警察官の欠格事由について真実を公開します

警察官になれない欠格事由

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

警察官の欠格事由、つまり警察官になることができない条件には何があるのかご存知でしょうか?

それはこちらです。

(1) 日本の国籍を有しない人
(2) 地方公務員法第16条に規定する欠格条項に該当する人(以下はその内容です。)
ア 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの人
イ 志望する都県において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない人
ウ 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した人
(3) 平成11年改正前の民法の規定による準禁治産宣告を受けている人(心神耗弱を原因とするもの以外)

出典:愛知県警察(警察官採用候補者試験の概要)

ホームページにも『次のいずれかに該当する人は受験できません。』とはっきりと明記されています。

つまり、上記に該当しなければ警察官になれないことはないということです。

それでも不安は尽きません。ネットでは『○○は警察官になれない』とデマがはびこり、噂が真実のように書き込みされて何が本当なのか分からなくなる方が多いのです。

身辺調査や補導歴、交通違反歴、既往症など検索すれば色々な情報が溢れています。

そこで今回は警察官の欠格事由について詳しく説明します。

警察官の欠格事由について真実を公開します

いただく相談で意外と多いのが『色覚異常でも警察官になれるのか』という相談です。

これは僕自身、正直なところ明確な答えが分かりませんでした。ヤフー知恵袋に相談すれば『それは不可能です』と回答されるでしょう。

そして以前、こちらの記事←で、色覚異常でも警察官採用試験に合格した方の記事を紹介しました。

この時は合格例が1件だけだったので『もしかしたら偶然だったのでは』という気持ちがあったのも本音です。

色覚異常は欠格事由なのか?

そこで今回は欠格事由に該当するか不安一杯の中、受験した瀬戸さん(男性・仮名)にインタビューした真実を公開します。

(以下の内容は瀬戸さんから許可を頂いたものです。)

実は瀬戸さんから数年前、このようなご相談をいただいていました。

瀬戸さん

はじめまして。いつも動画を拝見しています。
私は、今年で大学2年になるのですが、警察官を目指しています。
ですが、最近受けた検査で中等度以下の色覚異常がある事がわかりました。
採用ページには、職務に支障がない程度と書かれていますが減点などされないでしょうか?

また、「色覚異常が原因で試験に落ちた」、「重度の色覚異常ではないのに落とされた」などの書き込みをよく見かけます。
それらの書き込みを見て私は、今やっていることが無駄になってしまうのではないか、という怖さがあり勉強がなかなか手につきません。私は、警察官を目指しても大丈夫なのでしょうか?
拙い文章ではありますが、ご回答のほどよろしくお願いします。

これを読んで私は胸が痛くなりました。色覚異常は自分がどれだけ努力しても改善できないからです。

そして、それから何度かご相談をいただき今回このようなメールをいただきました。

瀬戸さん

こんにちは。3年前に質問した瀬戸です。その内容は、色覚異常でも警察官にはなれるのかというものでした。
その後、ブログを見て合格例があることを教えていただき、諦めず受験することを決めました。
警視庁、長野県警、○○県警を受験し、その結果、○○県警から内定をいただきました。

長野県警からは、色覚異常から身体的要項で不合格。
警視庁は、詳しい情報は書いてありませんでしたが、自分と同じ色覚異常の友人、二人と同じ順位であったことから色覚異常で不合格になったと考えられます。
○○県警は、パネルd15という検査ができれば問題ないと言われ、最後の望みで受験しました。
県によって、身体の採用基準が異なるようです。
受験期には、桜井さんの動画に本当にお世話になり、モチベーションの維持、的確なアドバイスから合格に繋がりました。
3年前に質問した時、諦めなくてよかったです。ありがとうございました。

瀬戸さんは諦めることなく受験し、遂に警察官になるという夢を叶えたのです。

ただ、僕は色覚異常というものが理解できていません。どのような見え方なのか、実際に不便なのか。

『色覚異常』という言い方自体、なんだか差別的な感じがして嫌なのです。

世間では色盲や色弱など呼び方は色々とありますが、色の見え方が他の人とは違うだけでコンプレックスを植え付けるのは良くないと個人的に思っています。

そこで、今回は瀬戸さんに『色覚異常』と呼ばれる方の悩みや見えている世界などをインタビューしてみました。

桜井

①パネルd15とはどういうものなのでしょう?他の色覚検査との違いを教えて頂けますか?

瀬戸さん

警察官採用試験で行われる検査は、二つあります。まず一つが石原式でこれは全員やります。
しかし、ここで異常が出た場合パネルD-15というもので再検査を行います。
色がついた円柱が15個用意され、青を基準として緑、赤、紫の順に正しい順番でグラデーションを作ります。これができれば色覚異常は認められないというものが医師の診断です。
パネルD-15は出来るが、石原式は出来ないという人を今まで何人か見てきました。この他に色覚異常を判断するものはないと思います。どの県の警察官採用試験でもこの仕組みを採用しています。

桜井

なるほど。パネルd15と比較して、警視庁や他の県警の色覚検査では何が見えないのでしょうか?

 

瀬戸さん

私は、石原式と呼ばれるものが見えません。
絵の中にある数字を読むというものですが私には、ただ点が羅列されているようにしか見えません。
しかし、石原式は見え方の個性なども作用するため正確な色覚異常を判定することは出来ないようです。

桜井

石原式では数字が判別しにくいのですね。
では、生活する上で色覚異常が不便だったことは実際にありますか?

