9、鳥取14.3、千葉14.4、埼玉17.1、大阪18.6、石川18.7、鹿児島19.1、神奈川19.2、兵庫25.1%だった。

8.9%の愛知は、過去5年分で見ると09年が22.3%、12年が23.0%でワースト1位、10年は19.2でワースト2位という全国屈指の劣悪校だった過去がある。今後も、この数字が低下していくことを期待する。

 

岡山は5年連続10%超で、10年は20.2%で全国ワースト1位、11年は18.0%でワースト2位の座にあった。高知は12年に29.3%という極めて高い数字で全国ワースト1位であった。

埼玉は5年連続15%超えで、12年は20.0%の大台に乗った。神奈川は10年以降4年連続15%超えで、12年は22.0%と全国ワースト3位。
兵庫は、10年(11.4%)を除く4年間が軒並み15%超えで、11年も21.4%でワースト1位。12年も20.1%と大台で、まさに「ブラック中のブラック」と呼ぶにふさわしい数字を叩き出している。

出典:Business Journal 『恐怖の警察学校、執拗な暴力&退職強要の実態発覚!4分の1が退職、ついに訴訟へ』

 

強制的に辞めさせられるのは本当か?

まずこの記事を読むと教官にいきなり辞めさせられる印象がありますよね?

これはどうなのかというと事実です。

辞めさせられるというよりも辞めるように促されるといった方が正解かもしれません。

 

上でも書きましたが警察学校は義務教育の学校ではなく警察官を育てる学校ですので適性がない人は退職するように促されます。

夢を抱いて採用試験を突破してやっと警察官になったのに向いていないと退職を強要される。

これは一見すると冷淡に見えますが、市民目線で考えるとおかしいことではないと思います。

適正が必要な理由

これまでの人生で考えると、部活でもバイトでもその役目に向いていない人は必ずいるんです。

飲食業が向いていないけど事務作業は向いている人もいるように、警察官が向いていない人だって当然います。

 

警察官採用試験で面接だけでなく実際に入校させて振り落としていく形式が理想なのでしょうが、採用コスト等を考えると不可能です。

だから警察学校は訓練と適性を見極める場所の両方を兼ねているのです。

 

警察官に向いていない人でも続けていればいつか花開くだろうから辞めさせるのは酷くないか?

それは自分が被疑者・被害者になったことがないから言えるのです。

 

はっきり言いますが教官に退職強要される人は何かしら警察官として不適な部分があるのは間違いないです。

警察学校当時を振り返ってもそれは確信をもって言えます。

被害者になったことを想像してみる

警察官に向いていない人が現場に配属されたらどうなるのか。

自分が被害者になって通報した時を想像したら恐ろしくないですか?

 

そしてこの記事で『退職強要の嵐の中、辞めなかったのはA氏1人だけだった。その凄まじい精神力を持ったA氏を辞めさせた罪は重い』と書いていますが、これは大きな嘘で退職するようかなりきつく言われた人も辞めずに警察官として活躍しています。

 

辞めるのと辞めさせられるのは大きな違いで、ほとんどの人は精神的に耐えられず辞めてしまうんですが退職強要にも屈せず無事に卒業した同期も実際にいました。

 

更に言うと僕はこのブログを通じて現役警察官の方や元警察官の方とも交流があり色々な情報を聞くことができました。

中でも興味深いお話しをご紹介します。

元警察官Cさん

警察学校について色々な噂がありますが、私が在校中も教官に狙われた同期が1人いました。

毎日教官室に呼ばれて辞めるように言われ、総代(※注釈 総代とは学級委員長のようなクラスのリーダー)からもイジメられて見ている方がきつかったです。

ただその同期は非常におとなしく孤独を好み、言われたことも理解できずミスを連発するので周りは迷惑していたのも本音です。

 

でもその同期は辞めることなく卒業し警察署に配属されました。

やはり署でも意味不明なことを繰り返し、署で使う自分のバイクが壊れたら人のバイクの部品を勝手に外して付けるなどして要注意人物としてマークされていたようです。

 

そして私の警察官人生で究極の問題児を見た話をします。

警察学校から新人が配属されるとき、桜井さんなら分かると思いますが卒配の新人の噂は全て回ってきます。

あるとき教官がどうしても辞めさせられなかった新人が来ると聞き、不謹慎かもしれませんがワクワクして待っていました。

 

そしていよいよその新人に会ったのですが、意外なことに普通の好青年だったのです。

挨拶もするし謙虚で腰も低いし、教官も好き嫌いがあるのかなと思ったほどです。

 

ただ日が経つごとに態度は変化し、挨拶もしなくなって言うことを聞かなくなり、注意しても上の空でした。

私はその新人の直属の上司ではなかったのでこうして気楽に言えるのですが、同じ交番の人はかなり苦労していました。

 

ここで事件が起こります。

新人にはバイクで事故を起こさないように指導するのですが、その問題児は指導中もろくに話も聞かず結果的に自損事故を起こしました。

ご存知のように警察官が勤務中に事故を起こすと大変なのです。

その後も色々と問題を起こしましたが、私が警察官を辞めたあともその新人は未だに地域課に残っています。

 

変な話ですが、警察学校の教官もその問題児を辞めさせるために努力したそうです。

柔道で少し厳しくしごいてやろうと教官が寝技をかけるとその新人は教官の金的を握りつぶそうとしたそうですが、振り返るとその話も納得でした。

 

