警察官の採用試験に学歴は必要なのか?

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管理人の元警察官・桜井陸です

受験者の方によく「警察官になるのに学歴は必要ですか」と聞かれます。

警察に学歴は関係ないとも言い切れないので説明していきます。

 

まず、警察官はキャリアとノンキャリアと別れています。

キャリアは警察庁などの官僚、ノンキャリアは警察署で働く制服を着た警察官や刑事です

ここではノンキャリアについてお話ししますね。

採用試験に学歴は関係ない

まず、警察官採用試験を受ける上で高学歴は全く必要ありません。

どんな学校でも受験要件をクリアしていれば合格できます。

「Fランの大学ですが試験に不利ですか?」と聞かれますが不利も有利もなくみんな平等というのが答えです。

 

文系や理系も関係ありません。

犯人を捕まえて正確な書類を書くのに適した出身はないのです。

大卒・高卒に出世は関係ない

国立大や有名私立大を出ている大卒の人が高卒の人よりも昇進が早いのかというと全く関係ありません。

高卒の人でも30代で警部はゴロゴロいますし、国立大を出ていても40代、50代で巡査はいます。

警察組織は学歴よりも内部評価と試験の点数という平等な組織です。

 

最初に書いたように学歴は関係ないと言い切れないと書いた理由は、僕が見た中でも国立大出身の人でとんでもなく仕事ができる人を見たことがあるからです。

今までに京都大学、神戸大学卒業者の方と仕事をしたことがあるのですが、みんなとてつもなく仕事ができました。

記憶力がいいのは当たり前で把握力がとても良かったです。

 

「この仕事ならこれが余分でこれを重要視すれば課の実績は上がる」と判断する力が尋常ではなく、実際にその通りにすると警察に新しい風が吹くかのごとく仕事がはかどりました。

斬新な考え方ができるので旧体制の警察が変わる瞬間というのは見ていて気持ち良かったです。

有名国立大出身者はすごかった

そして京大や神大の人は見ていると誰よりも努力していました。

遅くまで職場に残って書類を見て覚えて、次には覚えたものを完璧にアウトプットします。

アピールするために残業したりするのではなく、あくまでも仕事を早く覚えるためと割り切っていました。

 

大量の書類が綴じられたファイルを何冊も読み、ロッカーに戻すとどの書類がどこにあったのかを全て記憶している人もいました。

どうやって記憶するのか聞くと「頭の中に引き出しがあって、その引き出しにしまえば必要な時に取り出せるんです」と答えていました。

僕からすると意味不明ですが、頭の良い人はそういうことが出来るんですね。

 

有名国立大に入る人は頭が良い(記憶力が良い、要領が良い)という部分だけでなくて常人より平気で何倍も努力できる能力があることも分かりました。

偏差値とは要領よく努力できる能力を数値化したものなんだなと彼らを見てつくづく思ったことがあります。

 

そしてそういう人はどんどん昇任します。

仕事ができるし努力もするから当たり前ですよね。

頭が良い人に昇任試験の勉強方法を聞いたらとても分かりやすい資料を自分で作っていてしかも全て記憶していたので、こういう人が警察を背負っていくんだろうなと思い知らされました。

東京大学は別次元だった

それと将来キャリアになる人で東大出身の人が研修で警察署に来るのですが、彼らはすごかったです。

別次元の頭脳を持っています。

僕は当直の暇な時間に「ゼノンのパラドックス」という哲学について聞いてみたことがあります。

これは当たらない弓矢という話で、僕が中学生の頃から疑問に思っていた話なのですがキャリアの人は掛け算の九九を解くように分かりやすく解説してくれました。

こういう人が日本の警察を動かすのかと深夜2時ころに深く納得したのは良い思い出です。

高卒でも出世する人は早い

ただ、高卒の人でも出世が早い人は昇進試験も一発で受かるので実際の出世スピードは大卒とそこまで差がありません。

大卒だからといってみんながすぐ試験に受かるわけではないんです。

高卒というのは大学の試験を受けなかったというだけですから大卒に較べて能力が劣るわけでは当然ありません。

警察官に学歴は関係ない

国立大出身の人は何人もいましたが全員仕事ができるわけでなく、むしろ仕事を全く覚えることが出来ない人もいますし昇進試験を何年も合格できない人がいます。

良い大学を出れば警察に入ってもどんどん偉くなるというのは間違いです。

 

仕事ができる人は高卒でも大卒でも関係なくできます。

警察の仕事に学歴が関係する余地は全くないのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。