【20代元警察官が激白】信じたら危ない!警察官採用試験のネットの嘘5選

ブログ「リクストリーム」の管理人(元警察官)の桜井です。

「運動音痴は受からない」「コネがないと不利」「警察学校はいじめだらけ」――。
警察官採用試験を目指す受験生なら、一度はネットで目にしたことがある“噂”かもしれません。

しかし今回、実際に警察学校へ入校し、その後に退職を経験した20代の元警察官・稲垣さん(男性)が語ってくれた話は、そうした情報とはまったく違いました。
「現場で感じたリアルは、ネットの話と真逆だった」と語る稲垣さん。

ネットの警察官の情報と現場は全然違う

この記事では、稲垣さんの実体験をもとに、ネット上で広まる警察官採用試験の“5つの嘘”を徹底検証します。
運動・学力・コネ・警察学校の環境など、受験生が不安になりやすいテーマを一つずつ紐解き、
「本当に警察官を目指す価値があるのか?」という問いに、経験者の目線から答えます。

【20代元警察官が激白】信じたら危ない!警察官採用試験のネットの嘘5選

デマ①「運動音痴は警察官採用試験に受からない」→ 運動音痴でも合格できる

ネット情報
警察官採用試験は、運動音痴では受からないから諦めろ。

稲垣さん:これはデマです。
警察官は、アスリートクラスの人材を求めている訳ではありませんので、試験要項に書いてある最低限の回数をクリアする・もしくは、特定の種目で規定数以上下回らない等、体力試験要項をよく読み、標準的な体力の持ち主であれば問題はありません。

 

私も学生時代、体育の成績は2・3でしたが、試験に合格できましたし、特にスポーツの功績等はありません。
所謂、運動音痴な私ですが、無事合格しました。それよりも、採用試験は最後の限界まで諦めない姿勢を見ていますし、警察学校に入校してからも努力し、諦めない姿を教官達は評価をしています。

デマ②「警察官はバカでもなれる」→ 実際は高学力・高意識の集団

ネット情報
警察官は馬鹿でもなれるから新卒で入るのは辞めておけ。
稲垣さん: これも間違っています。私の居た警察学校では、皆それぞれ、特に各出身高校の学年1位が集まっておりました。
私は大卒クラスでしたが、全員採用試験に一発合格で、なおかつ各スポーツで全国大会に出た同期も多かったのです。

かつての私も、警察官は余裕で受かったぜ!と思い上がっていましたが、そんな考えは、入校してすぐにへし折られました。
毎日自分の小ささに恥ずかしい思いをしました。

しかも、中には旧帝大(東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、北海道大学、東北大学、九州大学)を含む地方国立大学に加え、MARCH・関関同立もいたので、決して頭の悪い集団ではありません。
そして警察学校で辞めた私とて、元警察官を職務履歴書に記入すると採用担当者に驚かれる事が多かったのです。

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デマ③「警察学校はいじめやパワハラだらけ」→ 愛のある厳しさ

ネット情報
警察学校は、超体育会系であり、パワハラといじめが酷くてすぐ辞める。

A稲垣さん:今の私は、この投稿を否定します。たしかに、警察学校入校当初は、かなりの怒声を浴びせられましたし、嫌がらせも受けました。
怒声に関しては、警察学校卒業後に対峙する人間達を想像すれば自然と慣れていきますし、教官達も裏では結構愛があります。
私自身、半端なく怒鳴られてはいたものの、教官方には可愛がられていた上に、退職日には、私を一番怒鳴りつけていた教官から「なんで辞めるんだよ」とも言われました。
いじめについてですが、ほとんど無いと言っていいでしょう。

警察官採用試験のデマ

しかしながら、ストレス環境に置かれ、閉鎖空間でもあるのでどうしてもいじめが起こり得てしまう環境も否定できませんが、これは民間企業でも同じですし、そのような人は誰かに見られていたりするので、遅かれ早かれ、自分のした行為はバレてしまうものなのです。警察組織は体育会系で、私は卒業こそしていません。
しかし、振り返ってみても色々と楽しい思い出ができたので、あまり深く考え込まず、時には悩みを周りの同期や教官に相談して下さい。受験生のあなたは決して一人では無く、余計な不安を抱かず、警察学校に堂々と入校すれば良いのです。
クラスの合言葉は、「塀の中から交番は!」です。(笑)

デマ④「コネがないと合格できない」→ コネは一切不要

ネット情報
警察官採用試験は、身内に幹部級がいれば合格しやすい。

稲垣さん:これは、全く違います。そもそも、身内に警察官がいるのを報告するのは、警察学校に入校してからの話です。
たしかに、警察組織はうわさ話が広まるのが早く、同期の家族に幹部がいるらしい等は聞くことがありましたが、だからと言って、幹部級の職員がいる事が有利かと言えば、全くそのような事はありません。
私の友人にも身内に幹部がいましたが、その人は不採用となっています。

