新人警察官の休みと勤務時間、残業について公開します

警察官の休日と残業と勤務時間

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

今回は新人警察官の休日の取り方や残業(ワークライフバランス)について説明します。ホームページやパンフレットを見ると待遇面で「休みが多くプライベートも確保しやすい」と書いてありますが、本音の部分では全部を信用できないですよね。

ちなみに僕も警察官になる前は『警察官にプライベートなんてあるわけない』と思っていました。警察官になる以上は生活を全て犠牲にしなければ成り立たない仕事なんだろうなと。休日も呼び出しばかりで人生を捧げる覚悟で就職しました。

新人警察官の休みや勤務時間、残業や急な呼び出し

警察官は世間的に勤務時間が長くて残業だらけ、急な呼び出しで休日も潰れるというイメージがあります。この点について、僕が交番勤務や刑事課で勤務していた頃の話、そして新人警察官時代の経験を交えて具体的に説明します。

まず新人は必ず交番勤務になります。基本的に交番勤務の警察官は午前9時から勤務して翌日の午前10時頃まで交番で勤務して、それから引継ぎして勤務が終了します。つまり1日半を交番で働くわけです(警視庁は4交代なので若干異なります。)

 

そして仕事が終わると昼から翌日の丸一日の1.5日が休日になります。つまり1.5日働いて1.5日休むサイクルを延々と回していくわけです。仕事が終わって昼から半日の休みを非番、翌日丸1日の休みを公休と呼びます。

【参考記事】地域課の警察官になるには?仕事内容とやりがいについて

地域課の勤務時間と仕事内容

参考例:勤務時間について(新潟県警)

ただ警察官はサラリーマンではないので勤務交代間際で突発事案が発生した場合はもちろん対応する必要がありますし、大きな事件等が起きた場合は必要な書類を全て完成させなければもちろん帰宅できません。例えば勤務交代間際の午前8時に万引き事案が発生して逮捕した場合は夕方頃まで確実に残業することになります。

業務の特性上、拘束時間が長いのは事実です。つまり事案が何も発生しない日は午前中に帰宅できますし大きな事案が発生した日は翌日も夕方まで残る必要が出てくるのです。警視庁や大阪府警など大規模署はかなり改善されているでしょうが、人が少ない署はまだこういった面が十分には改善されていないかもしれません。

警察官の仕事が忙しい理由

ちなみに僕が新人警察官の時代は配属された交番が本当に平和な場所だったので、いつも午前中には帰宅していました。それが良いのかというと身体は楽ですが仕事を全く覚えられないので、若い頃はある程度経験を積む上でも残って仕事を覚えた方が得です。

僕はこのあとかなり忙しい署に配属されたので仕事が終わるのはいつも翌日午後0時を回っていましたが、次の署は平和な地域だったのでほぼ午前中には帰ることができていました。

忙しい署から平和な署に転勤すると仕事も覚えているし身体も楽になるので天国ですが、この逆だとかなりキツイです。なので警察官になったときはしんどくても新人の頃に仕事を覚えておけば後々が楽になります。

地域課(交番勤務)が人気の理由

なお残業についてですが、働き方改革の影響もあって不必要に残ると注意されるようになりました。先輩や上司より先に帰りづらいので職場に残るという昭和的な考えがようやく改善されてきたので昔より働きやすくなっているのは間違いないです。

ただ何か突発事案が発生したときは例え翌日の仕事明け(非番)に予定があってもキャンセルする必要がありますし、逮捕して検察庁まで護送する場合は翌日の休日(公休日)でも出勤する場合もあります。

地域課、仕事内容

ちなみに警察官は急な呼び出しが多いというイメージがありますが、交番勤務だとほとんどありません。むしろ交番勤務で呼び出しされることは余程のことです。僕も含めて周りでも呼び出しされた経験がある人はほとんどいません。だからこそ交番勤務(地域課)はプライベートの予定が立てやすいので人気なのです。(当直手当も一番つきます)

刑事課等の内勤は忙しい部署の場合、週休2日でも1日は自主的に出勤して仕事をしている人が多かったです。「2日も休むと申し訳ない気がする」とみんなが言っていたので事案が次々に発生する署の場合、内勤に入ると休みがとれる保証はなくなります。

刑事課は忙しい

最近も午後8時頃に街を歩いているとサーティーワンアイスクリームの前に少しチャラそうな20代後半の男性集団がいたのですが、その中の1人の電話が不意に鳴り『あ、その件は勾留請求が明日なので〇〇の書類を検察に明日持って行きます』といきなり警察用語で対応していたので「刑事さんは休日でも問い合わせがあって大変だな」と当時を思い出しました。

