警察官になりたいけどコネがないと試験合格は難しい?と思う方へ

警察官とコネ

ブログ管理人の元警察官・桜井陸です。

今回はユーチューブ動画視聴者の方(伊藤さん・仮称)が警察官採用試験に合格したので、受験者の皆様にアドバイスをいただきました。その方は理容師として床屋さんで勤務されていましたが、ご両親が警察官ということもあり転職を決意し合格されました。

ただ合格までに3年間(試験は計6回)受験されたのでその苦労は計り知れないものがあります。両親が警察官でもコネはありませんし、試験は実力です。全くの異業種から最終合格された体験談はきっと勇気を与えてくれるので志望動機や勉強方法など参考にしてみてください。

警察官になりたいと考えた理由と採用試験のコネについて

なぜ散髪屋さんで働きながら警察官になりたいと思ったのでしょうか?手に職もありますし珍しい転職だと思うので志望動機や転職理由をお聞きしてもよいでしょうか?
伊藤さん

まず第一に幼い頃から警察官である両親の姿を見たり、色々な話を聞いた時にカッコいい存在だなとは思っておりました。高校までは実は自衛隊に行きたかったのですが、その時試験に落ちてしまいもう一つ興味があった理容師の道に進みました。

しかし、車やバイクで通勤中などに見かける違反者などがとても悪質で許せないと思う中、見ているだけで何もできない自分がとても情けないと思うようになりました。

そこから警察官、白バイ隊員を目指そうと思いました。自衛隊もとても好きなのですが、やはり全国転勤が今の自分にはきついなと思い憧れであった警察官になりたいと考えて受けようと思いました。

それと、これは面接などでは決して言えない事ですが、やはり理容師としての将来性、警察官としての将来性を考えた時に金銭面、休暇面、福利厚生をみても公務員がいいと思いました。これは両親を見て育ったので尚更だと思います。

【参考記事】警察官の給料や年収、福利厚生、有給休暇ってどう?

警察官採用試験のコネと不合格原因について

なるほど。ご両親が警察官ならば警察官としての魅力も身近で感じますよね。世間的には親が警察官だとコネがあるから有利と噂されるし気持ちも楽だったのではないでしょうか?

伊藤さん

確かに自分は最初の頃はネットの情報ばかりを頼りにしていて、親が警察官だし余裕で受かるなぁと正直思っていました。しかし、二回、三回と落ちた時にコネなんて本当にないなと感じました。

その時勉強はしていたのですが、細かい論文対策などは全然していなかったので、全て一から見直してやり直しました。そして自分が合格したのは6回目(3年目)の時ですが、やっと初めて二次試験に進めた5回目の時は身体検査で赤血球の量が多いということで落ちてしまったのです。

その時は身体検査ということもあり本当にどうやっても受からないと思いました。しかし、赤血球の量について調べてみると①遺伝的なもの②ストレス、水分不足、肥満など一時的なものの2種類あると分かったのです。

 

なので、自分は6回目の時に身体検査まえにアクエリアスなどをいっぱい飲み、ランニングなどの運動もしっかりやってから試験に臨みました。そして、自分でも信じられませんでしたが合格することができました。

息子が何度も受けている姿は、周りに部下などがいる両親にとって恥ずかしかったかもしれません。ですが、ずっと次も頑張りなと家族や仕事場の方々が励ましてくれたことで諦めずに受け続けてこれたとおもいます。

【関連記事】警察官採用試験の二次試験(面接)で不合格になるたった1つの原因

社会人の警察官採用試験の対策や勉強方法について

なるほど。6回も不合格になると精神的に苦しいですね。働きながらだと尚更だと思います。ちなみに働きながらどのように勉強されたのでしょうか?

伊藤さん

正直夜に帰ってくるので、眠さもあり、本当に2、3時間出来るかどうかという時間しかありませんでしたが、電車の中や、暇な時は過去問を見たいするようにはしていました。

それと試験官(集団討論)や警察学校の教官もしたことのある両親からアドバイスをしてもらったりもしました。警察官だからといって特別なアドバイスではなく基本的な事でしたが、やる気にはなりました!

【関連記事】中途採用で民間から警察官に転職する難易度を解説します

社会人が警察官を目指す場合の志望動機と自己PR

空いた時間を有効活用されたわけですね。後は面接対策を徹底されたことが合格につながったと。それでは面接でどのように志望動機を説明されたのでしょうか?散髪屋さんからの転職は珍しいと思うのですが。

伊藤さん

確かに珍しいと思います。面接の時にも『異業種からなぜ志望したのか』を重点的に聞かれましたが、理容師は常に会話をし、相手を観察する仕事なのでそれを警察官としても活かしたいと伝えました。

散髪屋は普段から年齢や職業を問わず色々な人が来店してくるので、その面ではこれまでの経験が活かせるなと思っていましたし、それが自分の強みだと感じていました。

【関連記事】警察官採用試験・合格者様からのお手紙

警察は激務で休みがないのは本当か?

つまりは接客スキル(コミュニケーションスキル)をPRされたわけですね。受験生の中にはコミュニケーション能力をアピールする方も多いのですが、コミュニケーションとは聞く・話す・書くなど色々と細分化されるので、その中でも接客業で培ったスキルに結び付けて説明すると説得力がありますよね。

では話が変わって、警察批判やデマについてどう思われますか?警察は激務とか休みがないとか呼び出しが多いなど色々と叩かれていますが、現役警察官のご両親は実際どのような暮らしをされているのでしょうか?

