「警察官になりたいけど無理ですか?」って諦めるの早くない?

警察官、なりたい、夢、諦める、無理、不合格

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

最近は色々とメールでご相談を受ける中で「もう警察官になるのは諦めた方が良いですか?」という内容が多いです。

いやいや、あきらめる必要なんてないですから。

せっかく夢を見つけたんですよ。

なんで諦める必要があるんですか?

 

先日は「ヤフー知恵袋に相談したらもう諦めたほうが良いと言われたので悩んでいます」という相談者様からメールをいただきました。

ネットは本当に怖いです。

何が怖いって根拠も責任感もなく簡単に人の夢を摘めるんですから。

諦める理由を探すことはやめましょう

元警察官と名乗る者に「あなたは何度警察官の試験を受験しても受かりませんよ。」と言われたらそれであきらめてしまう人だっているんです。

大切な人生がかかってるんだからこれ以上は自分の未来を犠牲にしたくないという気持ちは痛いほど分かります。

 

「もう諦めたほうが良いですよ」という言葉は甘い毒薬みたいなものなんですよね。

「夢を諦めていいですよ」という証明書をもらえたようなものなんですから。

もう頑張って警察官採用試験を受けなくてもいいですよと言われたらホッとする自分もどこかにいるはずなんです。

 

でも僕はそんなの許しませんよ。

諦める言い訳なんて警察官になる前から探してどうするんですか。

 

市民が交番に相談にきた時に

「お巡りさん、私はどうすればいいですか?」

と泣きながら言われて制服姿のあなたは

「うーん、それは無理だから諦めたほうがいですよ。」

と言いますか?

 

「諦める必要なんてない!人生は良くなるようにできてるから大丈夫。」

自信を持って支えてあげるのが警察官の役割じゃないんですか?

交番は最終手段なんです

交番には昼夜を問わず悩んでいる人が来ます。

みんな悩んで悩んでズタボロで交番のドアを開けます。

 

悩んだからといって普通、交番に行かないでしょう?

それでも交番に行くということはもう最終手段なんです。

その人が悩んで悩んで最後の助けを求めるためにお巡りさんに会いに来たんです。

カウンセラーよりも「強い制服姿のお巡りさん」に助けてもらいに来たんです。

 

そこでね、警察官がナヨナヨしながら

「えー、そんなこと言われても私は専門家じゃないから分からないし。上司に相談してみましょうか?」

と言えばその市民は二度と警察官を信用しませんよ。

警察官は多くの市民から相談を受けますが、市民にとっては警察官に相談するなんて人生で最初で最後だった可能性もあるんです。

警察官の僕にファンがついた理由

僕は前にも書きましたがファンが沢山いました。

市民が交番に僕を指名して来てくれるんですよ。

こんな嬉しい話ないでしょう?

じゃあなんでそんなファンがいたと思いますか?

 

それは僕が真摯に自信を持って相談に乗ったからです。

なんで自信を持って対応できたのかというと、自分にも同じような過去があって共感できたからなんです。

 

僕は警察官採用試験に合格するまで3年もかかりました。

とんでもなく辛い経験でした。

 

公務員浪人をしていた時は図書館で勉強していましてね。

お昼はどうしてもお腹が減るから自分でおにぎりを1個握ってリュックに入れて持って行ってました。

シーンとした図書館でお腹がグーグー鳴ると恥ずかしいんです。

寒い冬に雨の中、公園のベンチで冷え切った固いおにぎりを食べたことが忘れられません。

震えながら「くそー、くそー」と心の中で泣きながら食べました。

冷たく固まったお米って不味いし、胃の中に入ると身体が余計に冷えるんですよ。

それでも食べなきゃお腹もグーグー鳴るし、頭が回転しないでしょう?

 

あとね、みなさんは引くかもしれないけど僕は左腕をリストカットしたこともあります。

公務員浪人してて、もうどうしようもなくなってね。

誰にも悩みや愚痴をこぼさないって決めて一人で勉強していたある日、もう無理だってなって。

人間は精神的に追いつめられると自分を傷付けたくなるそうです。

 

ほんとに小さな傷で数週間でかさぶたになりましたし、あれが最初で最後の自傷行為です。

絆創膏一枚で治るような軽い傷で誰にもバレていません。

でも負の感情の波が強すぎたらもうどうしようない時ってあるんです。

 

1人では解決できない悩みってあります。

そういう時、人間は考えられない行動に出てしまうんです。

そして交番に来るのはそういう人なんです。

 

僕はね、公務員浪人をする中で人の弱さや脆さ、卑しさを身を持って経験しました。

だから分かるんですよ。

人の痛みが。

 

公務員浪人の強みはそこなんです。

人が経験したことのない痛みを知ることができます。

妬み、絶望、不安、失望、自信喪失、後悔、疑念…

時間が経つにつれてあらゆる負の感情が襲ってきます。

その中でたった一人だけで自分の未来を信じて戦うんですからそれはキツイんです。

公務員浪人はゴールがないから不安になる

公務員浪人はゴールがないマラソンですからね。

走っても走ってもゴールがないし、周りに人もいないし。

これで方向は合ってるのかなと常に不安です。

 

というかゴールがあることすら分かりませんから。

ペース配分とかそういう次元の話じゃないんですよ。

そんなときに「もう諦めてもいいですよ」と言われたら、そりゃ諦めたくなりますよね。

 

でもあなたに「諦めたほうがいいですよ」と言った人は本当に善意で言ったんでしょうか?

