ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。受験生の方からよくいただくご質問に
①警察官になるのに有利な大学や学部はどこですか?
②併願したら不利になりますか?
③高校時代に〇〇だったのは不利ですか?
の3つがあります。今回の記事を読めば上の①から③の答えが全て分かるので、不安な方はぜひ最後までご覧ください。
警察官になるのにオススメな大学や学部は?
警察官になるのに有利な大学や学部はどこなのか。
運動部が有名な大学?それとも法学部?
結論を出す前に、こんな経歴を持つ受講生をご紹介します。
講座受講生の安藤さん(20代大学生・女性・名前は仮名)は大学が畜産・酪農学部です。
家畜の飼育や繁殖、畜産食品などの加工技術を専門的に学ばれていました。
警察官とは全く関係ない大学・学部出身なのです。
試験前に安藤さんからはこのようなお悩みを頂いていました。
私は畜産の大学で警察とは何も関係ありませんし、アルバイトくらいしかアピールポイントがありません。
高校時代は精神的にしんどい時期があり不登校気味でした。
今回は大阪府警や警視庁も併願しようと思っているのですが、不利でしょうか?
警察官採用試験を2回落ちているので不安な気持ちで一杯です。
安藤さんは地元の県警を受験するも2回不合格。
そこで今回は試験前に僕の講座を受講し、更に警視庁や大阪府警を併願することにしました。
まず、併願を心配する安藤さんにはこのように回答しました。
併願が不利になることはありませんし、併願する理由を聞かれたら面接官に分かりやすく説明するのが面接という場です。
大阪府警と警視庁を受験するならば志望動機があるはずですし、それをきちんと伝えれば何ら不利になりません。
ここまで自信を持って言えるのは、僕がこれまで何年も講座運営をしてきて多くの合格実績があるから。
そして人事採用担当として実際に面接をしているからです。
警察の面接で自己アピールする方法
高校時代のことは個人情報もあるのでここで詳しくは言えませんが、これも『心配いらない』と自信をもって回答しました。
安藤さんとは試験本番まで、このようなやり取りをしました。
大学では部活もしていませんし、大学は親の期待に応えるために畜産学部に入りました。
大学では動物実験や食品加工をしていますが、面接官を納得させるような警察官の強みが見つかりません。
アルバイトのことを書くしかないのですが、どうすれば強みが見つかりますか?
周りを納得させる必要はありません。
その環境で何に真剣に取り組んだのか。採用側はそれが知りたいのです。
授業をサボったり、適当に学生生活を送っていますか?
そうでなくきちんと予習したり、男性の多い中で女性が少なくても周りとコミュニケーションをとって勉強できているならば、充分なアピールですよ。
何か立派な勲章があれば良いのではないのです。
どのような環境で何に取り組んでいるのか、それらを具体的に教えてください。
ありがとうございます。ただ、真剣に取り組んだことが専門的なので共感を得られるか不安です。
それは安藤さんが無理に共感を得ようとするから悩むのだと思います。
何に取り組んだのかを分かりやすく伝えることが課題です。
評価するのは相手なので、評価者に伝わりやすいように説明する練習をしてください。
論作文を作る前に、一度これまで安藤さんが取り組んできたことを思いつくままメールに書き出して送ってください。
そこからきっと何か見つかると思います。
専門的なことに取り組んだのならば充分なアピールですし、学生の殆どは普通の学生生活を送っています。
むしろ運動部のキャプテンでも不合格になっていますので、何か大きな成果を挙げたから評価されるという試験ではありません。
大きな成果よりも、コツコツと継続してきた経過を評価されるので、これまでの成功体験や努力した経験を書き出してみてください。
ありがとうございます。次に自己分析の方法を教えて頂けますか?
警察官になりたい気持ちに迷いはないのですが、自分の強みやアピールすることの裏付けるものがなくて手が止まります。
単純にどうやって自分で自己分析をやるのかが分かりません。
自分では思っていることでも理由がないと就活には役に立たないと知りました。
学校の先生にも聞いたのですが聞きたいことが聞けませんでした。
自己分析とは自分の強みや自己アピールを手当り次第に探し出すことではなく、採用側(この場合は警察)の求める人材像に沿って自分の強みを書き出すことです。
例えば集団生活や体力、規範意識など警察が求める警察官像を研究するとどういった人を求めているのか徐々に分かるでしょう?
