警察官採用試験で病歴やケガ・通院歴を隠したらどうなる?

警察 試験、病歴、通院歴

ブロブ管理人の元警察官・桜井陸です。

読者の方から質問で「病歴を隠して採用試験を受験してもバレませんか?」と相談をよく受けます。

あとは「怪我をして〇〇に少し障害があるのですが平気でしょうか?」という相談もあります。

これはどうなのでしょうか?

警察官採用試験で通院歴はバレる?

基本的に警察官採用試験で通院歴はバレることはありません。

つまり病歴を隠すことは不可能ではないです。

病歴などを調べる場合は捜査になりますから、被疑者でもない受験者の病歴や通院歴を捜査することは不可能に近いです。

 

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でもそれはお薦めしません。

なぜなら警察官採用試験に合格した後に大きな苦労をするからなのです。

既往歴によっては拳銃を奪われる危険性も

過去にてんかんを隠したまま警察官に採用された人がいて、警察学校在学中に発症しそのまま自主退校した人もいます。

訓練では拳銃を扱うのでもしものことがあると周りにも死傷者がでる恐れがありますし、交番勤務になった際は一人でパトロールに行くこともあります。

そんな時に意識を失う持病が発症すれば拳銃や無線機などが奪われる危険性もあるのです。

警察学校、通院歴、病歴

そして何よりも警察官として働く上で持病を隠すことは精神的にも苦しいです。

味方のはずの同僚にも隠し事をしながら定年まで働くのはあまりにも酷ではないでしょうか?

警察官になる夢を持つのはとても素晴らしいのですが、その夢を叶えたあとを想像することも大切です。

交番の激務の仕事に耐えられるか?

ただ、人はある程度の年齢になれば何らかの病気をするので何から何まで全てを正直に申告する必要はありません。

常識的に考えて自分の病歴や既往症、ケガの後遺症が警察の勤務に耐え得るか想像してみると分かりやすいかと思います。

 

 

交番勤務は24時間勤務で春夏秋冬、風雪雷雨の関係なく通報に対応する必要があります。

時には食事できないときや仮眠ができないこともあるでしょう。

糖尿病など、一定時間が来れば投薬する必要がある病気などは24時間勤務に耐えられるか医者に確認する必要があります。

警察官採用試験、対策

自分のケガや病気は妨げにならないかを考えて、問題なければ自信を持って受験すれば良いと思います。

警察官が仕事で大きなミスをすると自分だけでなく一般市民や犯人、そして同僚も巻き添えにしてしまいます。

 

そして何よりも苦労して警察官になったのにやむを得ず退職することになるのは精神的ショックも計り知れません。

自分だけで思い詰めると良い答えが出ないことも多いので、悩んでいる方はまずは周りの意見やかかりつけのお医者様に相談することをお薦めします。

精神科の受診歴は警察官採用試験でバレる?

よく精神科への受診歴は面接でバレますか?とご質問をいただきますが、これは率直に言うと自分で言わなければ絶対に発覚しないです。

大切なことは精神的な疾患が快復(寛解)していることで、通院したことではありません。

警察官だから苦しいのではなく、精神的に不安定のまま警察官になると苦しいというのが正解です。

というよりも、警察官に限らずどの職業に就く場合でも、精神的・肉体的に問題があれば聞かれたときには正直に自己申告しなければ後で不利になることは多いです。

労働者には、自分にとって不利益な事実を積極的に、勤務先へ告知しなければならない義務はありません。

そのため、面接の時に、病歴について質問されないのであれば、自分からてんかんであることを公表する必要はありません。

要するに、聞かれなければ、自分にとって不利益なことを自分から答える必要はないのです。

次に、面接の時に、病歴について質問された場合の対処法です。

この場合、嘘をつくのはやめたほうがいいです。虚偽の回答をして、そのことが勤務先に発覚して信頼関係が失われた場合に、最悪解雇になるリスクがあります。

引用:弁護士ドットコム

僕の同期にはひどい腰痛持ちでコルセットを巻いたまま働く警察官もいましたし、持病があるから不合格になるというわけではありません。

大切なことは定年まで問題なく、その持病を抱えながら働くことができるかという点です。

これは警察官になりたいという夢だけの問題ではないので、繰り返しになりますが自己判断ではなく医師に相談してみてください。

続けて【警察官になれるのか不安になった時は】の記事へ

27 件のコメント

  • 過去に糖尿病だと診断された者です。現在血糖値は高くなく健康な人とさほど変わりませんこの場合自己申告すべきでしょうか?申告した場合採用されますか?