瀬戸さん

いえ、色が見づらいなどの感覚を持ったことはないです。

桜井

そうなのですね。
これまで色覚異常と診断されて辛かった経験はありますか?

 

瀬戸さん

警察官を目指すにあたって、大学一年生の時に眼科で検査を行った際、色覚異常だと診断されました。
ネットには、「色覚異常は警察官にはなれない」などの書き込みが多く、大学の先生にも相談しましたが「諦めて行政の試験を受けなさい」と言われてしまいました。
自分の夢を叶えられないと思った時が一番辛かったです。
採用試験を受けているときも無謀なことじゃないかなど大きな不安を抱えていました。

 

桜井

それは苦しいですね…。でも大学の先生から言われても諦めず、最終的に夢を掴んだことは自信にも変わると思います。
そのような世間の色覚異常に対する考え方への本音を教えて頂けますか?

 

瀬戸さん

私、自身も診断されるまで知らなかったように世間の認知は、低いです。
警察官採用試験の要項には、軽度であれば問題ない等記載されていますが、フェアに判断しているとは考えづらいです。
身体的要項に不合格がついていた際、長野県警に問い合わせたところ、「石原式の誤読枚数が多いからパネルD15ができても、採用は認められない」と言われました。
上に述べた通り、石原式では正確な検査は出来ないと言われてますが認知が低いためか正しい情報が出回っていない気がします。
採用する側も、不安を抱えているということはわかりますが、色覚異常への認知を深め偏見のない採用をしてもらいたいです。

桜井

私も中学の頃までは恥ずかしながら色弱について知識が全く無かったので、世間の多くはそのような誤った知識を持っているのだと思います。
それではその逆に、色覚異常で警察官になることに不安はありませんか?

瀬戸さん

犯人の特徴や、車の色など警察官の職務において重要なものであると認知しています。
その点私は、普通の人と比べて違う見え方をしてしまう可能性があります。そのため、少なからず不安はありますが採用して頂いた以上、コンプレックスを感じることなく胸を張って職務に尽力していきたいです。

桜井

確かに採用された以上は言い訳ができないので、それもプレッシャーになると思います。
他の人の見え方が分からないというのは不安でしょうが、検査で『職務に支障なし』という診断が出たのですから、自信をもって大丈夫だと思います。
多くの人が知り得ない、その『色覚異常』とは実際どのような世界なのでしょうか?具体的に教えて頂けますか?

瀬戸さん

私の場合、パネルD-15が出来るため、軽度または、異常がないと診断されました。
その視点から述べますと、見え方の個性があると思いますが見えている世界は、大きく変わらないと思います。
色が分からなかった、周りと違う色に見えるなどの経験はありませんでした。
しかし、色の組み合わせによっては見えづらいものもあるかもしれません。
石原式による診断によると私は、緑色に弱いようです。
単体で何色かを判断することは問題ないのですが、茶色と緑色を並べられると同系色に見えてしまうようです。

桜井

『見え方の個性』というのは素晴らしい言葉だと思います。障害ではなく個性というのは私も同感です。
単体で判別できても、色が重なると見えにくいことがあるのですね。
では最後に、これから警察官を目指す方に伝えたいことがあれば宜しくお願い致します。

 

瀬戸さん

受験する際、様々な情報に困惑させられ、マイナスな情報が目につくようになります。
しかし、すぐに諦めないでください。無理かも知れないと思ったら、いろんな人に聞いて自分が納得するまで希望を探し続けてください。思い込みで諦めるのは勿体ないです。

色覚異常は男性で20人に1人と言われており、その数は少なくありません。警察官を受験する人の中にも一定数おり、そんな人たちの不安を少しでも解消できたらなと思います。拙い文章ですが、少しだけでも取り上げていただけたら幸いです。他にも質問点がありましたら遠慮なくご質問ください。ここまで、ありがとうございました。

そして瀬戸さんは最後、このような言葉を残されました。

友人から「全く色が見えないの?」とよく言われました。何度説明したかわかりません。
でも、ほとんどの人たちが理解を示してくれました。
これから受験される方が後悔しないよう認知が広がればいいなと思います。
色覚のせいで辛い時期もたくさんありました。
でも、この苦労があったから今の自分に自信が持てます。
苦労をして勝ち取った合格を無駄にしないためにも私は何があっても警察官を辞めません。

警察官になれない理由を探すのを止める

努力すれば夢は叶う。

そんなことを言うつもりはありません。

ただ、自分の人生は自分の意志で決めなければネットの情報で夢を諦めてしまうと、いつか後悔したり人を恨む結果になってしまいます。

今回は最後まで諦めずに夢を掴んだ瀬戸さんをご紹介しました。

 

続いてこちらの記事へ→警察官採用試験で高得点がとれる小論文(論作文)の書き方

4 件のコメント

  • 突然の質問失礼します
    前職がブラック企業であり睡眠障害、適応障害を発症しましたカウンセラーの紹介で精神科へ6ヶ月間睡眠薬をもらうために通院したことがありました
    精神科歴があると採用されないという情報がありますが事実なのでしょうか?

  • 質問失礼します
    恥ずかしい話なのですが私の父親は20年以上前に暴力団に入っていた過去があります。父親曰く、警察署に行き手続きをしてやめたとの事です。
    このような場合私が警察官になる事は不可能なのでしょうか?

    • 身辺調査は気になるところですよね。
      下の記事に答えを全て書いているので、ぜひご覧ください。
      その記事に感想も頂けると嬉しいです。

      『身内に○○がいると身辺調査で警察官になれない?』https://riku-navi.com/police-real-background-investigation/

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。