ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。
講座受講生の田村さん(30代女性・仮名)が今回の警察官採用試験に合格し、とても有益な情報を頂きました。
警察官採用試験は年齢と学歴を重視?採用の事実を全公開
田村さんは
ペット関係の専門学校を卒業→フリーター(ダブルワーク)→カフェ店員→事務員→警察官採用試験に合格
というご経歴で、年齢も30代なので警察官になるには不利な条件と思われるかもしれません。
それでも見事、会社員として働きながら長野県警に合格されました。
実は田村さんは過去に警察官採用試験を受験して不合格になったことがあります。
そのときに挫けることなく、不合格になった原因をしっかりと分析したことが今回の合格につながったそうです。

警察と無関係の専門学校や職歴
田村さんは警察官に全く無関係の専門学校を卒業し、その後も経験された職業は警察と何ら関わりのない職種です。
それでも合格できたのは面接で話してはいけないこと、話すべきことをきちんと理解したからです。
講座入会時に田村さんの自己PRなどを確認するとアピールポイントがズレていたので指摘したところ、素直に受け入れて大きく軌道修正されました。

この素直に受け入れるという能力はとても素晴らしいと思います。
自分を変える、つまり自分の誤りを素直に認めて他人のアドバイスを受け入れるというのは中々難しいのです。
【関連記事】→警察官採用試験に不合格になる理由は単純に○○なこともあります
警察が求める人材とは?
人に相談して善意のアドバイスを受けても『ありがとうございます。でも自分はこれがいいと思うので、自分のやり方でいきます。』という人は意外にも多いです。
つまり自分では謙虚と思っていても実はプライドが高いのです。

これからご紹介する田村さんからいただいたお手紙の中に『桜井さんの指摘はキツかったけれど受け入れた』と書かれていますが、プライドよりも先を見据えた選択ができる人物だからこそ不利な条件を覆すことができたのでしょう。
これはどういうことか。
柔軟性のある人材が求められているということです。
警察の試験に学歴は関係あるのか?
田村さんにはこのような質問をして、直筆のお手紙でご回答いただきました。
1これまでの短期離職について、仕事内容や勤務期間
2合格した今、これまでを振り返って思うこと。苦しかった思い出や辛かったこと
3なぜ警察官を目指そうと思ったのか。本音で。
4自分が正しいと思い込んでいた努力やアピールが実は正反対で、ここを改善しなければ今回も合格できなかった点
5警察官を目指していて不安になったとき、どのように気持ちを前向きに保ったか
6講座を受講した理由と受講してみて感じた率直な感想
7講座を受講した中できつかったことや苦しかった指導、悔しかったことなど
8将来はどのような警察官になりたいか。明確なビジョンや理想について
9警察官になりたいけれど不安を抱える受験生へ送りたいアドバイス
10動画やブログ記事で特にお薦めするものがあればその内容とその理由
11警察官になったらやってみたいこと
12ヤフー知恵袋やSNS等で警察官採用試験に対するデマについて感じたこと
13自分のアピールポイントは何だと思うか
14逆に自分自身の嫌いなところ、コンプレックスは何か
15トリマーの専門学校を卒業して、なぜ警察官を目指したのか
16今回の合格の決め手は何だと思うか
17警察官志望者へのエールなど


そしてこちらは田村さんが筆記試験の勉強や面接練習で言われたことをメモするのに使ったノートです。『ノート5冊分も勉強しましたが、賢くなさすぎて学科試験の結果は合格者の中で最下位でした。』とのことです。

こちらは田村さんが勉強しながら鍛え上げた脚です。『体力をつけるべく、社会人バレーボールの練習への参加回数を増やした結果、練習時に履いていたスポーツタイツに穴が空きました。』とのことです。

警察官になるのに学歴や年齢は気にしないで良い理由
田村さんがお手紙で書かれているように、学歴や年齢は気にする必要はありません。
それよりも気にしなくてはいけないことが上司や先輩と上手く人間関係を築けるか、組織の考え方に従うことができるかという協調性の有無です。
それほどまで警察は人間関係が大切な仕事なのです。
警察は人間関係が重要な理由
警察は現場だけでなく、警察学校や職場(警察署や交番)でも人間関係が重要です。自分が正しい、自分は間違っていないという姿勢の警察官は間違いなく人間関係で失敗します。
特に若いうちは自分の力を過信する傾向があるだけに、若手警察官は自己判断で思い切った行動をして失敗し、上司からお説教される人もいます。