もし同じ公務員浪人ならどうしますか?

 

実は僕も同じようにネットで相談したことがあったんですよ。

そしたら元警察官と名乗る人に「これは善意のアドバイスです。あなたは警察官に合格することは不可能です。新たな道を探すことをお勧めします」と言われて愕然としたんです。

それでもね、「なんでこんな得体の知れない人にそんなこと言われなきゃいけないんだ。自分の人生なのに勝手に決められてたまるか」と逆に強く思いました。

そして翌年には警察官に合格して昇任までしましたからね。

あなたの辛い経験はいつか人を救います

僕はね、通報を受けて現場に行ったり交番で相談を受けているとほとんどの悩みを理解することができました。

何故かというとみんな数年前の僕と同じだったんです。

悩みを聞いていても「あ、その段階にいるなら次にこのステップがあるから大丈夫だよ」と自信を持って支えてあげられるんです。

 

経験者が語るとみんな聞いてくれるんですよ。

だからファンになってくれるんです。

2時間も3時間もジーっとこちらの話を聞いて最後は笑顔で帰っていくんです。

 

もしあなたがゴールのないマラソンを走っている最中ならその経験はいずれ悩める市民にさしのべる力強い手に変わると思ってください。

諦めるなんて早いですよ。

もう終わりだと思ったとき、もうそこまで夜明けが来ています。

続けて【警察官に中途採用で転職する難易度を解説します】の記事へ

12 件のコメント

      • 今日、大阪府警の最終合格発表があり不合格でした。
        警察官を目指して3年目です。全国各地、8回採用試験を受験しました。
        桜井さんのブログを見て元気がでました。
        諦めずに夢に向かって頑張ろうと思います。

        • コメントありがとうございます。
          辛いお気持ちお察しします。
          警察官採用試験は熱意がある人を優先的に採用する試験ではないですが、採用された後はその熱意がエネルギーとなって住民に愛される警察官になれますよ。
          応援しています。

  • 今日警視庁の1次合否ハガキが届きました、結果は不合格でした。
    今回で、警視庁の試験を4回受けて1度として1次通過できていませんが、懲りずに何度でもトライして、日本の首都東京を守る自負を持った警視庁警察官として、人の為に貢献できるよう、頑張りたいと思います。

    • 不合格だったのですね。
      悔しいでしょうし辛い気持ちで一杯でしょうが、いつか報われる時が来ます。
      一次試験対策は大切なので数的や社会科学等を何度も反復して勉強してください。
      そして何よりも二次試験が本番なので、論作文や面接対策も怠ることなく準備して本番に臨んでください。
      応援しています。

  • 突然失礼します。
    私は学生なのですが警察官に憧れています
    ですが運動が全くできません。
    勉強もあまりできる方ではありません。

    努力すれば変われるでしょうか?
    何をすれば変われるでしょうか?

    何をするべきか教えていただけると
    幸いです。

    • まずは何をするべきなのかを理解することです。
      私がこれまで作ったブログ記事やユーチューブ動画を全てご覧いただいた上で、それでも何をするべきか分からないならばいつでもご連絡下さい。

  • 質問失礼します。
    私はまだ中学2年生です。私の左手にリスカをしたみたいな大きな長い傷があります。よく周りには辛いの?とリスカと勘違いされ辛い時があります。私の将来の夢は幼稚園から変わらない警察官なんです。でも周りからリスカと勘違いされる傷のせいで警察官になれないんじゃと諦めたくなる時があります…どうすればいいのでしょう。

    • 傷跡の理由が分からないので何とも言えませんが、リストカットの跡はリスト部分に沿った幾条の切創痕ですし、見れば大体分かります。受験した時にもし聞かれたら説明すれば良いと思いますよ。今から諦める必要は全くありません。

  • 突然失礼します。
    記事の中でリストカットについて話していたと思うのですが、私の左腕また両足にリストカットの痕があります。多分消えることはありません。
    二次試験にて身体チェックがあると聞いているのですが、痕があることによって不合格にされる事はあるのでしょうか。はっきり残っているのが左腕の外側の一部なのですが、絆創膏等で隠すよりも曝け出していた方が良いのでしょうか。

    • 傷があるから不採用にするかは採用側の判断なので、申し訳ありませんが私に言及することは出来かねます。
      リストカットする自傷癖が治っていたら良いのですが、警察官はストレスの溜まる仕事であるためその点が個人的に心配になりました。警察官は拳銃を持つ仕事ですし、採用側もその部分を不安視するかと思います。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。