私自身もクラスの同期も身内に幹部がおりましたが、特にこれといって試験で有利になったことは無いですし、はたまた警察学校で特別扱いを受けることもありません。
したがって、自分の家は警察とは無縁だから、試験に合格できないかもと弱気になる必要は皆無ですので、まずはチャレンジをしてみて下さい。

デマ⑤「面接で情熱を伝えれば受かる」→ 情熱だけでは通らない

ネット情報
警察官採用試験は面接で情熱を伝えれば受かるので、その他の試験はノー勉でOK。

稲垣さん: こんな事はまずありえないと思います。
桜井先生の動画で幾度も言われている通り、面接は警察好きをアピールする場では無く、会話のキャッチボールができるか・面接官の言っている事が理解できているのか・集団生活における協調性の面が見られていると私は感じました。

その他教養・論文試験や、体力試験も事前の対策なしに突破できる程生易しいものでは無く、適性検査を只のカウンセリングとして回答した人は不合格になっていました。
警察は他の職とは違い、事前の健康診断や面接カードといった細部まで1つでも気を抜いたら、これまでの苦労が水の泡となるリスクが常につきまとう覚悟がいるので、合格した時は、長い戦いを終えたと感じると思います。私の同期もそう言っていました。

稲垣さんから受験生へのメッセージ

以上の事から、今回は元警察官がネットの誤情報を見てこれは明らかに違うだろうと思った内容を5選、選ばして頂きました。
私自身の就職活動を通して感じた事は、世間には思った以上に警察の内部情報が流れていないという事です。
警察の事を知らない受験生は、様々な不安を抱えている状況の中、ネットのいい加減な情報を目にしてしまえば、簡単に飲み込まれてしまいかねません。
元警察経験者とも書いてあれば尚更ですし、たった数ヶ月で退職した元警察官である私でもネットに投稿すれば、警察はブラックであると簡単に信じ込ませてしまうでしょう。

この度は、採用試験が近づくに連れて、警察を恨む人物の誤情報に受験生の方々が惑わされないように、微力ながら私の経験を書き記してみました。
身辺調査の件もそうですが、桜井先生の元に不安を抱えるメールが来た暁には、そういった方々の不安を消し、心に希望を授けて頂きたく願います。
私自身も大学生時代に桜井先生の動画をきっかけに警察の道に足を入れましたし、我々元警察経験者としてできる事は、組織に復讐する事ではなく、未来ある受験生に希望の道を開く手伝いをすることだと思います。

私自身、警察官には向いていなかったのかもしれません。
しかし、私が途中で挫折したからと言って、顔も名前も知らない受験生にとっては天職になるかもしれない。

私はまだ何も社会に貢献していないので、偉そうな事は何一つ言えません。

しかし、受験は自分でするものですから、匿名の元警察官の悪い情報の為に人生を左右される程バカバカしい事はないのです。
そんな投稿を見た受験生のあなたは、「警察の深い箇所を知らずに辞めたお前が言ってんじゃねーよ!」と心に思って下さい。

この記事を書いた私でも合格できたのだから、あなたにも絶対に上手くいく。

受験生のあなたは、きっと未来の警察官!

未来の受験生に――敬礼!!

まとめ(桜井)

稲垣さんの言葉には、短い経験の中にも“本物の現場の重み”がありました。
ネットの情報がどれほど便利になっても、人の体験から滲み出る真実だけはAIには作れません。

改めて、今回の記事で明らかになった「5つの誤情報と真実」をまとめます。

・運動音痴でも合格できる
→ 警察官はアスリートではなく「諦めない姿勢」を評価している。

・『警察官はバカでもなれる』は誤り
→ 実際は高学力・高意識の集団で、互いに刺激し合う環境。

・警察学校はいじめ・パワハラだらけは誇張
→ 厳しさは訓練の一環。裏では教官の温かさもあり、相談できる環境。

・コネがないと不利は完全なデマ
→ 家族構成は入校後に報告するだけ。採用に影響は一切なし。

・面接で情熱を語れば受かるは幻想
→ 面接は理解力と協調性を評価。教養・論文・体力・健診すべてが重要。

警察官採用試験は決して楽な道ではありません。
それでも、こうして本気で語ってくれる先輩がいるという事実が、これから挑戦するあなたの力になるはずです。

どうか、画面の向こうの不安に負けず、一歩を踏み出してください。
その先には、制服を着て胸を張る“あなた自身”の姿があります。

——リクストリーム管理人・桜井

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ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。