転職した職場の人間関係で悩む人へ

公務員、転職、ブラック企業、警察官、人間関係

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

僕はこのブログで警察官採用試験対策として色々な記事を作成し、個別指導も行い、このブログから多くの警察官が誕生しました。

今回は僕が警察官として働いた時に現場で見た新卒の死をお話します。

ブラック企業から公務員に転職した理由

僕がなぜ3年間も公務員浪人を続けてまで警察官という仕事にこだわったのか。

なぜ人は就職や転職で悩むのか。

その部分を含めて、僕が実際に警察官として働いた中でとても印象に残っている話をしようと思います。

離職率の高いブラック企業に就職して…

僕はこれまで何回か説明したように大学卒業後、入社した会社を数か月で退職しました。

恐ろしいほどの離職率で中間層(40代社員)が存在しない会社でした。

20代前半の若者が管理職を務め、根性論だけで会社を運営するシステムはこの会社に限らず未だに多いでしょう。

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僕はこの会社に入社してすぐに思ったことが「おもちゃ箱みたいな会社だな」ということでした。

見た目だけにこだわり中身は脆弱で、しかも壊れたらすぐに替えが補充される玩具の集まり。

ここで長く働くことは危険だから何か武器になるものを見つけたらすぐに転職しよう。

入社初日に僕は心に強く決心したのです。

 

僕はもともと文章を書くことが大好きだったので大手広告代理店に絞って就活するも失敗、それならば25歳まで就活を続けていつかは日本の大手広告代理店にヘッドハンティングされるという若手ならではの根拠のない自信と野望を持っていたのです。

(それが警察官になったのですから分からないものです。)

飛び込み営業とテレアポの日々で

僕はこの会社で毎日悩んでいました。

飛び込み営業とテレアポで新規客の獲得につなげる仕事がメインだったのですが、こんなことをするために大学にいったわけじゃないんだって。

街で同級生に会っても仕事を話すのは恥ずかしいし、胸を張って自分が何をしているのかすら説明できない。

仕事のやりがいって何だろう?

職業に貴賤(きせん)はないと言いますが、自分の仕事に目標や誇りを持てなければ働くのは本当に苦痛なのです。

給料が良ければまだ耐えられますが、低賃金で深夜まで働き社会的にも認められなければ人生の無駄遣いになるんですよね。

特に20代ですと同級生が楽しそうに働く姿を見たとき本当に焦るわけです。

ブラック企業は職場の人間関係も最悪

ブラック企業は職場の人間関係も最悪です。

入れ替わりが激しいので信頼関係も希薄、どうせ辞めると思われているので浅い付き合いしかできません。

薄っぺらな人間関係とやりがいのない仕事に挟まれてストレスがピークに達します。

 

俺は何をしてるんだろう。

このままでいいのか。

そんなわけない、でもまだやりたいことが見つかってないのに辞めてどうする?

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営業に行く口実を見つけて見知らぬ駅で降り、お昼間の公園でベンチに座っていると小さな子供が遊ぶ声が響いていました。

ああ。いいなあ。

俺にもこんな時があったよなあ。

そんな気持ちになったことを強く覚えています。

自分がひどく薄汚れた存在だなと感じました。

営業、就職、合わない

僕の勤めていた会社は有線が大音量で鳴り響いてタバコの煙がもうもうと立ち込める中、30機ほどの電話機が常に鳴っていました。

環境的にもかなり酷く新入社員が数時間で失踪することもありブラック企業の代表みたいな職場でした。

そんな場所で働く自分はとても汚い存在に感じ社会的に落伍者だと感じていたのです。

ブラック企業を退職することを決意

そして僕は会社を辞めることを決意し、入社から半年で無職の世界に飛び込んだのです。

この時は不安なんて全くなくて安堵感で一杯でした。

もうテレアポも飛び込み営業もしなくて良いという解放感。

無職ニートになることに不安なんてなかった

辞めたときはまだ暑い夏でした。

とりあえず本屋に行って小説を買ったり、ひとりでプールに行って日焼けしたり本当に気ままなニート生活をしていました。

焦りなんて何にもなかったです。

きっと何かが見つかるだろうと何故か確信がありました。

やりがいのある仕事を知る

そしてある日、僕は家のインターホンを修理していると目の前にバイクが止まりました。

制服を着た40代後半の警察官でした。

彼はバイクから降りると「こんにちは。巡回連絡に来ました」と礼儀正しくも人懐っこい笑顔で話しかけてきたのです。

地域警察官との出会いが人生を変える

僕は彼に階級のことや警察の仕事について色々なことを質問しました。

その全ての質問に彼は「うんうん、それはね…。」と丁寧に答えてくれます。

 

そして僕に「いま何をしてるの?」と聞いてきたので「今は無職なんですよね。」と答えると彼は「じゃあ警察官になったら?今から受験票を持ってくるから」とわざわざ受験票を持ってきてくれたのです。