僕も刑事時代、結婚式の両家顔合わせ途中に急な呼び出しが入り、急遽(きゅうきょ)職場に向かったことがありますが電車の中でイライラしながらも「こういうところがサラリーマンとは違うな」と深く実感したのを覚えています。

【関連記事】刑事になる方法と難易度の秘密

休日の過ごし方とプライベートについて

ではここで新人警察官の休日の過ごし方やプライベートについて説明します。交番勤務で非番(仕事が終わったあと)の昼からは、20代ですと元気も余っていて疲れも残っていないのでガッツリと遊べます。

僕の場合は昼に帰宅するとシャワーを浴びて習い事に行っていました。自治体にもよりますが、自主的な勉強のために習い事をする場合は少し補助金を出してくれます。翌日も休みなので非番は気分的にとても余裕があります。

彼女と予定が合わない

そして僕は警察官になってすぐに彼女が出来たのですが、ひとつ盲点がありました。交番勤務の重大な落とし穴として、一般企業のOLさんと休みがなかなか合わないのです。

交番勤務は出勤して翌日の昼まで働き、半日と翌日が休みです。つまり土曜が泊まりの週は日曜の昼以降だけしか会えなくなりますし、事案によってはデートもキャンセルになります。1.5日働いて1.5日休むサイクルなので祝日は関係ないですし、ゴールデンウイークなどの連休もありません。

警察官、恋人、休日

金曜や土曜が非番のときは恋人とも泊りがけで遊べるのですが、カレンダー通りに遊べないということを理解しておく必要があります。また僕は仕事の前日は夜23時までには寝るようにしていましたし、お酒も夜9時以降は飲まないようにしていました。

交番勤務は1晩泊まって働くため体力勝負になり、疲れを完全に癒して仕事に臨まなければ体力が持たないのです。体力を非常に使う仕事のためロングスリーパーの僕としてはコンディションを保つためにも早く寝る、深酒はしない、これを徹底していました。

関連記事新人警察官は独身寮に必ず入るのか?【体験談を公開】

急な呼び出しはほとんどない

世間の噂とは違って、部署にもよりますが警察官はしっかりと休みがとれますし急な呼び出しもほとんどありません。ただ恋人がいる場合は予定が合わせにくいのが実情です。だからこそ警察官同士で交際したり、同じような勤務形態の看護士さんと結婚する人が多いのだと思います。

あと羽目を外すことはできません。お酒を飲んでも常に少しだけ緊張感をもっていました。飲み過ぎて寝込んで保護されるとアウトです。居酒屋でも話す話題には注意しなければ警察官とバレると小さなことでも後々ひんしゅくを買うこともあります。

また自分だけでなく一緒に遊ぶ相手も慎重に選ぶ必要があるので、そういった点ではプライベートも少し窮屈に感じます。

外泊するにも許可がいる?

『警察官になると恋人ができて外泊する場合は許可がいるのですか』という質問をたまにいただきますが、それは僕の自治体は全く不要でした。ただ遠方に旅行する場合は警察官に限らず公務員ならば届出が必要です。

例えば「公務員 参集基準」で検索すると下記のような千葉県の公務員全体の規則がヒットしますが、公務員はどこの自治体もほぼ同じで大地震などの突発事案が発生した場合は必ず参集する必要があるため、常に連絡がつく状態でいなければなりません。

○災害発生時の職員の参集手段 職員参集方法を徒歩として予測をしていますが、災害時には道路状況によっ て、自転車やバイクも有効な参集手段となります。各所属は、災害時に利用可能 な参集方法を用いて出来る限り迅速な参集に努めるよう周知徹底します。

○災害時優先業務の円滑遂行 発災直後や職員の交代が必要になった場合に、担当者以外の職員でも、災害時 優先業務を円滑かつ効率的に実施できるようマニュアルを作成し、所属職員に周知徹底します。

○部内、部局間での応援体制 対応の長期化により職員の交代が必要な場合を含め、実際の災害発生時に、 想定した応援体制を超える応援が必要となった場合には、災害対策本部会議にお いて応援体制を決定します。

出典:千葉県業務継続計画(震災編)

こっそり遠方に旅行していたときに非常参集がかかった場合、すぐに参集できなければ大目玉なのでそれを回避するためにも届出する必要があります。プライベートを探るためではないんですね。公務員になれば避けては通れないのがこの常時参集体制なのです。

ただ遠方に旅行する場合でも許可を貰えないことは一度もありませんでした。届出さえしておけば参集できない許可をもらったことになるので伸び伸びと旅行できます。このようにきちんと規則を守れば世間で思われているほど堅苦しいこともなかったです。

 

警察官になるならばある程度はプライベートが犠牲になることもあります。それを覚悟しておけば何らツライことはありません。その逆に公務員の仕事は定時で上がれるのが基本で残業や休日出勤など考えられないという人は精神的に苦しいことも多いでしょう。

その特殊な業務性を理解しているのか、採用試験の面接でも詳しく質問されるはずです。

続けて【警察官の仕事内容・やりがいや警察学校の実態を公開します】の記事へ

25 件のコメント

  • 桜井さんいつも動画でお世話になっております。
    2回目の県警試験で無事最終合格することができました。これからも頑張っていきたいと思います!!

