警察官の給料や年収、福利厚生、有給休暇ってどう?

警察官の収入、休暇、福利厚生

リクストリーム管理人の元警察官、桜井陸です。

今回は警察官採用試験を受験する者としてはどうしても気になる

  1. 警察官の給料や加入している保険などの福利厚生
  2. 有給や休日の取得状況、労働環境

について説明します。

 

警察官になりたい人なら一度は福利厚生や年収、労働環境を調べるために参考書を見たことがあると思いますがどれも同じ事が書いてあるでしょう?

それは公表している部分だけを書いているからです。

 

現場の警察官がそんなもの見ても鼻で笑うことしか書いていません。

実はね、警察官の仕事は参考書に書かれている以上に大変だしもっともっとやりがいあるし楽しいんです。

それを書いていきますね。

1 警察官の給料はいいのか?

警察官の給料や年収を一般人からもよく聞かれました。

これは僕がブログで最初から公開していますよね。

30代半ばで年間700万円近くありました。これって年齢に較べるとなかなかいい方です。

月収も普通のサラリーマンよりかなり手取りが良かったです。

公務員の年収は年功序列

一般的に公務員は働く年月に合わせて給料が上がります。

それに加えて最近は警察官も勤務成績に合わせて昇給します。

つまり頑張れば頑張るほど評価されて給料に反映されるのです。

このシステムのお陰で僕は昇給してかなり給料が上がりました。

警察官は頑張りに応じて年収も上がる

警察官になれば後は退職までみんな同じ給料なのではなく、頑張り次第で給料に差がつくのはやりがいがあって良いでしょう?

しかも(言い方は悪いですが)頑張らなくても給料はもらえるのが公務員の強み。

そして、この「仕事の頑張り方」というのも個人個人がそれぞれ研究して工夫したものを仕事に活かすので、見ているととても面白いんです。

 

警察官なんてみんな同じことをしていると思っていませんでしたか?

僕も警察官になるまではそう思っていましたが、自分のやり方を尊重してくれてやってみたいことをのびのびとさせてもらえるから本当にやりがいあるんです

僕が仕事で何を工夫して給料を上げたのかはまた今度書きますね。

2 警察官の福利厚生はどう?

警察官の福利厚生はとても厚いです。

各種保険に加入できます。

怪我や病気をするのが多い仕事という前提なので保険も好待遇です。

 

仕事中にもし不幸なことがあっても家族は路頭に迷うことはありません。

健康診断は毎年何回も行われますし、武道や各種施策が行われるのでやる気さえあれば運動不足にはなりません。

3 休日の取得はできるのか?

警察官は休みなく働いているイメージありませんか?

それは半分正解で半分間違いです。

警察官は外勤の地域警察(制服を着た警察官)と内勤の警察官(刑事課や交通課、少年課など)がいます。

警察官は当直勤務があります

制服警察官(地域課)は朝の9時から勤務開始して翌日の昼過ぎころまでが大体の勤務です。

内勤警察官は朝の9時から勤務開始して午後5時45分までが勤務です。

ただ、内勤警察官は週に1回だけ当直といって署に泊まる仕事があります。

 

これは署に刑事等の専門知識を持った警察官がいないと制服警察官だけでは事案を処理できないからです。

分かりやすく会社で例えると地域課の外勤は「営業」で刑事等の内勤は「制作」になります

営業が取ってきた仕事を内勤が処理するのです。

 

制服警察官は職務質問等で犯人を捕まえることに特化した部門、刑事は捕まえた犯人を適正に捜査することに特化した部門です。

そして内勤の当直業務は署に泊まり、その間に発生した制服警察官だけでは処理できない事案に対応するという業務になります。

地域警察官の休みはどうなっているの?

地域課は上に書いたように基本的に24時間勤務です。

受け持ちの交番で発生した事案全てに対応します。

翌日の昼まで働くと、その日は午後から翌々日まで丸々休みです。つまり1.5日の休みが確定しています。

つまりどれだけ忙しくても24時間働けば1.5日確実に休めるんです。

地域課の休日について

サイクルを説明するとこうなります

泊まり→明け→休み→泊り→明け→休み

最初は身体もしんどいですが、このサイクルにもいずれ慣れます。

警察官は不規則

ただ、やはり警察官です。

24時間の間に休憩時間もきちんと設定されていますが事案が入ると出動になります。

昼ごはんを食べられないことなんて当たり前ですし、大きな事件が入ると翌日の夕方まで食事はできないことはおろか不眠不休ということも当たり前に発生します。

 

