管理人の元警察官・桜井陸です
警察官採用試験の二次試験に進むと必ず面接があります。
この面接とはどんなものなのか?
警察官になるための面接だから当然圧迫面接だと思っている方も多いようです。
前回は警察官採用試験の面接で落ちるのは警察官に向いていないから?という記事で面接に落ちる理由を説明しましたが、今回は面接の実態をお話しします。
圧迫面接はありませんでした
僕は警察試験で面接を3回経験しました。
面接では2回落ちたので戦績でいうと3戦1勝2敗ですね。
試験は1勝すれば採用なので負けの数は気にしません。
さて、僕が受けた面接はどんな感じだったのかというと圧迫面接は一回もありませんでした。
人によって感じ方にも差はあるのでしょうが、少なくとも怒鳴られたり詰問されることはなかったです。
逆に面接に落ちたときは淡々と質疑が進んだ印象です。
面接で落ちたときの印象ですが、面接官は僕にそこまで興味がないなと試験中に強く感じました。
せっかく向こうが質問してくれても僕は記憶した答えをスラスラ話すだけだったのでまるで熱意も人間味もないと思われたんでしょうね。
わざと厳しい口調で質問されることもあります
ちなみに合格したときの面接では一瞬だけ厳しい空気になったことを覚えています。
面接官は基本的に2~3人いるのですが、そのうちの一人に
「桜井さんは何か普段から身体を動かしていますか?」
と質問されたので僕は
「はい、毎日マラソンしています」と元気よく答えました。
するとその面接官からため息まじりに
「それはフルマラソンですか?それともハーフマラソン?」
と突っ込んで聞かれたのです。
この時、和やかだった空気が一瞬で凍り付いたのを覚えています。
僕はとっさに
「すみません!言い間違えました。1日30分のジョギングをしています」
と答えるとその面接官も納得したのか突っ込んでくることはありませんでした。
こういう質問のされ方が受験者によっては圧迫面接と感じるかもしれません。
それでも動じることなく答えればなんてことないのです。
答えが少々間違っていても減点などされません。
面接で頻出の質問内容と理由
面接でよく聞かれる質問内容としては
- 志望動機
- (前職がある人は)退職理由、仕事内容
- 普段から身体を動かしているか
- 警察学校の訓練についていく自信はあるか
- 集団生活は大丈夫か
というものです。
これは警察学校に入ってもすぐに辞める人が多いので意思確認も含んでいるのです。
面接で自信満々に「自分は大丈夫です」と答えた受験者でも警察学校で辞める人が後を絶たないのです。
僕も警察学校で同期が数人辞めました。
採用試験に落ちた受験者からすれば「自分なら警察学校の訓練に耐える自信あるのに」と憤慨するでしょう。
こういうミスマッチを防ぐためにも面接では「本心で話しているのか」と受験者に対して多少でも厳しく質問する必要があるのです。
無理な笑顔は必要ない
ちなみに面接では笑顔で受け答えするほうが好印象なのかと質問もありましたが、それは向き不向きがあります。
僕は人懐っこい性格なので笑わせたり和やかな雰囲気にすることも得意なのですが、不向きな人がやると違和感があるので落とされる可能性が高くなります。
ニヤニヤするのとニコニコするのは全く違いますし、笑わせるのと笑われるのは別物ですから。
余談ですが、僕は巡査部長の昇任試験のとき面接官から少しいじわるな質問をされたので笑わせてやろうと思い
「私は恐妻家ですので妻に聞いてみなければ私の一存では決められません。」
と答えると、全員がお腹を抱えて笑っていました。
(面接官は警察組織でもトップクラスのお偉いさんばかりです)
面接ではもちろん笑わせるだけでなくて「誰にも負けない熱意ある回答」や「人一倍仕事をして身に着けた業務知識」もアピールしています。
この昇任試験も合格したので警察の面接は特に人柄・熱意のアピールが一番大きいなと感じました。
ちなみに僕は合格した回の警察官採用試験の面接が終了したとき、一瞬言葉が詰まって「ありがとうございました」が言えなくなりましたがそれでも面接官の全員の顔を見て、間を置いてからお礼を言いました。
僕がお礼を言うとマラソンの件で突っ込んできた面接官も含めて3人ともが笑ってお辞儀してくれたので手応えも十分でした。
この時に面接官は多少厳しいことを言うのも仕事なんだなと実感しました。
警察官採用試験の受験者はまだ一般人です
警察官採用試験を受験する人はまだ警察官ではない一般人です。
一般人に対してわけもなく厳しいことを言うと警察的にもマイナスになるので「警察の面接は基本的に圧迫面接なんだ」という気持ちは捨ててください。
多少は突っ込まれても民間とそれほど差はありません。
そして突っ込む理由は「あなたが本当に警察官としてやっていけるのかを見ている」ということを忘れないでください。
面接官は全員警察官です。
面接官はみんな厳しい警察学校を卒業して厳しい第一線の現場を経験してきたので、色々な面で受験者を心配しているという部分は大いにあるのです。
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