警察官をクビになった話の裏側と警察学校の真実

警察官をクビになった話

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

最近、元警察官の方が書かれた漫画が反響を呼んでいるそうで僕も読んでみました。

「警察官をクビになった話」というテーマで、18歳で警察学校に入校したものの教官のパワハラや同期の酷いイジメに遭い、あえなく退職した話です。

「警察官をクビになった話」に共感できない理由

これはかなり壮絶で読み手の心をえぐる内容でした。

こんな酷い教官も警察も腐敗しているから日本の警察はダメなんだ。

警察学校のシステムを変えるべきではないか。

 

と、ほとんどの人は思ったでしょうが僕は全くそのように感じませんでした。

現職の警察官に見せても同じ回答をするはずです。

警察学校は普通の学校ではない

そもそも、警察学校ってどんなところかほとんどの人が誤解しているんですよね。

警察学校は警察官を養成するだけの学校ではありません。

厳しい言い方をすると警察官不適合者を選別するための場所でもあるのです。

(YouTubeでも説明しています)

 

「学校」と名前が付いているので小学校や中学校のように先生が手取り足取り教えてくれて、仲間と協力して卒業まで国が面倒見てくれる場所というのは間違いです。

警察官に不向きな人はどんどん脱落していく場所なのです。

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難しい採用試験を潜り抜けてせっかく警察官になったのになぜ選別するのかというと、卒業後は通報してきた市民と直接触れ合うからです。

そこでなにか不手際があると取り返しのつかないこともあります。

たまにテレビニュースで若い警察官がとんでもない不祥事を起こしたとき「警察学校で見抜けなかったのか?」と警察はよく批判されますが、この「警察官をクビになった話」の作者さんが通われた警察学校の教官は不祥事が起こる前に見抜いて退職を諭しただけの話なんですね。

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警察に後出しジャンケンは許されない

警察が不手際を起こすと「もっと〇〇すべきだった」と世間から批判されますが、それは全て後出しジャンケンです。

そして不祥事を責められる警察に後出しジャンケンは許されないので何か問題が起こる前に対処することを求められるのです。

警察学校は閉鎖空間ゆえに…

警察学校は閉鎖空間ですからイジメのようなことは起こり得るでしょう。

特に作者の方は高校を出て警察学校に入校されており、周りもまだ社会を知らない10代の若者ばかりです。

その集団の中に輪を乱す存在がいて、いつも連帯責任を負わされているとすれば何となく想像がつきます。

(僕自身イジメは大嫌いなのですが人間が複数集まる場でイジメはほぼ必ず起こります。)

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試用期間途中の解雇は難しい

ここでよく警察学校の教官は「警察官を辞めさせたいなら解雇すれば良いのに」と言われるのですが絶対クビにはできません。

試用期間といえどすでに契約を完了した警察官(被雇用者)であり、地方自治体(雇用主)が簡単に解雇できないほどの強い権利を持っているのです。

警察がブログ主さんを解雇しようとすれば不当解雇となり、100パーセント警察は負けます。

だから教官は辞めるように諭す必要があるのです。

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「警察官をクビになった話」を読んでいると教官が「俺を恨んでくれていいからな」と最後に話すシーンがあります。

あれは間違いなく教官の本音だと思います。

夢を持って入校してきた若者を実質上クビに追い込むって精神的にかなりキツイはずです。

警察学校の教官もツラかった

自分がクビにした若者はその後どうなるのか。

もしかしたら路頭に迷うのかもしれない。

それでも市民のためには心を鬼にして決断しなければならない。

 

そしてそれが警察官の仕事なんですよね。

道案内や落とし物の受け渡し、迷子を保護するだけじゃなくて時には辛い仕事もあるんです。

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僕はよく教官から「警察学校にいる間は警察馬鹿になれよ。ここを出たらこんなことできないんだからさ。」と笑って言われました。

確かにみんなで盾を持って掛け声を出して走ったり、胴着を絞れば汗がでるほど武道することは警察学校だけです。

良い大人が青春ドラマみたいにケンカしてぶつかり合って成長してみんな警察馬鹿でした。

警察学校はツライことの方が少ない

風呂で同期がシャンプーを洗い流しているときにこっそり髪にシャンプーをかけて永遠にすすぎ終わらないイタズラをしたこと、僕が化粧水を使っているとみんながハマって寮のみんなが美容マニアになったこと、恋愛話を明け方までしたこと、色んな楽しい思い出があります。

辛い事だけじゃないのが警察学校です。

むしろ楽しいことしか覚えていません。

「警察官をクビになった話」はかなりレアケース

「警察官をクビになった話」が警察学校の全てだと勘違いすると余りの落差に驚く人も多いと思います。

それほどあの漫画はレアなケースですし、教官から辞めるように諭される人は「それだけの理由」があるのです。

自分が被害者になって通報したときを想像したら意味が分かりますよね?

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警察学校の卒業式で同期と別れるとき、同期が僕に敬礼した凛々しい姿が今でも目に焼き付いています。

この記事を書きながらもし機会があるならもう一度入校してみたいなと思いました。

大人になって学校に入り、青春をやり直すってなかなかないので本当に楽しいんです。

警察官を目指している方も警察官採用試験に合格した方もネットの情報全てが真実ではないので心配しないでくださいね。

4 件のコメント

  • 辞めるよう諭されるのは分かるけど言い方ってもんがあるでしょう、あんな言い方をする様な人間が警察やってる時点で腐敗してるでしょ

    • どんな言い方だったのか、どんな失敗をしたのかが分からないまま当事者の意見だけを信用して一方的な警察批判で終わってしまうのがネットの恐ろしさなのです。

  • 興味深く拝見いたしました。
    「警察官をクビになった話」を読んだ時、桜井さんのこちらのブログのような事情があり、
    あのようなイジメや追い込みがあったのだろうと、想像できました。
    気になったのは、あそこまで追い詰めないと追い出せないシステムの方でした。

    是非、内部にお詳しい桜井さんのような方のお考えが知りたいのですが、
    今回のような事はレアケースなので、現在のシステムが最善と思われますでしょうか?
    それとも、システムに改善の余地はありそうでしょうか?

    オブラートに包むとぼやけそうですのでストレートに申しますと
    「もっとスマートに不適合者を退けられる仕組みにできないのか」という事ですね。
    あそこまでお互い消耗せずに・・・
    青臭い事を申しますと、多くの方の利益の為に、ごく一部の方が大きく傷ついている(辞めさせた方も含め)事が
    私的にはあの漫画のテーマなのかなと感じました。

    • 私も人を傷つけてまで辞めさせるシステムが最善とは思えません。
      ただ試用期間とはいえ労働者の権利が強いため、「辞めるつもりはない」と言われれば辞めさせることができないのが現状です。

      多くの方の利益を守るために少数を傷付けるという表現をされていますが正にその通りだと思います。
      公共の福祉という言葉があるように社会秩序を守るためにはある程度の強権性も不可欠かなと思います。

      社会を知らない高校生上がりの若者に「僕は辞めたくない」と頑なに言われた場合、いかに諭すのがベストなのかは私にも分かりかねます。
      ただ、あのブログのように『警察官不適格だったから退職勧告された人』が原因を曲解し恨みに感じてネット配信し、多くの賛同者が湧くというこの時代は雇用側にとって非常にやりにくいだろうなと思いました。

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