そこにエビデンスを含めて当てはめていくのです。
警察はネイルを上手く塗れる人や滑舌が良い人、足が早い人を求めているわけではない。
それは分かりますよね?
それならば、どういった人材を求めているのかを分析してみて下さい。
そこに自分自身の過去の経験を当てはめていくのです。
粘り強い、人見知りしない、協調性がある。
そういった長所があるならばその理由を説明出来るようにして下さい。
それが自己分析です。
つまり、相手が求める人物像に対して自分自身がマッチしていることを裏付けるエビデンスを言語化する行為です。
ただ、僕は安藤さんを励ますだけではありません。
模擬面接を確認して、こんな厳しいやりとりもありました。
私の模擬面接をご覧頂いた感想はいかがでしょうか?
内容そのものより、はっきり言って練習不足です。
何を話すのか理解すら出来ずに面接を受ける人が合格することは厳しいです。
相手から聞かれることがあらかじめ台本で分かっているのに、その程度で合格できると甘い考えしかないのでしょう。
要するに、学生気分のままなのです。
これが安藤さんの全力ですか?
あえて本音で言いますが、このままでは合格は厳しいです。
悲しいことにこれが今の全力です。
今はやり切ったというよりも、ただ『話し終えた』という感覚しかありません。
桜井さんに言われたとおり、本音ではなく作り上げた自分で話していたので改善します。
そして、それから数日して安藤さんからはこのような言葉を頂きました。
いつも桜井さんの動画を拝見させてもらっているのですが、今日やっと、「相手の関心に関心を持つ」の意味が分かりました。
その言葉が大切なキーワードであると直感的に思っていたのですが、やっと今日理解しました。
その視点がこれまでの人生でなかったので、見えてくる世界が変わってくるかもしれないです。
安藤さんは何かを見つけて試験本番に臨みます。
最終試験の結果はどうだったのか。安藤さんから直筆のお手紙を頂いたのでご覧ください。
安藤さんは警察とは全く関係のない学部でも見事に合格されました。
倍率の非常に高い県警でしたがこの順位をご覧ください。
安藤さんは地元県警に3位という高順位で採用され、更に併願先の警視庁にも合格したので警視庁に進むことになりました。
よくある講座のご質問は→こちらをクリック
警察官採用試験に偏差値や学歴は関係ない理由
ここで、よくあるご質問のひとつ『警察官採用試験に学歴は関係あるか?』の真実を回答します。
その答えは警察官採用試験に学歴は関係ない。
これが僕の出した答えです。
先日、このようなツイートをしました。
立命館大学は関西では関関同立と言われて有名な私大です。偏差値も高いですし、この学生は法学部でした。
それでも試験対策が不十分だと不合格になるのです。
体育大学出身、法学部出身だから有利になるというわけではないのです。
ひとつだけ言えること。それは、安藤さんはこの学生よりも遥かに努力したということです。
安藤さんは特別な資格も特技もありません。武道経験や運動部の経験もありません。
大学で真面目に勉強したことを具体的に説明したからこそ合格できたのです。
警察官になるのに有利な大学も学部もないのです。
合格する人は努力しています。
安藤さんは何度も何度も論作文を書き直しました。
時には僕の厳しい指摘で頭の中が真っ白になったこともあります。
それでも夢を掴むために決して諦めず、努力を楽しみながら夢を叶えたのです。
僕の講座から夢を叶えた若者が生まれて、日本の治安を守る警察官になる。
合格者が生まれるたびに毎度とても嬉しく、僕自身も誇りに思います。
安藤さんが素敵な警察官としてご活躍されることを心より祈念しています。
この記事は要チェック→警察官になれない人の特徴とは?【採用の事実を公開】
長文コメント失礼致します。
今年の春に海上保安庁の大学、海上保安大学校を卒業して現在地元にある製油所で働いている者です。