    • 糖尿病でも業務が滞りなく行えるのでしたら、一度お医者様に確認した方が良いと思います。
      警察官になることが目的ではなく定年まで働くことが出来るのか、そういう考え方にシフトしてみて下さい。

      • 私はたまに息苦しくなる程度の軽い喘息を持っています。業務に支障がないと判断し、申告せずに合格しました。

        この後に申告するのは問題になりますでしょうか。

        • もし既往症を秘匿していたなら何らかの責任を問われるかもしれませんが、それは合格された自治体次第です。
          それよりも警察官の仕事をする上で喘息は大丈夫でしょうか?その点が心配なので就職することよりご自分の身体を労ってあげてください。

  • 知的障がいを持ってます。
    警察行政職員ではなく普通の警察官になるのは無理でしょうか?

    • 募集要項に合致しており、筆記試験と面接に合格出来れば問題ありません。まずは筆記試験のテキストをご覧いただき、各問題が解けるか確認してみてください。

  • 現在私は高校生です。小学生時代からてんかんの症状がありましたが、ようやく高校3年生で完治したという書類を主治医から発行して頂きました。
    その際、完治したという書類を受験で提出しなければならない場合、他の受験生と比べ不利な扱いを受けたりするのでしょうか?

    • 有利、不利という考え方ではなく『警察官として定年まで働けるのか。業務中も問題なく働けるのか。』
      それらを採用側は気にしており、働く側としても警察官になることだけを目標にすることなく、上記が問題ないのかを考える必要があります。

  • たった今病院でてんかんと診断された高校2年です。今年の警察官採用試験を受験しようと考えて勉強も始めるところでした
    発作は中2からの2回目で3年開けてで朝晩薬を飲むことになりました
    このような人間でも警察官採用試験で受かる可能性はあるのでしょうか
    恐らく免許を取るには時間がかかるとは思いますが中3の頃からの夢で警察官になるためだけに高校も全て選んできたので諦めきれません
    返信頂けると幸いです

    • 警察官採用試験に合格するか否か、ではなく警察官として働けるのかという点について考えてみて下さい。
      例えば一人で24時間勤務はできるでしょうか?
      時には食事を摂る時間もなく、もちろん薬を飲むタイミングもなく朝から翌日の朝まで働くこともありますが、それは可能でしょうか?

      試験に受かることをゴールにするのではなく、警察官として働いたことを想定してみてください。
      そしてそれらを含めてお医者様に相談してみることをお勧めします。

  • こんにちは!
    県警を目指している大学生のものですが、中学3年生の頃から急に耳鳴りがして右耳(高音)が聞こえづらくなるといった突発性難聴になってしまいました。病院の先生には、日常生活には支障はありませんと言われ、約6年近く実際に生活していく中でも私生活に影響がないと感じています。(今現在も変わらず耳鳴りはしています。)
    県警の採用ホームページを見てみると聴力の項目に「職務遂行に支障がない程度」と記載されていました。
    個人的には職務執行に支障はなく、長年続けることが可能であると感じています。しかし、一次試験が通り健康診断にて、聴力検査をした時に、正常な数値が聞こえない(耳鳴りのせいで高音が聞こえない、一定の音までは聞こえる)が、日常生活には支障はない場合でも、正常な数値が聞こえてないとやはり通らない(落ちてしまうの)でしょうか?

