私が警察学校を辞めた理由について

警察学校、辞める、離職率

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。今回はブログ読者の方で警察学校を辞めた方(Aさん)から退職理由や反省点、警察学校でしておくべきだったこと、警察官採用試験等について色々とアドバイスをいただいたので説明します。

警察学校を辞めた理由

桜井
警察学校を退職されたとのことですが、在校中はどのような状況だったのですか?
Aさん

私は大学を卒業後、ストレートで警察学校に入校して最初は問題なく訓練をしていました。ただ自分に甘い性格と幼い性格から教官に指導されるようになり、更に同期からもフォローしてもらったのですが改善点を直すことができませんでした。

結局は授業中に居眠りしたり指示されたこともできず、何度も指導を受けてる内に教場の中でも少しずつ浮いていきました。

桜井
同期から浮いてしまうのはキツイですね。それから人間関係や教官からの扱いはどのようになったのでしょうか?
Aさん
そこで教官から親に連絡が入り、入校以来睡眠が上手く取れていないこと、頭がずっと冴えずに思考能力が低下していることを初めて親に説明しました。その後、教官と親が話し合い、教官から精神科に行くように勧められました。

ただ精神科に行ってしまうと通常勤務ができなかったり訓練の継続が難しくなること、更には希望している部門に行けなくなる可能性があり、このまま警察学校にいるのも苦しいので退職することに決めたのです。

桜井
大学を出て夢にまで見た警察学校だったのに退職は苦しい選択だったと思います。
Aさん

ありがとうございます。ただ私は適応力や社会経験が足りず、自分でもこのまま現場にでていいものなのか不安になってしまい寝れなくなり病んでしまったことも事実です。

桜井
なるほど。私のブログやYouTubeでは多くの警察官志望者がいるのですが、ほとんどの人が警察学校に入ることへの不安や恐怖を抱いているので何かアドバイスをいただいてもよろしいですか?
Aさん

そうですね。それでは

①警察官採用試験を受験したときの勉強方法のコツ
②警察学校で必要なこと、きつかったこと、イメージと違ったこと
③いま考えると警察学校で◯◯しておけば良かったなと思うこと、反省点
④その他に警察官を目指す人へのメッセージ

の4点を説明します。

①警察官採用試験を受験したときの勉強方法のコツ

一次試験は一般知識で点数を取ることが難しいと思っていたので一般知能を中心に勉強しました。一般知識は5、6問だけ正解で知能は全問正解できて25点は取れたと思います。

論文試験は問題の傾向が多種多様でしたので論文の対策というよりも警察官のあるべき姿、姿勢を自分で調べ勉強しました、
問題の傾向は警察に関係すると思うので警察についてとにかく調べました。機動隊や交通、生活安全などいろいろ調べておけば論文でもあまり困らずスラスラと書けました。警察について調べていたおかげで二次試験の面接も上手く答えることができました、

②警察学校で必要なこと、きつかったこと、イメージと違ったこと

警察学校では体力も必要ですが、とにかく寮内や訓練に挑む姿勢をよく見られます。体力が無く苦手なところでも最初はできなければ怒られますが努力する姿勢を見せれば認めてもらえます。声を出す、ガムシャラにやることが大切です。出来なくても精一杯の努力する姿勢を出すことです。

後は人間関係が上手くいかないと大分きついです。同期とコミュニケーションが取れない人は孤立していきます。あと他の期を見ていると、高校を卒業してすぐの人達は警察学校に染まりやすい傾向にあります。

学生の中にはよく怒られて何度も教官の機嫌を悪くさせてしまう人が出てくると思います。そうすると周りがその人に対して強く当たりガチになっていました。

一番きついのはこの人間関係だと思います。訓練で走りだったり教練も体力的にはきついですけど、いつの間にか終わっています。でも人間関係は一度こじれると終わりが見えないのできついのです。

③いま考えると警察学校で◯◯しておけば良かったなと思うこと、反省点

警察学校に入る前にもっと社会経験をつんで大人になってから警察官になればよかったと後悔しています。どうしても生活の中で妥協を生み出してしまったのでそこを教官に見られ叱られていました。もっと努力すればと後悔しています

④その他に警察官を目指す人へのメッセージ

警察学校はとても良い経験になると思います。ただ警察学校という場所に適応しすぎて教官の意見を全て肯定するようにはなって欲しくないです。一人ひとりが一杯一杯になって他人に対するあたりが強くなってしまう人が多いです。

自分もあまりできてないので他人のミスを見つけても周りに広めるようなことはせず、一緒にミスしたところはカバーしていこうとしていましたが教官に目を付けられたくない、ダメな奴と思われたくないと思って大っぴらに他人のミスを大声で話す人がいるのも事実です。警察官になりたいと思ってきてる人も少ないです。

桜井さんのサイトを見てきている人は警察になりたくて見ている人が多いと思います。
私もその一人でした。ただ大抵の人は『他の公務員が落ちたから、給料が良いから、消防を落ちて妥協で、あるスポーツをやるために』などで、警察官に憧れたりなりたくてなった人は少ないです。

ただそういう人ほど警察学校の厳しい雰囲気に飲み込まれ、他人に対して気遣う余裕がなくなり、ミスした同期や怒られやすい人に対して当たりがつよく、辞めろなどきつい言葉を使ってしまいます。だから同期がどれだけミスして怒られても辞めろなんて言わないようにしてください。

私は辞めてった人にもっと声をかけておけばと何度も後悔しています。もっと周りに辞めろなんて言うなよと言っておけばよかったと後悔しています。

辞めた人達が今度は違う目標をもって目指した道を馬鹿にするような人もいるのも事実です。どうかそのような人達にならないでください。

桜井

詳細にありがとうございます。警察官になりたくてなった人は少ないですか。時代は変わりましたね…。
拝読していて胸が締め付けられそうになりました。
やはり警察学校は閉鎖的な空間なので、洗脳されやすくなりますよね。あの独特な空気は私も覚えています。

とにかく上に立とうとして、他の人を説教したりマウンティングすることが多いのは警察学校の特徴かもしれません。
本当にありがとうございます。また後日、YouTubeやブログで配信させていただきますね。

【おススメ記事→警察学校の訓練よりもキツイのは意外にもコレでした】

警察官に向いていない人はいるのか?

アドバイスをいただき胸が締め付けられそうになりましたが、確かに警察学校は独特の空気が流れているのでコミュニケーション能力がない人は苦労すると思います。

体力が無くても苦労はしますがクビになることはありません。それよりも同期や教官と上手く接することが出来なければ浮いてしまい、最悪辞めることにもなります。理由はAさんから頂いた情報のとおりです。

過去に「警察官をクビになった話」というブログがヒットして多くの警察官志望者を不安に陥れましたが、あの作者の方も退職した理由は適応不足と人間関係なので警察学校では特にこの2点に注意する必要があると思います。

警察学校はとても楽しい場所ですが、楽ではありません。その点をよく理解して入校すると戸惑うことも減るはずです。

続けて『え!?警察学校は2回も入校するの?』の記事へ

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ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。