そして彼は去り際に「何かあればいつでも相談してね。ここは僕の受け持ちだから」と言うと、バイクのエンジンをグォンと吹かして去りました。

 

僕の受けもち。

その言葉が耳に残りました。

 

いいなあ。

利益なんて関係なくこうやって悩みを聞いて、解決してそれが仕事になって。

受持ち区を守るって何て素敵なことなんだろう。

自分の受持ち区を与えられるってなんてやりがいがある仕事なんだろう。

警察官に転職することを決意

僕はこの瞬間から警察官になることを決意しました。

テレアポや飛び込み営業とは違って、働いても迷惑な顔をされない仕事。

人から感謝される仕事。

 

こんな素晴らしい仕事に出会えた感激で心が打ち震えました。

それから3年後、僕は試験に10回以上も落ち続けて最終的に警察官になりました。

 

公務員浪人の孤独と不安で気が狂いそうになったことは何度もありました。

でもそれらに打ち勝てたのはブラック企業で悲惨な体験をしたおかげもあります。

でね、僕は警察官になって実際に自分の受け持ち区を与えられて多くの人に出会いました。

色んな人に出会って悩みを聞いて相談を聞いて、地域の顔になることができました。

地域警察官(交番警察官)っていわゆる保安官みたいな仕事ですからファンがつくんですね。

巡回連絡は世間話が仕事になる

世間話して趣味の話を聞くのが仕事になります。

良好な関係作りが仕事になります。

巡回連絡でインターホンを押したとき、実は昔の飛び込み営業を思い出したことが何度もあります。

 

飛び込み営業と巡回連絡の大きな違いは感謝されることです。

「すいません、警察です。巡回にきました」

このセリフを言うまでに僕は3年かかりました。

でもそれだけの価値はありました。

 

みんなが感謝してくれます。

「ごめんなさいね、最初セールスマンかと思いました(笑)来てくれてありがとうございましたお巡りさん」

そう。

僕はセールスマンだったんです。

3年前はみんなの忙しい時間を邪魔するセールスマンでした。

警察官はやりがいの固まりだった

嫌われ者からヒーローになるまで3年間。

3年間は長いようで短かったです。

やりがいなんて全くなかった仕事からやりがいの固まりの仕事に転職するまで3年間。

本当に幸せでした。

就職先に悩む新卒の自殺

そして僕は警察官として働いてある日、とても悲しい自殺に遭遇しました。

新卒の若者が仕事に悩んで亡くなったのです。

したくない仕事、興味がない仕事。

 

そうだよな。

分かるよ。

俺もそうだったんだ。

興味がない仕事だから業務も頭に入らないんだよな。

 

ノルマなんて言われても自分が興味がない物は売れないもんな。

興味がない物を売りつけるって罪悪感しか残らないんだよな。

罪を感じて働くって犯罪者みたいな気持ちになるんだよな。

親にも申し訳なくって、自分の存在が情けなくなるよな。

未来が見えないってさ、未来が見えないって死にたくなるよな。

だからって死ぬなよ。

お前の母ちゃんはエプロンしたまま死体のお前を見て泣いてるじゃねーか馬鹿野郎。

 

就職って、転職って不安です。

失敗したら死にたくなります。

でもね、何とかなるんですよ。

人生は何とかなるようになってます。

 

悩んだ時や苦しんだ時、まずはひと休みしてください。

〇〇しなくちゃいけないなんて強迫観念は捨てましょう。

人はいつか死にます。

僕は変死現場で多くの死を見て思いました。

人は死ぬために生きるんだなって。

だからこそ、いつか訪れる死を後悔なく受け入れるためにも今を満足して生きることが幸せなんだと悟りました。

就職や転職で悩む時間は意外と短い

人生って長いようで短いです。

就職や転職で悩む人は永遠に苦しみが続くように感じている人もいますが、一線で働けるのは60歳までです。

そう考えると自分に何ができるのか、何がしたいのかをゆっくりと考えるのも必要だなと思いませんか?

生きていると何が起こるか分かりません。

チャンスは意外と多く転がっています。

 

悩んだ時は誰かに相談して、自分の弱いところを露呈してもいいんです。

思いっきり弱点を見せてカッコ悪い所を見せてもいいから、まずは昨日とは違うことをしてみましょう。

あの熱い夏の日、無職の僕にやってきた「警察官になるという未来」はまるで必然のように受け入れることができました。

あそこで僕が「いやいや、警察官なんて興味ないし」と拒否していたら人生はそこで終わっていたでしょう。

 

どん底でも救われることは多いです。

だからこそ人生は楽しいんです。

まずはそこから抜け出す準備をしましょう。

新しい人生はもう始まってますよ。

続けて【警察官に中途採用で転職する難易度を解説します】の記事へ

 

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ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。