警察官を辞めて民間の人事課に転職してから3年近くが経つ。
面接や転職の知識も豊富になり、最近は警察官志望者だけでなく民間の就職試験や公務員試験を受験する方、そして現役警察官の方から転職相談を受けるようになった。
ネットで「転職」と検索しても眉唾な情報しか出てこず、YouTubeの動画を見ても結局答えが見つからない。そんな経験をした人から多くの相談が寄せられる。
転職の悩みは検索しても解決されない理由
僕も転職を考えた頃、実はYouTubeで転職について調べたけれど最後まで答えは見つからなかった。知りたい答えがあと一歩のところでぼかされているので、似たような動画ばかりを観ていることに気が付いたのだ。
だからこそ僕は自分の経験した生の情報を動画にしたくなった。人事課の面接官として、求人媒体を使って採用する立場として、何に注意するべきかを。そして転職する場合にどうすれば有利になるのかも。
例えば僕は転職する前、履歴書や職務経歴書は手書きにするべきなのか印刷でも良いのかとても迷った。そしてグーグル検索したところ、出た答えは『分からない』だった。
つまり人によって意見が違うため信憑性がないのだ。だから本命を受験するのに少しでも不利になるのは嫌なので結局は手書きしたことを思い出す。
人事課で知ったこと
そして人事課に入り、転職者の履歴書を見ると多くが「印刷された履歴書」だった。(手書きは年配の方に多い)
この時に感じたのはこれが生の情報なんだということ。
人事課に入って当たり前のようにマイナビやエン転職、DODA、ビズリーチなど転職サイト(転職エージェント)の担当者と打ち合わせしているが、これを当たり前の仕事にするのではなく需要のある情報を集めて動画やブログにすれば色々な人の役に立つんじゃないかと気付き、仕事中も常にワクワクしている。
警察官時代も交通違反の切符を切ったり、職務質問するためにパトカーで追尾したときにワクワクしたのは自分の経験が特別だと認識していたからだ。
ガサ状を持って突入する数日前、逮捕グッズを自作するために100均で買い物かごを持って選んでいる時も、周りから見ればただのサラリーマンに見えている自分が誇らしくて仕方なかった。
今は大勢の人から送られる履歴書や職務経歴書、そしてエントリーシートを見て不採用通知を送る時に「その内容で採用をもらうのは厳しいよ。」とメモ書きを付けてアドバイスしたくなる。
合同説明会に出展しても自信なさそうに歩く転職希望者を見ると『ああ、この人は苦労しているんだなあ。』と胸がグーッとなり、そんな人が自分のブースに座った時は進路相談をしている。
みんな人生に悩み、会社に悩み、給料の低さや労働時間に悩み、抱えた家族を養う方法に悩み、どこかにあるはずの理想の転職先を探して合説会場を彷徨うように何周もグルグルと歩く。
転職するために必要なこと
ここでアドバイスしたいのは嘘をつけとは言わないけれど転職(就職)で全てを暴露する必要はないのだ。ただ、隠したいことをどこまで隠しても大丈夫なのか分からないから多くの転職希望者は不安になる。
全てを話せば正直者として褒められたのは小学生までで、大人の世界で本音と建て前を使い分けられない人は決して重用されない。僕は生き抜くために、家族を守るために必死で建て前を勉強して面接ではどこまで話すべきなのかギリギリのラインを学んだ。
そしていま求められているのは合格する履歴書の書き方などの浅い情報ではなく、不合格にならないためにどこまで本音で話すべきかという具体的なアドバイスではないかと受験者が語る志望動機を聞きながら強く感じた。
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