警察官採用試験の年齢制限と対策方法を解説(一覧表あり)

警察官採用試験、年齢、志望動機

リクストリーム管理人の元警察官・桜井陸です。

ご質問いただいたのですが、警察官採用試験の受験資格で年齢が気になる受験生がいるようですね。

年齢制限ギリギリだと確かに気になると思います。

それなので今回は警察官採用試験受験時の年齢と転職者の志望動機についてお話しします。

警察全体で年齢制限が引き上げになっている

調べてみると警視庁で35歳、大阪府警が33歳、神奈川県警が30歳となります(警察官総配置数の府県別ランキング上位順)(2017年度版)

これは都道府県によってばらつきがありますが就職したものの会社に合わず警察官になりたいと考える受験者には優位な傾向にあります。

なぜなら例えば警視庁は2016年まで年齢の上限が30歳だったのに対し、2017年からいきなり35歳まで上限を引き上げているからです。

年齢制限が上がったのは有利か?

なぜ上限を引き上げたのかというと、単純に受験者が減ったからですね。

好景気で民間企業の給料も上がったので民間企業に就職する人たちが増えたというわけです。

それなら受かる確率も増えたのかというとそれは短絡的な考え方で、年齢制限が上がったからといっても合格できる確率が高くなったというわけではありません。

採用試験を受験できる回数が増えたというだけです。

更に若い受験者にとってはライバルが増えるということになるので気を引き締める必要があります。

具体的な数字で考えるとライバルを実感する

日本の人口を調べると30歳~34歳が368.5万人、35歳~39歳が420.4万人という数字が出ています。(2017年9月総務省調べ)

ざっと単純計算してみると、30歳~35歳の総人口が450万人前後となります。

これを47都道府県でものすごく簡単に割ると各都道府県に約9.6万人になります。

これを男女比で分けて、更に身体条件などで区分すると数字は変動しますがそれでもライバルは増えるという実感はできたでしょう。

結局は年齢制限ギリギリだと厳しいのか?

では本題に入りますね。

もし年齢制限ギリギリの35歳だと受験しても落とされやすいのか。

30代より若い受験者の方が受けがいいんじゃないのか。

気になりますよね。

 

でも実際はそういうことはありません。

私が警察学校にいたときも年齢制限ギリギリで入っている人は多かったですし、部下でも前職持ちという人間は多かったです。

それよりもそれまで何をしてきたのかということに主眼を置いた方が良いです。

 

貴方がもし面接官なら「今まで何をしてきて、なんで警察官になりたいと思ったの?」と聞くでしょう?

私も前職持ちの30代が新任警察官として赴任してきたときは興味本位で聞いたことが何度もあります。

そうすると、ほぼ全員が「前の会社よりも給料が良かったから」と答えるんです。

これは一つの本音ですよね。

もし警察官の給料が低くて社会的価値も低く、福利厚生もないなら誰も警察官になんてなりません。

それでも本当はみんなもう一つの本音を持っています。

例えば「前職はやりがいがなかったけれど警察24時を見てカッコいいと思った」「前から警察官の仕事に憧れていた」とかね。

 

崇高な志をはっきりと言えなくても、警察官を目指す人は心の中には大なり小なり「正義という使命感を持って働きたい」という気持ちを持っています。

この気持ちが志望動機になるんですが、面接官を納得させるのって難しく感じますよね。

もし例えば車のディーラーで営業していた人の志望動機なら

前職では8年間、車のディーラーで営業をしていましたが大好きな車を売っても死亡事故が頻発するニュースを観るたびに心が痛くなって、自分の仕事が正しいのか疑問に思うようになりました。

またチャイルドシートが義務化になった現在でも着用率は約6割と横ばいのままであり、子供の重傷・死亡率が依然として高い現状を見て、私も幼い子供がいることから少しでも悲惨な事故を減らしたいと痛感するようになりました。

そこで私は車を販売するのではなく、今度は車に乗る違反者を厳しく取り締まってより良い地域社会を作りたいと強く思うようになり、自分の信念が仕事として社会に貢献できる警察官を目指しました。 

という志望動機なら面接官もなるほどな、と思うはずです。

私はディーラーの仕事をしたことがないので気持ちは分からないのですが、適当に考えた志望動機でももっともらしく感じませんか?

ちなみにここで「車が好きだからパトカーに乗る地域課で働きたい」とか限定することを書くのは僕的にはお薦めしません。

じゃあ刑事課に配属されたらどうするの?と絶対に聞かれるでしょうから。もしそれでも上手く返せる答えがあるなら良いですが履歴書ある程度柔軟な内容にした方が良いです。

今回は警察官採用試験の受験年齢に不利はないという話、それと転職者が履歴書の志望動機を書くコツを少し説明しました。

最後に、平成29年度分の全国の警察官採用試験の年齢制限を表にまとめましたので参考にしてください。

カッコ内が高卒区分になります。

続けて【警察官になるのに年齢が上だと不利になる?現役警官が本音で回答】の記事へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。