厳しい言い方をすると、寝られないということや食事がとれないことに耐えられないという人は警察官に向いてないでしょう。

「たとえ徹夜でも仕方ない。それが警察官だ」と割り切れるということが第一条件だと思います。

昼御飯にラーメンを注文して交番に届いた。

割りばしをパキンと割ってコショウをラーメンに振りかけた瞬間に通報が入ることなんて日常茶飯事です。

そして夜に交番に帰ってきて、汁を全て吸って膨らんだラーメンを食べるのもある意味では警察官の醍醐味です。

警察官は実は休暇を取りやすい

それでも翌日には帰宅できるし翌々日は確実に休日です。

なので予定を組みやすいのが制服警察官のメリットといえるでしょう。

ちなみに制服警察官は突発の呼び出しなんてほとんどないので安心してください。

 

夏季休暇もしっかりと取得できます。

ただ、もちろんですが盆暮れ正月、GWなんてのはありません。

人が休む時に働くのが制服警察官の誇りなのです。

内勤の刑事や少年課は休みあるの?

僕は刑事経験もありますので簡単に説明しますね。

まず当直の説明は上に書いた通りです。

ほぼ定時に帰宅もできます。

 

なんだ、意外と楽だなと思ったでしょう?

これは事件がない場合に限ります。

内勤の刑事は制服警察官が捕まえてきた犯人を引き受けると、検察庁起訴でき得る書類を送るまで(これを送致と呼びます)が基本的な仕事になります。 (検察庁や送致、起訴についてはこちらで説明しています)

 

警察では制服警察官は魚を捕まえるのが仕事、内勤の刑事はその魚を料理するのが仕事とよく言われています

これはほんの一例ですが、制服警察官が電池切れのスタンガンを持った怪しい男をマンションの踊り場で職務質問して署まで連れてきたとします。

制服警察官は犯人を捕まえて簡単な書類を作り、あとは刑事に引き渡せば仕事はほぼ終了です。

刑事の仕事は職人だ

そこからが刑事の仕事になります。

法律と経験を駆使してこの男が犯罪を犯しているのか判断して、違法行為があるなら送致するまでの書類を作るのです。

ちなみに上の例で考えると、電池切れのスタンガンは違法行為に当たりません。

それでは家に帰しますか?

違います。

もし男を発見したマンションが男の家でなければ建造物侵入という罪に問えるのです。

 

こういった事件がほぼ毎日のように入り、時には深夜でも殺人や放火など大きな事件があります。

その時は呼び出しが入り出勤となるのです。

事件に土日は関係なく発生しますから休日返上で出勤は当たり前というのが刑事魂です。

 

少しでも判断した法律に間違いがあれば違法捜査や違法逮捕と言って大きくバッシングされるので平素から法律の勉強は必要になります。

制服警察官には判断出来ないことを先頭に立って処理する。それが刑事の誇りなんですね。

 

またこれは内勤外勤関係なく大地震などが発生した場合は休みでも当然出勤になりますし、たとえ深夜でも酒を飲んでいてもどうにか工夫して絶対に本署まで行かなければなりません。

4 警察官の職場って規則が厳しいの?

あなたは警察署や交番で働くとして、どんなところを想像していますか?

冗談も言わずに黙々と真面目に働いているとか、軍隊みたいに厳しいところとか考えていませんか?

僕はそういう風に想像していたんですが、交番はサークルや部活みたいに上下関係があるけど和気あいあいとしていました。

24時間以上も一緒なんですから、ある意味では家族みたいなノリなんです。

警察は人間関係が大切

昼食も夕食も翌日の朝食も、寝る時も一緒。

何なら仕事帰りに飲みに行くのも一緒。

だからこそコミュニケーション能力が必要になるんです。

 

集団生活が嫌いとか個人プレーが好きなら少し苦労するかもしれませんが、それも次第に慣れて合わせられるようになると思います。

警察組織は階級社会なので年下の上司というのも勿論いますし年上の部下もいます。

でもそんなこと気になりません。

警察は女性が働きやすい職場に変化している

確かに古い体制も残っています。

もう少し改善すれば良くなるという部分はたくさんありました。

でも女性が働きやすい環境にどんどん変わってきてますし、女性が活躍すればもっと良い組織になるだろうなというのが僕の感想です。

 

誰もが心配する点に「警察官はいつも急な呼び出しが合って休みがほとんどない」というのは大間違いです。

世間では厳しくて封鎖的な組織と思われがちですが、実は明るくて働きやすい職場なんです。

後はやる気と相性が合えば最高の職場になります。

今回は気になる福利厚生やワークライフバランスなどの部分に焦点を当ててみました。

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ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。