上司から叱られたとき、注意されたときに『あ、確かに自分は思い上がっていたな。気を付けないと。』と素直に思える人は良いのです。
そうではなく、『たかが〇〇であそこまで言うなんてウザイなあ。自分はもっと違う環境で働けば伸びるタイプなのに。』と周りのせいにする人は警察に限らず、民間企業でも必ず一人はいるのです。
その人間関係を作り上げたのは誰なのか?
そこに目をつむり、他責にする人は環境が変わっても不思議と同じ壁が表れてまた逃げだすことになります。
警察が退職理由を重視する理由
転職する場合、必ず質問されることが『退職理由』です。つまり前職を辞めた理由ですね。
そのときに上司や環境のせいにする人が合格することは難しいです。なぜかというと、また人のせいにして辞めるんじゃないかと採用側が警戒するからです。
転職歴が多くともきちんと自己分析をして、前向きな回答ができる人が採用される理由はここにあったのです。
そして田村さんはその点をしっかりと理解し、分析できたからこそ不利と言われる状況を覆して合格することができました。
田村さんが素敵な女性警察官としてご活躍されることを心からお祈りいたします。
次はこちらの記事へ→警察官になる人ってどんな人?











田村さんのお手紙と桜井さんの記事を見比べて他責思考だった頃は何故「誰でも話せる」「メンタル強い」「タフさ」アピールがダメなのか分からず、でも自責思考になってからそれがアウトな理由がやっとわかりました。
警察って本当にチームワークなんですよね….埼玉県警と警視庁しかリアルに見てませんが、ドラマの『相棒』に負けじとパトカーの2人組や犯人確保や取り締まりの時にもチームから一切離れずに逃さない、1人警察官が来たらどんどん増えてく-これがチームワークの強さか!と思い知らされました。逆に個人プレーは全然見たことないです。私自身も警察ではないものの、他責思考だった頃は上司やお客様にお叱り受けても某選手みたいに「チッ、うっせーな」と思い上がってて会社を追われる寸前まで行きました。もうこのままじゃマズいと人間関係の勉強をして自責思考に変わってから信頼も回復してチームワークの楽しさにも気づきました。年齢ですが、岩手県警で「36歳のパパが警察学校を卒業!」のニュースを見て心がすごく揺さぶられました。彼は「最初は年齢制限で諦めてたけど、年齢引き上げで採用試験受けました」とカッコいい制服が決まっていて笑顔で答えてた姿を覚えています。今も年齢で気にされてる方がいましたら、年齢は違くても仲間同士で試練を乗り越えた彼を思い出して欲しいです。
コメントありがとうございます。
とても大切な気づきを言語化してくださった内容だと感じました。
「誰とでも話せる」「メンタルが強い」「タフさがある」
これらが、なぜ警察官採用試験の場で評価されにくいのか。
それが他責思考の視点からでは見えず、自責思考に切り替わったときに初めて腑に落ちる、という指摘は本当にその通りだと思います。
警察の仕事は、個人の能力やキャラクターを競う場ではなく、
徹底したチームワークの上に成り立っています。
現場では、パトカーの二人一組、職質、犯人確保、取り締まり、どれを取っても
「一人で完結する仕事」はほとんどありません。
一人の警察官が現場に入れば、自然と周囲が連動し、
チームとして離れず、役割を分担し、逃がさない。
それが日常です。
だからこそ、
「自分は強い」「自分はできる」
というアピールが前に出過ぎると、
チームの中でどう振る舞う人なのかが見えなくなる。
それが評価されにくい理由でもあります。
ご自身の体験として書かれていた
他責思考の頃と、自責思考に変わってからの変化も、
多くの受験生にとって大きなヒントになると思います。
警察官に限らず、どの組織でも
「信頼される人」は、例外なくチーム視点を持っています。
また、年齢について触れてくださった点も、とても重要です。
岩手県警の36歳の方のニュースは、
年齢を理由に一度は諦めかけた人にとって、強いメッセージだったと思います。
年齢そのものではなく、
仲間と一緒に試練を乗り越える覚悟があるか
そこが問われているのだと、あの姿は教えてくれます。
今、年齢や過去の経歴で不安を感じている方がいるなら、
ぜひその姿を思い出してほしいですね。
ご自身の変化と実体験を重ねて共有してくださり、ありがとうございました。
この記事を読んでいる受験生にとって、とても価値のあるコメントだと思います。