予備校に行かずに独学で警察官採用試験に合格するには②

警察官、採用試験、独学、専門学校、予備校、合格、勉強方法

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

前回は予備校に通わずに警察官採用試験に合格する方法を大まかにお話ししました。

【前回の話】予備校に行かずに独学で警察官採用試験に合格するには①

今回はもう少し詳しくお話しします。

数的推理と判断推理は最重要

警察官採用試験の一次試験で最も大切なものは数的推理と判断推理です。

これを苦手科目にすると合格は無理です。

警察官採用試験の一次試験はマークシートでどの自治体でも大体が問題数は全50問です。

 

この50問で6割の30問正解できれば合格するので逆に言えば20問は間違っても良いわけです。

そして数的推理・判断推理は10問近く出題されますのでこれを落とすと他の苦手科目を数か月で強化しなければならなくなります。

また他の教科(数学、物理、化学、生物)は出題されても1問や2問程度で年度によっては出題されない可能性もあります。

そのわずか1問のために数か月を費やすことは非常に効率が悪いのです。

【関連記事】公務員予備校に通っても警察官採用試験に合格できない理由

 

数的推理はコツが分かればスラスラ解くことができるようになります。

慣れと反復で武器になるのです。

警察官採用試験を受験する予定で独学で合格を目指している方はこの数的推理・判断推理を得意分野にすることが合格の第一条件になります。

社会科学と人文科学も落とせない

次に多く出題されるのが社会科学と人文科学です。

社会科学とは分かりやすくいうと法律や憲法、人文科学は世界史や日本史です。

これは暗記分野ですからひたすら勉強するしかありません。

【関連記事】警察官採用試験の難易度と合格率(倍率)を公開します

 

でも出題される内容が基本的に決まっています。

社会科学でしたら選挙制度、基本的人権の適用範囲、制約、裁判所や天皇制、内閣の仕組みがほぼ必ず出題されます。

アメリカの大統領制と議院内閣制の違いや国際政治についても頻出です。

もし独学で勉強している方で政治用語に抵抗があったり、社会科学に自信がない方にはこの本が分かりやすくてお薦めです。

政治のことよくわからないまま社会人になった人へは僕が刑事時代に選挙の仕組みを勉強する必要があったので本屋さんで衝動買いした本なのですが、池上彰さんが独自の語り口で絵を多く使って説明しているのでとても分かりやすく、政治を勉強するにはもってこいの入門書です。

勉強する時にテキストを読んで政治用語アレルギーを起こした方には是非読んでいただきたいです。

 

また民法や刑法も出題が多いです。

経済の問題は金融政策についてよく出題されます。

円高・円安の違い、GDPとGNPの違い、FTAの仕組み、M&Aやカルテル・トラスト・コングロマリット等の意味と違い、ケインズやアダムスミスの思想について勉強する必要があります。

 

円高と円安について間違えやすい内容が

1ドル=100円だったものが翌年には1ドル=90円になった。これは円安である。

というもので、これは間違いです。答えは円高になります。

この円高・円安について内容を変えたものがよく出題されるので特に勉強する必要があります。

 

 

人文科学は日本史、世界史、地理、思想が出題科目です。

日本史は鎌倉時代、室町時代、安土桃山時代、江戸時代が頻出で特に江戸時代は最重要です。

参勤交代や鎖国など歴史的に有名な制度、農民と幕府の関係性、朝廷や天皇の役割は必ず勉強してください。

 

世界史は中国史がほぼ必ず出題されます。

あとは中世ヨーロッパ史も頻出です。

 

地理はヨーロッパの農業を核に勉強してください。

各国の河川や特産物、輸出入品目も頻出です。

 

思想についてはマニアックな思想家はほとんど出ません。

ホッブズ、ロック、ルソー、マルクスは著書や考え方まで絶対に覚えておく必要があります。

(ホッブズ、ロック、ルソーの簡単な覚え方として僕は頭文字をとってホロルと覚えていました。今でも忘れていません。)

マルクスは警察官になってもある意味で重要な思想家です。

 

日本では宗教家を確実に覚えてください。

7大宗祖と言われる最澄、空海、日蓮、法然、親鸞、道元、栄西と各宗派名、業績と寺の場所の組み合わせは頻出問題です。

 

生物に関しては人体の仕組みが多いです。

酵素や臓器の名称と組み合わせはよく出題されます。

文章理解は反復で力がつく

文章理解は英語と現代文でとにかく早く文章を読んで正解する必要があります。

なにせ制限時間も決まっているので5分以内に長文と選択肢を交互に読みながら正解しているものがあれば全文を読まずにマークします。

文章理解は問題数も多いですし慣れたら得点源になります。

 

コツとしては多く問題数を解くことです。

そのためにも文章理解の長文だけが載った参考書を買ってください。

そして文章理解を勉強する曜日を決めて、時間を計りながら実際に解くのです。

参考書に載っている問題数は限りがあり、それを解き終わるとまた新たな参考書を買う必要が出てきます。

(文章理解の問題は一度解くと答えや文章内容を覚えてしまいます。記憶問題ではないので答えを覚えると意味がありません。)

経済的にも勿体ないので週に1日で良いですから文章理解を勉強する日を作り、速読する練習と早く答えを見つける練習をしてください。

 

数学、物理、化学に関しては出題も少なく僕はバリバリの文系だったので捨て科目にしました。

得意科目を増やせば捨て科目を設定できます。

そして出題数の少ない捨て科目に費やす時間を他の得意科目に回せるのでそれだけ正当率も上がるのです。

続けて【警察試験の入退室の間に面接官が重視することと不合格になる仕組み】の記事へ

13 件のコメント

  • 桜井陸さんにしつもんです。ぶっちゃけ桜井陸さんはオウム真理教のことをどう思いますかまた個人的に麻原彰晃のことはどう思いますか

    • 全体的に周りから認められたことがない人の集まりだったんだろうなと思います。
      そして承認欲求の強い人を上手く集める才能に長けていたんだろうなというのが所見です。

  • 桜井さんに質問です
    女性で記憶は出来て、数学は苦手な人は1次試験に
    合格出来ますか?

    • 体力試験に合格する最低限の体力は必要なので、受験する自治体の体力試験内容を確認してみて下さい。
      このブログでも警視庁や大阪府警などの試験内容は網羅していますから受験前にご覧になることをお薦めします。

  • 高校1年男子です。将来警察(大卒)に絶対なりたいです。
    それで大学の学部はやはり文系学部の方がいいですか?
    また採用試験の筆記試験では何割ぐらいが目安なんですか?(道警を目指してます)

  • 質問です
    自分は警視庁を目指して勉強していますが、一次試験通って二次試験落ちてから一回も一次試験通りません
    ネットの情報だと、一回二次試験落ちるとなかなか受かりにくいというのをよく見かけます
    実際どうなのでしょうか?
    桜井さんの周りで一回落ちてから内定もらえたかはいますか?

  • 質問です
    自分は警視庁を目指して勉強していますが、一次試験通って二次試験落ちてから一回も一次試験通りません
    ネットの情報だと、一回二次試験落ちるとなかなか受かりにくいというのをよく見かけます
    実際どうなのでしょうか?
    桜井さんの周りで一回落ちてから内定もらえたかはいますか?

  • 質問です。
    独学で高卒区分の勉強を始めるのですが、過去問を軸に勉強して、捨て問以外の角分野の参考書を買い勉強する感じが良いでしょうか。

    • 過去問が解けるようになれば基本的な問題も解けるようになります。過去問と分かりやすいテキストを併用して勉強してみてください。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。