こういった協調性がなく、何をするのか分からない警察官は通報があっても1人で現場に出せません。

常に上司か先輩が帯同することになります。

今は警察官の数も足りないのに事案は増える一方なので現場力がどんどん下がります。

 

交番には割当人数が決まっているので、どんな問題児が配属されても頭数として計算されます。

仕事を教えても覚えようとせず、常にスマホをいじって電話もとらない。

若い警察官とつるんでコミュニケーションをとろうとしない。

仮眠時間は一番先に寝て一番最後に起きてくる。

 

こんな新人がいるのも現実です。

他にも警察学校を辞めるように追い込まれたとある学生は退職前に公安関係の教科書を全て書き写して辞めたと聞きました

極左勢力だったのかと周りも噂していたようです。

 

警察学校で辞めさせるのが正しいのか間違っているのかを問うより、警察官を目指す人に「本当に警察の仕事がしたいのか?」と問いかけたく思いメールさせていただきました。

 

これを読むと少し印象が変わりませんか?

警察学校の教官に退職を促される人は嫌がらせで言われているのではなく、何らかの原因は必ずあります。

向き・不向きはどこでもあるんです。

そして警察官の適性がない人が現場に出ると自分だけでなく市民も危険にさらす可能性があるのです。

免職について

そして上の記事で『免職になったのはA氏ただ1人だった』と書いていますが、これをどう思いますか?

免職になるまでよく頑張ったなあと思いますか?

僕は異常事態だなと思います。

懲戒処分とは

公務員には懲戒処分と分限処分というものがあり、懲戒処分は公務員として不適正な行為(盗撮や万引きなど)をした場合に下される処分で免職、停職、減給、戒告の4つがあります。

警察学校で教官からパワハラを受けてクビ(免職)になる理由

そして次に分限処分といってこれは「公務員として適性がない場合に下される処分」で、降任(階級を下げる)・免職・休職・降給(給料を下げる)の4つがあります。

教官にパワハラを受けて退校する理由

この懲戒処分と分限処分には同じ免職がありますが、意味合いは全く違います。

懲戒処分は何らかの不正をした公務員に対して下される処分なのに対し、分限処分は適性がない公務員に下される処分なのです。

 

ではこの分限処分の免職ですが、他の自治体を見てみるとこんな記事が見つかりました。

大阪府警は25日、港署地域課の男性巡査長(38)について、勤務実績が悪く警察官に必要な適格性を欠いているとして、地方公務員法に基づき、民間企業の解雇に相当する分限免職処分とした。

府警警務課によると、巡査長は平成27年ごろから勤務中に服装の乱れが目立つようになり、交番勤務時の巡回連絡を「意味がない」などと言って拒否するなど、職務命令に従わない行動を繰り返すようになった。

人事評価は2年連続で最低ランクとなり、昨年12月には停職1カ月の懲戒処分を受けていた。

府警が統計を取り始めた昭和41年以降、分限免職とした例は22件あるが、いずれも病気や失踪が理由で、適格性を理由とした分限免職は初めて。

出典先:産経ニュース 『“不良”巡査長を分限免職 適格性理由では初めて 大阪府警 人事評価2年連続で最低』

大阪府警でも初の免職

警察官の数が西日本で最大の大阪府警でも免職は初だそうです。

それを考えると先ほどの記事の論点がズレていることに気付きませんか?

公務員を1人分限処分で免職にするにはこれほどまでに大変なことなのです。

 

記事に出ていたAさんにお会いしたことがなく、警察学校での素行も分からないため言及は控えます。

ただ警察学校は嫌がらせのように人を辞めさせる場所ではないというのが結論です。

でも適性がない人は退職を促されるのも紛れもない事実ですし、それにも屈せず続けている人がいるのも事実なのです。

警察学校の離職率って?

上の記事を書いた記者の方には警察学校の離職率を考えるよりも市民のことを考えているか問いたいです。

『ホワイト警察学校』って記事に書いていますが、被害者にはホワイトもブラックも関係ないんです。

民間と警察を同じにしてはいけないんです。

 

もちろん無闇な暴力やパワハラは許されません。

ただ警察学校の役割をはき違えて入校した人は辞めることになります。

なぜわざと厳しくするのか、それは嫌がらせではなく現場ではさらに厳しい現実から逃げられないからです。

 

僕は辞めていった同期を見て自信を持って言えます。

警察という仕事を理解していなかったんだと。

その逆に警察官になりたくて警察官採用試験を受験した人には本当に楽しい場所です。

 

警察に興味がなければ同期に仲間意識も持てず、訓練を受けても耐える意義が分からないので孤独になり辛いだけですが、警察が好きなら第二の青春が味わえます。

 

辞めさせられることに怯えるのではなく精一杯努力すればその姿勢は必ず評価される場所です。

これから入校される方はあまり不安になることなく、警察学校を楽しんできてください。

続けて【地域課の警察官になるには?仕事内容とやりがいについて】の記事へ

 

2 件のコメント

  • 桜井様にメールさせていただきましたが、無名でも返信はされますでしょうか?
    よろしくお願いいたします。

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    ・3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に採用、代表的な出世コースに乗る。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民の相談者が絶え間なく幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 現在は民間企業の人事部で採用担当として活躍中。 30代、既婚、大阪市居住。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。