    • 合格おめでとうございます!私の動画が少しでもお役に立てて光栄に思います。
      素敵なお巡りさんとしてご活躍されることを心から祈念しております。

  • 桜井さんいつもYouTubeやブログ見させていただいています。
    無事県警の2回目の試験で最終合格を勝ち取りました!!
    警察官になっても桜井さんの投稿楽しみにしています。

  • 夜分遅く申し訳ありません。
    神奈川県警の二次に不合格となりました。
    成績開示にいったところ、前回は50点台、今回は70点台でした。
    明らかに前回より、今回の方がグダグダだったのに、どういう基準なのかわかりません。
    採用係が変わったのでしょうか?

    • それこそ私がいつも説明しているように『面接官は人間だから面接に決まった答えはない』の意味です。
      面接官はいつも変わります。つまりどの面接官に当たってもマイナスな印象を与えないように対策しなければならないのです。
      成績開示で学ぶべきことは採用側についてではなく、自分自身のレベルです。
      50点が70点になったことを訝しげるのではなく、なぜ70点前後を推移しているのかを考えてみてください。

          • 私は非正規なのですが、面接中試験官が正規職員だと思い込んでいて「あっ、これ契約社員かなにか?」と指摘されたことか、スリッパを忘れて別な試験官から「何でお前持ってきてねーの?」と起こられたが多分、マイナスになったかと思います。
            面接カードに非正規って書いてあったか不安です。
            間違って正規職員に○をしていたらこれ詐称ですよね?

          • 間違って記載することは誰しもあるので、それを捉えて詐称にはなりません。故意と過失は全く異なります。
            それよりもマイナスになるかは分かりませんが忘れ物には注意したいですね。
            間違って記載したり忘れ物をするなど集中力が欠けているのが目につくので、その点を改善してみて下さい。

          • 実力が数値化されるアスリートのコンマ何秒の世界とは違って面接試験という相対評価の試験ですから、面接官が違えば点数は下がっていたかもしれません。
            そう考えると20点に一喜一憂するのではなく、不合格になった原因を探すことに意味があると思います。

  • いつも拝見しております。

    次の採用試験で、大阪と兵庫を受けようと思っております。第一志望は兵庫なのですが、大阪の面接で、「2つとも合格したらどちらに行きますか?」という質問に正直に兵庫にいきますと答えるべきでしょうか?

    • これについては正解がないと思います。ただ、兵庫県が地元なのに大阪に行きますと答えるならそれ相応の理由が必要なので、それを答えられないなら私ならば正直に答えます。(ただ答え方はマイナスにならないよう配慮します)

  • 警視庁の面接で、「警視庁と福岡県警どっちも受かったらどっち行く?」と聞かれ、「警視庁に行きます」と答えました。理由を聞かれたので、「福岡県より東京都の方が飲酒運転による交通事故件数が多いからです。」と答えました。

    私の志望動機は、過去に知人が飲酒運転に巻き込まれ命を落とした時に、このような事故を一件でも減らしたいと思ったからです。
    この流れからいうと、答え方は悪くはないですか?

    • 面接の前後が分からないので何とも言えませんが、警察官を目指した経緯に知人が亡くなられた内容をしっかりと説明できていれば大きな問題はないと思います。
      ただできれば交通事故だけでなく他の理由も併せて説明できていれば尚良いでしょう。
      警視庁でやりたいことや警視庁の警察官だからこそできることが説明できれば熱意として評価されるので参考にしてみてください。

  • はじめてメッセージさせて頂きます。
    私は現在22歳の高卒なのですが高校のときに諦めていた警察官になりたいと考えいるのですが警察官になる前にとっておいたほうがいい免許などありましたら教えて頂きたいです。
    ちなみに今は普通免許(AT限定)しか持っていません。
    よろしくお願い致します。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    桜井 陸

    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・警察官退職後は某大手企業の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者1万3,000人突破。 ・現在も民間企業の人事部で採用担当として活躍中。40代、既婚、大阪市居住。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。