    • はじめまして。難聴なのですね。
      採用の可否については採用側の一存なので何とも言えませんが、警察官として勤務する上で仕事に支障が出るレベルだと警察官になったあとが大変だと思います。
      無線やイヤホンから緊急指令を聞いたり、小声で話すこともあるので、警察官としての業務が全く問題なく定年まで行えるか。
      警察官になることを目標にするのではなく、そういった視点で考えてみることをお勧めします。

  • はじめまして。県警志望の大学新4年です。
    警察官志望者としてあるまじき行為だとは重々承知しておりますが、1ヶ月ほど前に自分の自転車を修理している間友達の自転車で2人乗りをしてしまい、それが原因で怪我をしてしまいました。現在も治療中ですが、採用試験及び警察学校入校までには完治している見込みです。
    対応していただいた警察官の方によりますと事故としては処理しておらず記録も残っていないようですが、面接カードに怪我の既往歴を書く欄があるそうで、どうして受傷したのか質問された際にどう答えるべきか、そもそも隠すべきなのか分かりません。
    この行為の責任は自分にありますし誠に勝手なお願いだとは思いますが、アドバイス頂けますと幸いです。
    よろしくお願い致します。

    • そもそも『既往歴』とはどのようなものかを確認する必要があります。
      ナーバスになる気持ちはよく分かるのですが、まずは冷静になってください。
      そうすれば『採用側は何を知りたいのか』が分かるようになると思います。

    • 隠して採用されても、その後が大変で結局辞めてしまうことになると本末転倒なので、まずは医者に確認してみることをお勧めします。

  • はじめまして。
    コメント失礼します。
    今年度の警察官採用試験を受験するものです。
    小学校の頃小児喘息だったのですが、小学生以降は喘息になることはなくなったのですが、この場合も自己申告した方が良いのでしょうか?

    • はじめまして。
      自己申告するか、隠すかというよりも『なぜ申告するのか』を考えることが大切です。
      喘息が酷い場合は警察官の仕事をする上で自分自身が苦しいことになるでしょうし、警察官採用試験に合格することを目的にするのではなく警察官として働けるか否かを考えてみて下さい。
      その上で申告するのか否かを判断すれば良いと思います。

  • こんにちは。質問させてください
    先日、息子が採用試験に合格したのですが
    どうも、パニック障害のようなんです
    心療内科を受診した方がいいと勧めたのですが
    精神病だと、警官になれないから自力で入学の
    4月までに直すというのですが、本当に
    心療内科の通院はアウトになるのでしょうか?

    • まずは合格おめでとうございます。
      私は警察官時代、精神的にやられて心療内科に2回通って精神安定剤を服用していました。
      それでクビになることは決してありません。
      むしろクビにすると警察が訴えられるでしょう。
      警察はそんな薄情な組織ではないので、安心して通院してください。お大事に…。

  • 警察を目指している高校2年生です。現在心療内科で会食恐怖症(+軽度のうつ病)の治療をしています。隠すとか隠さないとかは、よくわからないのですが、通院歴があると警察官になれないということはありますか?自分には警察官以外やりたくないくらい、強い意志があるのでできれば、諦めたくないです。

    • 警察官でも心療内科に通う人はいるのでそれは問題ありません。それよりも心の不安定が寛解するように焦らないことが大切です。応援していますね。

  • 息子は自転車事故により足に神経麻痺が残り後遺障害12級です。日常生活に全く影響は無く普通に走ったりも出来ます。筆記試験は合格を頂いたので、後は体力試験と面接です。提出する身体調査書?に医師に病名を書かれてしまいましたが、提出したら採用には少なからず影響はありますか?

    • 1次試験合格おめでとうございます。
      健康診断は身体の疾患等を把握するためのものですから、少なからず影響はすると思います。

      • 度々すいません。
        上記の母ですが、少なからず影響とは不採用でしょうか?体力試験に向けて走り込んだり面接の練習をしている姿を見ると、何とか合格を頂けないかと願うばかりです。後遺障害で等級のある方が合格した前例はないのでしょうか?

        • お気持ちは痛いほど分かります。
          ただ、このブログ記事でも記載しているとおり、あくまでも判断するのは採用側です。他の誰にもわかりません。
          また、自分の障害をわざわざ他人に話す人は少ないですので前例等は分かりません。
          ヤフー知恵袋でデマが氾濫する原因はここにあります。

          挑戦する以上、誰にも分からないことならば受け入れるしかない。それが公務員試験の苦しいところです。
          ささやかではありますが、夢が叶うよう心よりお祈りいたします。

  • 度々すいません。
    上記の母ですが、少なからず影響とは不採用でしょうか?体力試験に向けて走り込んだり面接の練習をしている姿を見ると、何とか合格を頂けないかと願うばかりです。そこで後遺障害で等級がある方が採用された実例はないのでしょうか?

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。