伊藤さん

正直部署にもよるとは言われましたが、新人のころは確かに忙しいですがやはり公務員なので休みはあるし給料はちゃんと貰えるよと言われました。それと同期なんかとは今でも交流があるみたいなので、仲間としての存在はでかいのかなと感じました。

また、両親の歳になった時(父59歳、母54歳)では、好きに趣味をしたり、長期休みと合わせて有給をもらって、1週間ほど2人で旅行に行ったりしていました。自分が今いる理容業界では、まずそこまでの休みは取れません。ネットで言われているほど厳しい仕事ではないというのが本音です。

また、子供の行事などにも結構毎回参加していたようにおもいます。そういうところでも、休みなどはしっかり取れると幼い頃から見ていて思いました。

【関連記事】新人警察官の休みと勤務時間、残業について公開します

警察官になりたい方へ勉強方法などのアドバイス

確かに新人の頃は覚えることも多いですし、思い通りにできないこともあるので辛いこともあるでしょうね。ただそれはどこの会社に行っても経験することなので『警察だから新人は大変』というよりも社会人として当然のことを学ぶ場なのだと思います。

1週間の休みもそうですが、二人で長期旅行に行けるのは財力があるということなので夫婦で警察官は強いなと感じました。最後に警察官を目指す人に何かアドバイスいただけますか?

伊藤さん

私から警察官志望者へのアドバイスとして、なにが理由で落ちたりしていても諦めずに頑張って欲しいと思います。自分も何度も諦めようかとおもいましたが、本当に諦めなくて良かったと思っております。

常連のお客さんに居なくなることを伝えた時、警察官になりますと言うと、全員すごいじゃん!おめでとう!と言ってくれます。
やはり皆が凄いと思ってくれる職業であると改めて実感しました。

大学生のお客さんなんかでも、公務員試験を一回落ちて諦めてしまう子もいました。確かにそう簡単に受かるものではないですが、受かった時の喜びや世間の目は予想以上に凄いです。是非頑張って受かってほしいと思います。

【関連記事】警察官採用試験の適性検査と自己分析について

ありがとうございます。世間では身辺調査のデマなどがネットで溢れており、ヤフー知恵袋を見ても誤った情報が堂々と載せられています。この間違った情報を見た結果、警察官になることを諦めたり採用試験に受かっても警察官になることが怖くなり辞退する方も実際にいます。→ヤフー知恵袋のデマを指摘して炎上した記事はこちら

だからこそ伊藤さんのように実際に合格した方から本当の情報をいただき今後も掲載していきたいと思います。

続けて【警察官の仕事内容・やりがいや警察学校の実態を公開します】の記事へ

この記事にはコメント欄がないのでご質問等ある方は→こちらの記事へコメントいただければできるだけ早く回答いたします。

ABOUTこの記事をかいた人

・就職氷河期時代、3年間の公務員浪人を経て警察官採用試験に合格。 採用後は同期内最速で刑事課に引き抜かれ、代表的な出世コースに乗る。 刑事部長褒賞、地域部長褒賞、交通部長褒賞、署長褒賞など受賞歴多数。(賞状はプロフィールページに掲載) ・初任科、初任補修科を経て地域課(地域第3係)へ初任配属。 ・初任配置先の交番が高級住宅街で事件・事故の発生が毎日0件という平和な勤務地であったため、仕事が覚えられずに焦る→最多忙な交番へ異動希望を出す。 ・異動先の交番は歓楽街のど真ん中にあり、深夜でも大きな事件が発生する『不夜城』として警察24時でも頻繁に紹介される勤務先であった。 深夜2時に『10対15の喧嘩発生』という意味不明な無線を聞き、戦慄が走った思い出。 ・交番勤務時代は老若男女問わず地域住民が交番に訪れ、幹部から「行列のできる交番」と揶揄される。 ・警察官になり昇任試験に合格し、自分のやりたかった仕事も完遂して燃え尽き症候群に陥り退職。 (ちなみにプロフィール写真は巡査部長に昇進したあと、退職前に記念撮影したものです。) ・転職したとき、アラフォーながらGAFAからオファーを貰う。 ・警察官退職後は大手企業(ホワイト500認定企業)の人事課に転職、採用担当として活躍。DODAやリクナビ、エン転職など各媒体を駆使して採用率を大幅に向上させる。 ・現在も人事課で採用担当として勤務し、現役大学生からシルバー世代まで幅広く面接を行っている。 ・人事課では採用以外にも、優良子育てサポート企業として『プラチナくるみん』認定取得のために会社を構造改革中。 ・所定外労働(残業時間)を削減するため全部署の労働時間を常に可視化するツールを導入し、大幅に削減させたことから労働基準監督署の監督官から賞賛される。 ・『警察官になる前に学んだ知識』と『警察官として働いた間に蓄えた経験』『実際に人事課で勤務した経験』をミックスさせた警察官採用試験対策は1年で数十名の合格者を輩出。 ・顔出しなしの講義YouTube動画で異例のチャンネル登録者20,000人突破。 ・ツイッターは1日1回のツイート、フォロー0人でフォロワー1,000人突破。 ・40代、既婚、大阪市居住。 ・2017年から警察官採用試験対策を開始。合格実績としてプロボクサーや現役自衛隊員、転職歴多数者、元警察官、フリーター、工場勤務者など様々な経歴を持つ受験者を合格に導く。 ①『30代の女性は警察官になれない』というネット上のデマを払拭するため、30代の女性受験者を集めて合格に導いた実績 ②テレビに出演する有名な元警察官(警部級)のコメンテーターから『君は警察官にはなれないよ』と言われた受験者を合格に導いた実績 この①と②の実績を公表してネットに大きな反響を与える。 当サイトの情報をコピーペースト等して二次利用することは固く禁じておりますが、リンクはフリーですので参考になる記事がございましたらご自由にリンクを貼ってください。