親が倒れたことで、全国転勤となる幹部海上保安官の道を諦めて民間就職に至ったのですが、親の容体が回復してやはり公安職につき人々の安全を守りたいと考えて、県警を受験することにしました。
そこで3点伺いたいのですが、
①上記のような海上保安庁の退職理由を素直に説明しようと思っているのですが、納得して頂けるでしょうか。
②県警受験のために、現職も退職しようと思うんですが、勉強のために2ヶ月で退職しても大丈夫でしょうか。
③在籍していた大学校では刑法や刑訴法などの授業があったのですが、「ちゃんと勉強してきてますよね?」と言うようなスタンスで、面接の際に質問されたりすることはあるのでしょうか。
宜しければ、教えていただきたいです。
長文乱文失礼しました。
海保だったのですね。
親御様が快復されてなによりです。
①上記のような海上保安庁の退職理由を素直に説明しようと思っているのですが、納得して頂けるでしょうか。
→退職理由の内容は問題無いと思います。本番ではもう少し詳しく説明されるでしょうから、端的に分かりやすく説明する練習をしてください。
②県警受験のために、現職も退職しようと思うんですが、勉強のために2ヶ月で退職しても大丈夫でしょうか。
→退職して大丈夫かどうかは私が決めることではないので、私見を述べさせて頂くと私ならば退職はしないと思います。
③在籍していた大学校では刑法や刑訴法などの授業があったのですが、「ちゃんと勉強してきてますよね?」と言うようなスタンスで、面接の際に質問されたりすることはあるのでしょうか。
→それは面接官次第なので誰にも分かりません。
そのご質問ですと、大学で学んだことにあまり自信が無いのでしょうか?
大切なことは過去にどのような前向きな経験をしたのか、その経験を通じてどのように成長できたのか、そして警察官になったらその経験を生かしてどう貢献できるのか。
その点を考えてみてください。
こんばんわ。
桜井先生のブログやYouTube動画は、いつも拝見しています。
私は受験生ではなく、現職の警察官ですが、今回質問させて頂きたいことがあります。
1つめは昇任試験についてです。
毎年、勤務評定として評価が決められますが、この勤務評定が昇任試験第二次試験(面接、教練など)の合否に影響することは理解しています。
これは、第一次試験(論文試験)の合否にも影響するのでしょうか。
例えば、勤務評定がAであれば、適当に解答していても合格する、勤務評定がDであれば、満点に近い解答であっても不合格となる、というものです。
2つめはどうすれば勤務評定を良くすることができるかということです、
私が思いつくのは、きちんと仕事をする、仕事でミスをしない、処分を受けない、上司に気にいられるように振る舞うなどです。
もし昇任試験が、どれだけ勉強しても勤務評定が低いと合格できないのであれば、勤務評定を良くするためになりふり構っていられません。
質問が長くなってしまい申し訳ありません。
ご多忙のところ誠に恐縮ですが、先生のご見解をよろしくお願い致します。
はじめまして。
勤務評定は試験にもちろん影響しますが、かなり高い評価をもらっていても論文試験の点数が低いと不合格になります。
仕事が出来ても何故か階級が上がらない人はその典型例で、基本的には勉強しなければ合格することはできません。
勤務評定は自分が係長になったとき、どのようなことをされたら嬉しいか、課長の立場ならどのような部下を信用するかを想像して働いてみてください。
例えば
①指示されたことは即復命して、しかも間違いのない書類を作る。
②事件処理の際は中核的な存在になるよう勉強する。
③上司がする前に様々な雑用、手続きを済ませる。(取調べ等の手続きや車の手配など)
つまりは『いなくてはならない存在』になることが重要です。
そうすれば信頼されて評価は自然と上がります。
そして、何よりも大切なことは誰よりも真面目に働くことなので、事件や事故が入ったときも率先して現場に行く姿勢が評価につながります。
サボる姿、楽をする姿は上司も部下も後輩も見ています。