先日の仕事帰り、近くに交番があったのでふと中を覗いてみた。
中では50代の男性警察官が財布の拾得物の書類を書いていた。
ああ、懐かしいな。
そうだ、俺はここで働いていたんだ。
そう思った。
古臭いコンクリート作りの交番の中では制服姿の警察官。
それを外から眺めるスーツ姿の僕。
ああ、距離ができたなと感じた。
交番は僕の城だった。
僕の守るエリアが与えられて、その中で必死に戦った。
通報がないときはのんびりと巡回に行って、お年寄りに声をかけて回った。
下校中の小学生に「お巡りさん、さようなら」なんて声をかけられて。
ああ、俺もお巡りさんになったのかなんていつも感じていた。
公務員浪人を何年もしていた僕にとって人から「お巡りさん」と呼ばれることは何よりも嬉しいことだった。
結婚したあと、たまに実家に帰ると母は交番の昼食と夕食用にとんでもない量のお弁当を用意してくれた。
これを食べた後はいつも交番の近所を歩いてパトロールした。
ウォーキングとパトロールを兼ねた仕事なんて最適だな、なんて思いながら。
ある夏の日、交番の近所でお祭りがあったのでフラッと立ち寄ったときのこと。
小さな公園で自治会が運営する小規模のお祭りだった。
自治会長に制服姿を見せると心から喜んでくれて、来賓席に座らせてくれた。
「お巡りさん、いつもありがとうございます。ビールでも飲んでください。」と冷えたビールを出された。
「いやいや、さすがに勤務中はマズいですよ」
僕が断ると周りのみんなが笑った。
太鼓の音が鳴り響き、祭りの歌と手拍子が共鳴する中で、僕は警察官だった。
祭りの帰り道、遠くで花火が上がった。
あまりにも綺麗で僕は立ち止まって見てると、僕のことを不思議そうに見てくる若い女性がいた。
僕は遠くの花火を指さして「花火ですよ。」とつぶやいた。
女性も「ああ。綺麗」とつぶやいて、夏の夜道、二人で花火を眺めた。
僕は警察官だった。
いま交番やパトカーを見ると、とても懐かしい。
警察の仕事は苦しくて閉鎖的で、上下関係や規則で縛られる生活なんてどこにあったんだろう。
通報のあと、交番に帰ると安心した。
古い造りでも自分の城だった。
交番で僕は外を眺めながらいつも思っていた。
ここに来るまでに苦労したな、と。
そして今、僕は立場がまたも逆転して交番の外側に回った。
橋の欄干(らんかん)に座って交番を眺めて、警察官時代を思い出していた。
初夏のなまめかしい夜風が吹く中、僕は誰にも聞こえないほど小さな口笛を吹いた。
来週、県警の面接があります。
けど、警察が何を求めているのか今一理解できません。
自分なりに調べた結果、協調性、忍耐力、正義感でしょうか。ここに自分の経験を当てはめる。
説明会に行ってもあまり具体的に質問すると、考えすぎだと言われます。
思いやりとか優しさは少し違うと大学のキャリアコンサルタントに言われます。
警察が求めていることに対して、少しヒントをいただけないでしょうか。
また、既卒なので、新卒目線ではないヒントでお願いしたく思います。
既卒でも新卒でも変わりません。
正義感など目に見えないものではなく、警察官を目指す理由と何がしたいのかをエビデンスを持って説明することが大切です。
これは警察に限らずどこの企業でも同じなので余り考えすぎないようにしてください。
小説みたいで、素敵な文章です。
さすが桜井さんです。
ありがとうございます☆
私も早く制服を着て街に飛び出したいです。
でも、制服に腕を通すことを想像しただけで感動で涙目になるので、現実になったら涙でびちょびちょにしてしまいそうです(笑)
街中で見る自分の制服姿は想像以上に感激しますよ。
パトロール中、知り合いに会うと芸能人に会ったみたいに驚かれるのも楽しかったです。
桜井さんにメールでぜーーーんぶ吐き出してきたお陰でとてもメンタルが安定しました!
桜井さんにはご迷惑でしかなかったと思いますが、本当にありがとうございました(笑)
これからもブログと動画を楽しみにしております(๑˃̵ᴗ˂̵)
警察官はモテそうですね。
人にもよりますが、かなりモテます。
桜井さんは
数学、物理、化学
を捨てたと書いていると思います。
それ以外は全てやられたのでしょうか?
例えば、芸術、国語です。
試験の傾向に合わせて捨て科目を選択する必要はあります。私は出題傾向の少ない問題は全て捨てて必要科目に絞りました。
今まで桜井さんから学んだこと、自分でやってきたことを信じて、支えてくれた人とこれから出会う人に感謝して面接全力でがんばってきます。
緊張で心臓がバクバクしますが、これも心臓が自分にパワーを送ってくれているんだと思います。
私は本当に何度も桜井さんに助けて頂きました。
必ず警察官になります。合格報告をぜひ待っていてください。
昨日もおかしな問い合わせをして申し訳ありませんでした。
そして陰ながらいつも応援しております。
桜井様
初のコメント投稿になります。
先日大卒の警察官採用試験を受けてきた者です。来週に二次の面接を控えています。
猛勉強して一次の筆記試験を合格し、二次試験の体力測定まで行いました。体力測定では項目全てやりきりA判定を頂けました。
警察官試験を受けるのはこれで3度目ですが、初回は一次不合格、2回目は二次不合格です。三度目の正直と言わんばかりに猛勉強し、体力作りを行い、1回目、2回目に足らなかった分を補う努力をしてそれは手応えがあった様に思います。
・・・ですが、この度の試験に於いて
論作文で大ミスをしてしまいました。文字数は足りていますが、
●漢字の間違い。
●最後の文が途中で終わっている。(結論を書いていないという意味ではなく、本当にブツ切りで終わっています。句読点が無いとかではなく、本当に書いている途中で終わっています。)
正直、論作文を軽んじていました。もう焦りまくりで内容も薄っぺらいものしか書けていなかったと思います。
論作文がゼロ点ということはあるのでしょうか。私の受けているところは配点が公開されておらず、論作文の足切りもあるのかわかりません。
教養試験と体力測定が凄く手応えのある出来だったので非常に落ち込んでいます。
論作文で落とされる可能性はあるのでしょうか。面接を控えていますが、まだ諦めるのは早すぎるでしょうか。
諦めるのはまだ早いですよ。
前向きに挑戦しましょう。
ご返信いただきありがとうございます。
そう仰って頂けて大変励みになりました。
最後の壁に持てる全てをぶつけてきます。